プロバビリティ・ムーン
2010年3月10日 SF特集22世紀半ば、太陽系外縁でのちにスペーストンネルと呼ばれる不思議な建造物が発見された。このトンネルは人類に外宇宙への扉を開き、いくつもの新世界が発見された。だが、やがてそうした新世界で、人類は異星種族フォーラーと遭遇、交戦状態に入った!敵の強大な軍事力に圧倒され、人類は苦しい戦いを強いられる。そんなおり、新世界のひとつ「世界」で、戦況を一変させる、強大な力を秘めた人工物が発見されたが…。
三部作の第一部。謎の先進文明によって造られたスペーストンネルが発見され、各地に人類が広まった未来世界。見つかった知的生命体のうち、大半は人類よりも遅れていたが、異星種族フォーラーとは交戦状態に陥り、人類のほうが押されている。
新たに発見された謎の人工物が存在する新世界のひとつが舞台となるのだが、そこにいる種族の、現実、非現実を共有する文化に馴染めず、読み進むのに苦労する。物語が淡々と進みすぎて盛り上がらないし、登場人物の誰も主役っぽくなくて、誰を中心に捉えて読んで行けば良いのか分り難い。強いて言うならば、この星に住む地球外知性体で、罪を犯して非現実者となった女性が主役か。
先進文明の遺物は、この世界では月として認識されているが、何のために使うものなのかは、最後まで謎のまま。これを狙ったフォーラーも来襲し、太陽系まで運ぶか、それが無理なら敵の手に渡る前に破壊しようとするのだが……。
星間戦争中なのに、辺境惑星の遅れた種族相手に、科学者達が調査しているばかりで、ちっとも楽しめなかった。
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宍倉勲は二十代半ばで父が興した会社を引き継いだが、十五年後に敢えなく倒産させてしまった。罪悪感をぬぐえないまま再就職し定年まで働き、もうすぐ「人生の定年」も迎えようとしている。だが、そんな勲の働く姿こそが、娘の香を「会社」の面白さに目覚めさせて―「仕事」によって繋がった父と娘を、時間をさかのぼって描く連作長編。
最初は、孫と一緒に購入予定のお墓を見に来た老人の話から始まるのだが、連作となっていて、だんだん時系列を遡って行く。
老人は、菓子製造メーカーの二代目社長で、景気悪化の荒波を乗り切れずに会社を潰してしまい、サラリーマンとして再スタートして娘を育てる人生。だんだん昔の話に遡るので、老人から、中年サラリーマン、会社社長と若返って行く。それぞれの話で、散髪屋が絡んで来る。
最終話だけは、例外となっていて、自分で会社を興した娘視点になっている。
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東京の観光スポットをめぐるバス会社・アヒルバスに入社して五年のバスガイド高松秀子(デコ)は、わがままなツアー客に振り回されながら仕事に励む毎日。ある日突然、新人バスガイド研修の指導員に指名されるが、自信のない態度が災いして、新人教育は遅々として進まない。そんな中、同期の中森亜紀にアヒルバスの「革命」を持ちかけられて……。軽快なテンポとユーモアあふれる筆致が笑いを誘う一方、主人公デコをはじめバスガイドたちが、それぞれに悩みを抱えながらも奮闘する姿は、胸に沁み、生きる元気が湧いてきます。名手がおくるとびきりのお仕事&青春小説です。また、アヒルバスのガイドたちによる東京名所の観光案内も読みどころのひとつ。二重橋、都庁、お台場、東京タワー、浅草、築地本願寺など、よく知っているつもりの観光スポットも、デコたちのガイドにかかれば意外な新発見があるかも。アヒルバスならではのTOKYO観光をお楽しみください。
ちょっと題名がふざけた感じに見えるけど、結構面白いお仕事小説だった。最近の山本幸久はお仕事絡みの小説が多い。今回は、バスガイドさん。最近は合理化と人件費削減で、バスガイド無しが増えてきた気がするが、物語の舞台となるのは東京都内を観光するバスツアー会社なので、ガイドは必要不可欠な存在である。
主人公のデコは、もはや新人ではないけれども、ベテランと言うにはまだ未熟な、微妙な立ち位置にいる。自分を教えてくれた先輩はヘッドハンティングでいなくなり、同期も自分含めて二人しか残ってはいない。
