ISBN:4063144011 コミック 田丸 浩史 講談社 2006/03/23 ¥540
全メディア黙殺!今や社内的にも黙殺!? 世間様の目をかいくぐり、まだまだ元気イッパイですよ? ロリ・オタ・プーの大森カズフサ28歳。愛の天使ラブやんに課されたミッションとして、カズフサはあまりにも難題だった!やがてやってきた試練そして別れの日。しかし、再訓練を乗り越えたラブやんは新たなターゲットのもとへ向かう。新生ラブやんは見事、愛を結実させられるのか。そしてカズフサに更生や成長はあるのか。新展開の予感に胸ふくらませ、まだまだ続くダメ試練!
久しぶりに新刊出てた。相変わらずおバカなマンガ。そして、キモメンで三十路手前の人生崖っぷち状態な主人公カズフサ。それにしても、お母さんはキレイなのに、どうしてこのような……。あっ、お父さんがキモイんだったな。お父さんがどうやってカズフサ母を捕まえたのか謎。
カズフサが片想い中のモエ、ついに同級生とデキてしまう。カズフサ無念の敗退。というか、当然の結末か……。
パートタイムプリンセス2 ダブルソルジャー
2006年6月26日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840107416 文庫 神代 創 メディアファクトリー 2003/03 ¥609
異世界の王女リアンと精神が入れ替わるというとんでもない経験をした高校生・拓也。協力して王国乗っ取りの陰謀を防いだふたりは、ほのかな恋心を抱きつつも、直接会うことのないまま、永遠の別れを迎えたはずだった…。普通の高校生にもどった拓也は、ふたたび空手の道に戻り、幼馴染の一美とも微妙な関係を続ける毎日だったが、ある日突然、またもや異世界に(やっぱり精神だけ)飛ばされてしまった!それも今度は男の身体に!おまけにリアンへの恋のキューピットまで頼まれた。
またもや異界に召喚。だが、今回はプリンセスじゃないんだよね。題名は「パートタイムプリンセス」であるが、入れ替わるのはヘナチョコ貴族の男。鍛えてないヘタレなので、かなり苦戦するのである。前作で転落して生死不明となっていた敵、やはり死んでいませんでした。無事? 生還し、またしても悪事を働きます。
それにしても、入れ替わりが姫じゃなくヘタレ貴族になったので、なんだかイケてない。場面転換も異界と現世界が入れ替わりまくるので読み辛い。ややトーンダウン気味ですな。
このラノベは、前作のほうが良かったと思う。
★★★
ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ
2006年6月24日 映画DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006/01/07 ¥3,129
9歳のエミリーは母の自殺をきっかけに心を閉ざしてしまった。父親のデビットは娘の心の傷を癒そうとNY郊外に引っ越すが、娘は架空の友達“チャーリー”と遊ぶようになった。そのときから飼い猫が殺されたり、バスルームに残酷な落書きがあったりと異変が次々と起こる。すべてチャーリーの仕業なのか…。
使い古された手法そのままでガッカリした。もっとヒネならないと駄目だと思う。今となっては、とっても中途半端で陳腐なストーリー。観ている途中でヒントになるシーンがあるから、すぐにバレてしまう。
ちょっと間違ったら駄作でしかないこの映画を底上げしているのは、ダコタ・ファニングである。子役がダコタ・ファニングじゃなかったら、間違いなく駄作だろうなぁ。見所は、ダコタ・ファニングとダコタ・ファニングとダコタ・ファニングとダコタ・ファニングである。特に、黒いドレスで着飾ったダコタ・ファニング! 正直、別に父親はデ・ニーロじゃなくても良かった気がする。
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鏡よカガミ!?
2006年6月23日 このライトノベルがすごい?ISBN:408630144X 文庫 丘野 ゆうじ 集英社 2003/08 ¥600
中学生・一ノ瀬日守が不思議な金属鏡を見つけた日から、事件は始まった。襲いかかる不可視の影に、謎の猫耳少女。ついには、あこがれの香代子先輩が……。闇の住人との対決、学園アクション開幕!
