自殺した親友が残したフロッピーと彼の名を使って僕は作家になった。ある日突然何も書けなくなった僕は、彼が生きているのかと疑い、死の真相を追い始める。生と死のパラレルワールドを潜りぬけて神を殺す小説家の物語。
普通の作家だと手抜きっぽいどうでも良い話のほうが面白くないのだが、伊藤たかみは力作のほうがつまらないなぁ。題名が『盗作』だから、作家が誰かの作品をパクってぐだぐだになる系統の話かと思ったら全然違った。
引き篭もりの友人が自殺する直前に送ってきたフロッピーには、荒削りの作品が入っていた。それを主人公が改稿して仕上げ、受賞して作家となっている。友人の死を追ううちに、かつての同級生だった洋子と再会するのだが、謎の美少女が乗っていた車に轢き殺されて埋められた筈の飼い犬が生きていたり、当時の美少女にそっくりの人物が現れたり、洋子の亭主が突然DV男と化したり、だんだん訳が分からなくなって来る。
友人の死に関して、何が知りたいのかよく分からないままに、淡々と盛り上がらない退屈な話が続く。だんだん、現実と虚構がごちゃまぜになって来て、何が何だかよく分からないまま終わってしまった。
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