ある日のツアーで、ちょっと怪しげな行動を取る若い女の子(推定、高校生)と仲良くなるのだが、この謎の高校生、実は……。これはネタバレする前に正体が分かってしまった。この日のツアーには、常連の偽伯爵も乗っていて、これが後の伏線となる。
いい事も嫌な事もあるけど、前向きに仕事をしている主人公デコが素晴らしい。あと、実在するのか脳内妄想なのか判らないけど、ピノの神様最高(笑)。
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犯行は、クリスマスイブの前夜に再開された。現場は、ベルリン郊外の精神病院。若く美しい精神科医が何者かに襲われ、サイコブレイカーの被害者に似た状態で発見されたのだ。その数週間前から、若い女性の精神だけを次々と破壊する事件が勃発、その犯人は“サイコブレイカー”と呼ばれ、住民に恐れられていた。猛吹雪で閉じ込められた職員と患者たち。彼らは団結して身を守ろうとするが、一人、また一人と姿を消していく―。しかし、この事件そのものが、実はある心理学実験のためのカルテに書かれた物語なのだ―。ノンストップ・サイコスリラー。
精神病院前で記憶を失っていた男は、そのまま病院に入れられるが、大雪の日に病院前で救急車が横転し、ある人物が運び込まれて来る。彼は、何故か自分で自分の喉を切り裂いていた。
雪で隔離されてしまった病院で、美しい医者が精神を破壊され、恐ろしい一夜が始まる。相手は、今までに三人もの美女を殺したサイコブレイカー。一体、どうやって殺したのかは不明だが、体を傷つける事無く、精神を破壊して相手を殺すという、とんでもない力を持った正体不明の殺人鬼である。
これは何者かが書いた小説であり、被験者はその内容を読まされるだけという、一見すると入れ子構造式の物語になっている。裏の解説で思いっきりネタばれしており、これは面白さが半減してしまったなぁと思いつつ読み進めると……。
何この呪いのビデオならぬ、呪いの文章設定は(笑)。読んでも大丈夫とか言われても、後味の悪さが残るよなぁ。さりげなく別作品ともリンクしているのだが、いつものような、作者にしてやられた感が無いのは何故だろう。
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幻の生物が住み、不思議な力を持つヤンに「守られてきた南洋の孤島」。この島に待ち受けているのは、開発か自然保護か―現実社会が抱える問題を軽やかな文章と卓抜な発想で描き切る南の島の冒険物語!第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
この賞を読む度に思うが、ハイレベルの作品が多い。芥川賞にノミネートされる前段階の各新人賞とはレベルが違い過ぎる件!
紛争が続くため、一般人が立ち入る事が許されない南洋の孤島イシャナイに、調査団の一員としてやって来た瞳子の物語。彼女が探すのは、その存在を誰も信じないようなダンボハナアルキ。つまり、鼻行類なので、元ネタを知っておいたほうが、より楽しめるかもしれない。
島には到着したものの、政府軍にがっつり囲まれた状態では、幻の動物を見つけるのは不可能だと思った瞳子は、夜中にテントから抜け出すのだが、ジャングルはゲリラの領域なので、ここから後の展開は容易く予想が出来てしまう。
ゲリラと行動を共にする羽目に陥ってしまった瞳子は、彼らの指導者ヤンと出会う。寝ている間も、ヤンが出てくる夢を見始めるのだが、そこは現実世界とは違うイシャナイだった。
戦争が始まらずに観光の島となっていたり、欧州系の大地主に支配される貧富の国だったり、核実験で現地住民が死にかけていたりする、三つの夢世界が現実世界と並んで、パラレルワールド的な展開を見せ始める。
読み進めるにつれ、次第に夢と現実の境界が曖昧になって行き、現実パートも現実とは異なるような気分になって来る。ページ数だけで考えたら、戦争中の現実世界が一番分量があるので、他は夢で1つだけが本物だと思いながら読んだのだが、最後の最後でよく分らなくなってしまった。ヤンよりも、主人公瞳子のほうが架空の人物っぽく思えてくる。