ちょっとコレは……。文章が「厨房」っぽくてイケてない。軽快と言うよりは軽薄な文体。文字のバランスも悪いし。場面転換もイケてない部分あるな。これに限らないけど、ラノベって、どうして場面転換上手く無いのが多いのだろうか。
内容面でも、最初の大掛かりな伏線がそのまま放置されたまま終わっているのが非常に遺憾である。シリーズ化前提なのか知らんが、出した伏線は不明のままで終わらさずに消化して下さい。小道具ならまだしも、超特大重要設定を放置とは……。
このラノベは、設定放置プレイ。
★★
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005/08/26 ¥3,990
香港コメディ界のカリスマとしてカルトな人気を誇るマイケル・ホイの代表作「Mr.BOO!」シリーズの日本公開第1作目。小さな探偵事務所を営むウォンの下に爆破予告を受けた映画館から調査依頼が舞い込む。ビートたけしの吹替音声も楽しめる。
観たのは、もう随分と昔だから、もう内容も忘れていたけど、ドジな探偵の話だった。マイケル・ホイが探偵事務所のダメ所長で、リッキー・ホイがダメな部下。ちょっと腕の立つ失業者がリッキー・ホイで、雇ってもらおうと事務所を訪れるのだけど、超安月給で酷使されてしまう。
もう、かなり昔の作品だけど、その面白さは色褪せていない。おバカな映画が好きな人に、おすすめ。
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ミリオンダラー・ベイビー
2006年6月22日 映画DVD ポニーキャニオン 2005/10/28 ¥3,990
トレーラー暮らしで育ったマギーのたったひとつの取り柄はボクシングの才能。彼女は名トレーナーのフランキーに弟子入りを志願し、断られても何度もジムに足を運ぶ。根負けしたフランキーは引き受け、彼の指導でマギーはめきめき上達。試合で連破を重ね、ついに世界チャンピオンの座を狙えるほど成長。しかし、思いもよらぬ悲劇が彼女を襲った。
以下、ネタバレ注意デス。
貧乏娘がアメリカンドリームを体現する成功物語かと思ったら全然違った。なんだ、この不幸スパイラルは……。駄作ではないけれども、こういうやるせない物語は個人的に受け付けない。せめてジョーみたいに、精一杯戦って真っ白に燃え尽きたのなら、まだ納得出来るのだけど。
貧乏でどうしようもない家庭で育ち、ウエイトレスをしながらボクシングを続けるうちに、三十路を超えてしまった女。だが、糞な家族に仕送りを続けているらしく、未だに練習用の道具すら満足に揃えられない。犬の餌だと嘘をつき、客の食べ残しを持ち帰り、自分で食べる。もちろん、ペットなんて飼うお金も無い。
なんとかジムに潜り込み、果敢に喰らいついてプロを目指すが、世界タイトル挑戦時に、敵の殺人未遂とも言える超超超反則技により全身麻痺。敵、死ね! と思った。糞な家族は見舞いにも来ずに、ディズニーランドで遊び倒す。ようやく病院に来たらディズニーランド帰りのふざけた格好で、弁護士を伴い財産放棄を強要!家族も全員、死ね!と思った。
舌を噛み切り自殺しようとするが発見される。その後、「死なせて」という彼女の願いを果たすため、トレーナーが呼吸装置を外して死亡。直後、トレーナーも失踪。
ああ、なんて重苦しくて救いの無い映画なんだ……。
評価:B
出来は悪くないけど、積極的に鬱気分に浸りたい人以外は観ないほうがいいかも。せめて、敵のほうがホセ・メンドーサ級に強くて燃え尽きるエンディングにして欲しかったデス。
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パートタイムプリンセス
2006年6月21日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840106320 文庫 神代 創 メディアファクトリー 2002/09 ¥609
主人公の拓也は、どこにでもいるフツーの高校生。ある日、授業中に突然のめまいに襲われて以来、異世界の王女・リアンと精神がたびたび入れ替わるようになってしまった!生まれも育ちも、そして性別さえも違う二人。しかし、互いに書き置きで連絡を取り合い、徐々に理解を深めていく。同じころ、リアンの国では陰謀が渦を巻き始め、王室にも暗雲が迫る!どうする拓也!?…そうだ、リアンを守るんだ。
ただの異世界転移物ならば、巷に溢れている月並みな設定でしかないのだけど、一味違うのは、異世界へ飛ばされるのが肉体ではなくて精神だけだという点である。ある日突然、平凡? な男子高校生の精神だけが異世界にいる姫の中に入ってしまう。しかも、ずーっと入りっぱなしではなくて、時間不定で入ったり戻ったりする。そして、自分が姫になっている間は、姫が現世界の男子高校生になってしまうという、奇妙な入れ替わり物語。
異世界では王位簒奪を目論む悪人が陰謀を企てており、それに巻き込まれた主人公がなんとか姫を助けようと頑張るのだが……。