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灰色のダイエットコカコーラ
2010年3月6日 読書「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ。
北海道にある町で覇王として君臨した無茶苦茶な祖父を持つ青年が、自らも覇王になろうと目論む。しかし、具体的に何をしてどうなりたいのかという部分については考えが纏らず、努力も皆無でグダグダしたまま、駄目人間状態。
キチガイな祖父が周囲の人間を馬鹿にして「肉のカタマリ」と呼んでいたのだが、青年自身が肉のカタマリそのもの。何も努力をしないのに根拠無く自分の才能を過大評価し、夢ばかり大きく語るという、ゆとり世代によくいるキャラである。だが、その方向性が芸能人とか作家とかプロ野球選手とかではなく、覇王だから電波が入りすぎていて痛い。
祖父のキ印を中途半端に受け継いだヘタレな青年は、クラスメイトにハサミを投げつけたハサミちゃんと再会、さらにはハサミちゃんの知り合いの末期癌少女とも関わる事になる。この二人も主人公に負けず劣らずキ印人間なのだが、ハサミちゃんは肉のカタマリ方向に引っ張ろうとするし、末期癌少女は覇王方向に引っ張ろうとするし、ヤクザの組長まで出てきて拉致されるし、組長の息子もキ印……。
なんか、主要キャラがキチガイばかりになってない? 相変わらずキレた小説ばかり書いているなぁ。二段組で、上下の余白が少なすぎるので、非常に読み難かった。
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黄金に輝く月―妖界ナビ・ルナ 10
2010年3月5日 ファンタジー特集朱雀、青龍、白虎につづく玄武との出会い。四神がすべてそろい、ついに妖界への道を封印する時がきた。しかし、ふたたび夜鳴島をおとずれたルナたちの前に、強大な妖力をもつ人物が立ちはだかる。その人物がにぎる、あるひみつとは?激闘のはてに、いますべてのなぞが明かされる。さいごの戦いへ!人気シリーズ完結編。
いよいよシリーズ完結。とはいっても、第二部が待っているのだけど。
四神が揃い、妖界への道を封印するため、再び夜鳴島に向かうルナ。最後の戦いを前に、自分が育った星の子学園を訪れるのだが、こっそりと覗く先にはかつての友達が。そして、新入りのミクという子がいる(笑)。そういえば、レンという男の子も出たよね。執筆時期から考えると、ヴォーカロイドから取られているわけ無いのだが、ちょっと笑ってしまう。
夜鳴島に辿り着くと、封印に使う悠久の玉が消えていた! 限られた者にしか触れないはずのものが無くなったのは何故なのか。呼び寄せた筈なのに、青龍と玄武もなかなか現れない。代わりに陰陽師が現れて攻撃して来る。ラスボスだけあって、強すぎる。式神を使って、今までのボス・オンパレードみたいな事に。
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なぞの黒い杖―妖界ナビ・ルナ 9
2010年3月5日 ファンタジー特集さいごの四神、玄武をさがして、ルナたちがやってきたのは、太平洋に面した小さな島。そこでみやげもの屋を営む乙久さんは、なくしもののありかをいいあてる、ふしぎな力をもっていた。ひょっとすると、乙久さんは妖力のもち主なのだろうか?一方、探索のかいなく、玄武のいどころは依然としてわからないままだった。いよいよクライマックスへ!シリーズ第九弾。
最後の四神を探して、太平洋に面した小島に。ここでは、通常とは少し違う竜宮伝説が伝わっていた。
みやげ物屋のおばさんがルナには冷たい。しかも、妙な能力と黒い杖を持っていて、なんだか胡散臭い。玄武を探すうち、敵国の陰陽師が仕掛けた罠と対峙する事になるのだが、この島で過去に起こった悲劇や竜宮伝説とも絡んで来る。
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白銀に光る剣―妖界ナビ・ルナ 8
2010年3月4日 ファンタジー特集朱雀、青龍のふたりをあいついで解放したルナたちは、三人目の四神をさがして、ふるい歴史をもつ街にやってきた。この街では、子どもたちが数時間だけ行方不明になるという神かくしのウワサが広がっていた。被害者のひとりとされるナツメの奇妙な行動はなにを意味するのか?そして三人目の四神はいったいどこに?圧倒的人気をほこるシリーズ第八弾。
次の四神を探して、また新たな町へ。子供たちが数時間だけ行方不明になるという噂が広まる町で、奇妙な行動を取る少年と出会う。少年ナツメを追って行くと、妖界に似た雰囲気がある場所にたどり着く。そこにいたのは、謎の存在……。というか、描写とイラストで、白虎である事がおもいっきりバレバレですが。
何者だったのかも分からなくなっている白虎は、自分を取り戻すため、ナツメ少年の命を使おうとする。
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青き龍の秘宝―妖界ナビ・ルナ 7
2010年3月4日 ファンタジー特集赤い花に封じこめられていた朱雀を解放して、ルナたちは次なる四神をさがす旅をつづけていた。やってきたのは坂の多い小さな町。嗅覚がさらにパワーアップしたスネリによれば、丘のかなたの山の頂きに、恐ろしい気配を感じるという。それは四神のものなのか?それとも、ふたたび妖怪が待ちうけているのか?シリーズ第七弾。
四神シリーズ? に突入して、朱雀の次に出て来るのは青龍。人が近寄れない秘境と化した伝説の留茅湖にまつわる伝説を知ったルナ達は、調査を始めるのだが、町でストレス性の難聴になってしまった少年と出会う。
青龍と何らかの関係があるらしい少年の名前がレンなのに反応して笑った。どうしても、ヴォーカロイドな人を連想してしまう。今回もバトルはあるけど、流血成分が激減して良かった。小学生が読む本だから、あまり血は出ないほうが良い。
あと、いつも通り、人間化したスネリはセクシーだった(笑)。
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後藤さん一般、後藤さん、後藤さん、後藤さん、反後藤さん、分後藤さん、偏後藤さん性―後藤さんについての考察が宇宙創成の秘密に至る「エクス・ポ」連載の4色カラー表題作ほか「早稲田文学」「思想地図」から「SFマガジン」まで、現代文学の最先端で試みられた、難しくてためにならない、でもなぜか心地いい言語遊戯6篇+α。
言葉遊びが凄すぎる。純文学なのかSFなのか、よく分からない。全部、どこか異端な短編になっているのだが、理系的すぎて物語について行けなかった。
表題作の「後藤さんのこと」が一番良かったかな。後藤さんが何を指すのか良く分からないけど、四色使い分けで凝っていた。きっと、どの後藤さんも代入する言葉が違ってくるのだろう。後藤さんというのは、必ずしも人名とは限らず、何か別の物だったり、現象だったり、法則だったりする。
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プリティーエンジェルココ&ナナ
2010年3月2日 ???
裏表紙の左側がメイドさんっぽいのだが、単にエプロンドレスを着ているだけで、メイドじゃなかった(汗)。双子の姉妹が新しく出来た謎の店で店主のお爺さんから魔法少女が使う変身ステッキみたいなものをプレゼントされ、実はオモチャじゃなくて本物だったという話。表紙だと判りにくいが、全作品、目の描き方が素晴らしい。
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先輩、ツンデレ、天然、お姉さん、小学生、そしてアイドル……! ヒロインは全員かわいい「眼鏡な女のコ」! 眼鏡をかけた女の子との恥ずかしくもあまずっぱい青春ラブコメディを、オムニバス形式全八話でお届けします。毎話で魅せる「眼鏡なカノジョ」達の笑顔には、もう勝てません……! ヒロインのメガネを、眼鏡アイドル・時東ぁみちゃんがセレクトするコラボ企画も収録。彼女たちがかけているフレームにも注目してね。
正直、眼鏡属性が無いので、パーツ自体は全然興味が無かったのだが、これは内容がしっかりしているので、属性保持者以外でも楽しめる。属性のひとつだから眼鏡っ子を描けば良いだろうといった類のものではなく、物語に深く関わるキーアイテムとなっているのが素晴らしい。
全部で8話入った短編なのだが、「かけず嫌い」と「空色めがね」の後日談が『眼鏡とメイドの不文律』に収録されている。
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表紙に釣られてしまった。なんというか、女の尻が軽すぎて、安易にエロ展開するものが多い。しかもウソ臭い。まあ、リアリティを追求すると18禁ゾーンに突入してしまうし、ファンタジー入ってないと読んでもらえないだろうし、仕方が無いのか。
売れないから出版社がどんどん過激になり、それを当局が弾圧しようとする構図。しかし、男は一部のモテ期イケメン以外は妄想領域を超えていけないけど、女はすぐに実戦段階に突入するだけに、低年齢層相手に過激になるのは仕方が無いと思う。弾圧するなら表現の自由じゃなくて、むしろ18歳未満の性行為だろう? 今時、女子高生に石投げても、処女にはなかなか当たらないぞ。おっさん相手に石を投げると、結構高確率で童貞に当たりそうだけど。
ああそうか! 政治家のエロい先生方は、非実在青少年のような2次元の人物しか人権を守らない主義だから、3次元の実在青少年はどうでも良いのか(笑)。
売れないから出版社がどんどん過激になり、それを当局が弾圧しようとする構図。しかし、男は一部のモテ期イケメン以外は妄想領域を超えていけないけど、女はすぐに実戦段階に突入するだけに、低年齢層相手に過激になるのは仕方が無いと思う。弾圧するなら表現の自由じゃなくて、むしろ18歳未満の性行為だろう? 今時、女子高生に石投げても、処女にはなかなか当たらないぞ。おっさん相手に石を投げると、結構高確率で童貞に当たりそうだけど。
ああそうか! 政治家のエロい先生方は、非実在青少年のような2次元の人物しか人権を守らない主義だから、3次元の実在青少年はどうでも良いのか(笑)。
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お憑かれみたまちゃん
2010年3月1日 ???
オンボロアパートに自縛霊が出るんだけど、その霊が何故かメイド服着た女の子で、しかもエロキチガイだという……。実体が無いので、部屋に住む事になった男を襲うべく、等身大フィギュアに憑依したり、他人に入ったりと暴れまわる、単なるエロコメディだった。
登場人物の書き分けがイマイチで、脇役達の設定がよくわからない。エロコメディだが、最後は輪廻転生の物語と化して結末を迎えます。それにしても、アパートの住人全部と、そこに憑依していた霊が ●●だなんて……。
登場人物の書き分けがイマイチで、脇役達の設定がよくわからない。エロコメディだが、最後は輪廻転生の物語と化して結末を迎えます。それにしても、アパートの住人全部と、そこに憑依していた霊が ●●だなんて……。
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やられた……。表紙に釣られたが、捲ると隠しマンガで……。収録されている10編の中に、巫女が2編しか入ってない件(笑)! バイト巫女と引退巫女なのはどうでも良いけど、巫女じゃなくて普通の短編集だった。とりあえず、絵は上手くて、指定マークついてないけどエロス。
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「赦されること」と「受け入れられること」それがこの世の中で、一番うつくしいことだと思いませんか。世界一、うつくしい物語。
少し不思議な能力を持っていたり、不思議体験をしてしまう人々の話が七編入った短編集。
いきなり、表題作にしてやられる。主人公がまだ子供だった頃、綺麗なおばさんが持つ不思議な力を見せられる。それは、生命を再生させるという特殊能力だったのだが、無尽蔵に湧き出てくるものではなく、自分が持っている力を分け与えるというものだった。つまり、使えば自分の寿命が減ってしまう訳で……。こんな能力は、あっても使えないし、あまり欲しくないよなぁ。この設定の時点で、すでに結末は見えたも同然だったのだが、オチにしてやられた!
他にも、雨の日にだけ他人の心の声が聞こえてしまう少女や、百年くらい使っている中華鍋が特殊能力を持っていたりと、面白い。後半の短編になるにつれ、不思議成分が減少し、何処かでありそうな、常識の範囲に収まる物語になる。
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愛玩王子―瑠璃色の卵
2010年2月28日 このライトノベルがすごい?魔界での大騒動のあと、王子は大好きな比奈を追って人間界へやってきた。そして比奈の部屋に居候してしまう。そんな王子にどう接したらいいのかわからなくて、比奈はオロオロ。そんなある日、王子の幼なじみのアルが、“瑠璃色の卵”を捜すために魔界からこっちに現れた。比奈と王子は猫たちの力を借りて、彼の捜し物を手伝うことになったのだけれど…!?恋と冒険の物語がまたまた始まる。
騒動に巻き込まれ、いつの間にか魔界王子の嫁候補みたいな立場となってしまった主人公だが、今回は人間界で瑠璃色の卵を探す事に。魔界で行方不明になってしまった卵が、人間界に迷い込んでいるらしいのだが……。
今回も、乙女成分が多すぎて盛り上がらない。中途半端な敵役が出て来るけど、弱すぎる。しかも、自分で召喚した悪魔で自滅してるし。正体不明の何かもチラリと出て来るが、この巻では明かされないまま終わってしまう。
それにしても、何で王子は幼馴染設定で周囲を騙しているのか。きちんと婚約者設定にしておけば、余計なトラブルに巻き込まれないで済むのに。
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愛玩王子
2010年2月27日 このライトノベルがすごい?飼い犬のハリーがくわえてきた指輪と小さな王子様は、普通の少女だったはずの比奈が非日常の世界に踏みだす合図だった!抜けなくなってしまった指輪を外すために王子と一緒にやってきた魔界で、比奈はなんとなく王子と良い関係に。そんな中、二人はとんでもない大事件に巻き込まれてしまう。比奈が大ピンチになったその時、彼女を救ったのは―。恋と冒険がたっぷりつまった物語がはじまる。第1回小学館ライトノベル大賞ルルル賞受賞。
第1回小学館ライトノベル大賞ルルル賞受賞作。
題名がエロっぽいけど、少女レーベルなので、ちっともエロくはないデス。飼い犬が咥えてきたのは人形サイズの王子。いきなり非日常なのに、主人公が何でもかんでも受け入れすぎで、普通の娘じゃない件。
出会ったのが、白馬の王子ではなく魔界の王子だったのだが、それだけでお腹いっぱいになるシンデレラ仕様のご都合主義設定なのは大差無い。強敵が出て来る訳でもなく、コメディに終始する訳でもなく、読んでいて中途半端な気分のまま盛り上がらない。
女子高生が脳内に渦巻く乙女願望を文章にしてみましたという感じの、どこにでもありそうな物語だった。所々、日本語を誤用しているのも気になる。とりあえず、絵師だけは良かった。
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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
2010年2月26日 読書 コメント (2)敏腕マネージャーと野球部の仲間たちが甲子園を目指して奮闘する青春小説。高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの仕事のために、ドラッカーの『マネジメント』を間違って買ってしまいます。はじめは難しくて後悔するのですが、しだいに野球部のマネジメントにも生かせることに気付きます。これまでのドラッカー読者だけでなく、高校生や大学生、そして若手ビジネスパーソンなど多くの人に読んでほしい一冊。
ついにダイヤモンド社まで萌えか……。ラノベじゃなくて、一応はビジネス書? なのに、萌えキャラ表紙とは…………むしろGJ! 思わず釣られてしまいました。図書館にお願いするのは表紙が恥ずかしすぎると思っていたら、誰かがリクエスト出してくれた。どうも有難う、リクエスト出した人もGJ!
女子高生がドラッカーに影響され、強引にマネジメントの手法を野球部に取り込んだらどうなるか。こんな女子高生ありえねぇ!! もしいたら、カルロス・ゴーンくらい凄いやつになるに違いない。
金銭が絡んでさえ、人を動かすのは困難だというのに、野球部どころか学内全体に影響を与え、他校と交流したり、少年野球とも関わったり、あまりにも出来すぎなご都合主義で、うそ臭すぎるのだけど、とりあえずセカチューよりは泣けた。全米が泣いた!!
世界の暗黒面に、あまりにも毒され過ぎた身としては、素直に感動し難い部分があるのだけど、ドラッカーへの導線として考えたら、かなり面白い企画本だと思う。