もう一人、この世界へ飛ばされて来た日本人がいるのだが、その人は「馬」と入れ替わってしまっている。しかも、異世界で「馬」と呼ばれる動物は、どう見てもドラゴン!? この「馬」に入っている人の助力で秘密兵器(爆弾)を開発するのだが、何故そのような知識があるのかというと、「馬」の中にいる人の正体は、過激派テロリスト……。
このラノベは、ちょっとヒネリのある異世界転移物にして入れ替わり物だから新鮮。
★★★★
ネクラ少女は黒魔法で恋をする
2006年6月18日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840114897 文庫 えれっと メディアファクトリー 2006/01/25 ¥609
空口真帆。通称、黒魔法。あだ名のとおり黒魔法が趣味の真帆は、内心はかなりの毒舌家、でも人前ではうまくしゃべることもできない超内弁慶な少女。けれどある日、手に入れた魔術書のおかげで悪魔を呼びだすことに成功する。さっそく真帆は、自分を馬鹿にするクラスメートを見返すべく、「可愛くしてください」と願うが、契約の代償は真帆の恋心!「誰のことも好きになってはいけない」と言われる真帆だが、真帆は「そんなの、おやすい御用です!」と気前よく契約してしまう。望み通りの可愛い外見を手にいれて、さあ、ハッピーライフ!のはずだったのだが…!?ネクラ少女のハートフル学園ラブコメディ。MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞。
ネタは最初のほうで判ってしまったので意外性は無かったのだが、無理の無い設定で上手く纏まっていると思う。これで、もしも召喚される悪魔自体がウソで、実は主人公自らの内部にある別人格とかいう多重人格障害の設定だったら唸ってしまったかもしれない。荒削りかもしれないけど、文体もアホっぽくないので良い。まだデビュー作だから、これから期待出来そう。
このラノベは、意外性は乏しいけど、いい雰囲気。
★★★★
知ってるようで知らないものの順序
2006年6月15日 読書ISBN:4344805860 単行本 ことば探偵団 幻冬舎コミックス 2005/08 ¥1,050
ことば探偵団シリーズ第3弾!お焼香の順番や料亭の席順、凸の書き順など常識として知っておきたい順序から、ミイラのつくり方など役に立ちそうにない順序までうんちくを交えて紹介!
一応、常識とはされているけれども、そうそう使わないからよく覚えてない作法が載っていて役に立つ。特に冠婚葬祭系の礼儀作法、これは間違えるととんでもない事になるからね。お金の包み方とか、間違えて逆にしたら恐ろしい事に……。会議室や車内、エレベーター等での席順等も、見ていて面白い。
ミイラの作り方や花魁と仲良くなる順序等、一般人には役に立たない情報も載っているけど……。
めぞんdeぎゃらくしぃ
2006年6月12日 このライトノベルがすごい?ISBN:4086300850 文庫 夢幻 集英社 2002/06 ¥500
16歳の夏休み。美少女転校生ノアの秘密を垣間見た祐介は、彼女が住む古ぼけた<銀河荘>の管理人となる。が、そこは異星人の美女達(変人揃い)が地球に長期滞在している銀河ステーションだった…!!
まぁ、いかにもありがちな宇宙人物のラブコメ。さして目新しさも無く、マンガチック。そんなに悪くも無いが、物語のヒネリ具合も不足しているので、物足りない。中途半端な分量の定食を頼んでしまい、大盛りにしておけば良かったと後悔する時の気分に似ている。即ち、読んでも不味くは無いが満腹にもなれないといったところ。シリーズ化しているので、それなりにウケてはいるのだろうけど……。
いちばんイケてないのは、何といっても「あとがき」である。これはもう、狙ってハズしてしまいました的に終わっている。
主人公のアパートが焼失して途方にくれていると、銀河荘から招待状が届く。招待状に導かれた先は、宇宙人が住む為のステーションとなっており、宇宙ゴリラに破壊されたアンドロイドの管理人に代わりって管理人になってしまうお話。住民が全て美女な宇宙人という、とってもありがち設定。
このラノベは、悪くも無いが物足りないので、もう少しスパイスが欲しいところ。
★★★
ISBN:4048735004 単行本 乙一 角川書店 2003/12 ¥1,575
大切な人とわかちあいたくなる、暖かい涙を誘うピュアストーリーズ。
きみの音楽が独房にいる私の唯一の窓、透きとおった水のような6篇の物語。ブロードバンド映画「手を握る泥棒の物語」原作、書き下ろし短篇「マリアの指」同時収録。
基本的に、角川スニーカー文庫に入っている作品がほとんどなので、書き下ろしの「マリアの指」を読むために入手するであろう本。何故、このようなハードカバーの普通っぽいスタイルになっているかというと、ラノベだというだけで読んでもらえない可能性が高くなってしまうからだ。「ジャンル問わず何でも読みます!」と豪語する人々も「でも、ラノベは例外だけどね」という但し書きがついてしまう事、多々あり。ラノベは一般人から小説として認めてもらえないのである。残念ながら……。
乙一もこの点を踏まえ、敗北宣言までして、同じ内容でありながらラノベではないと思わせるべく、ハードカバーでの出版となった訳である。なるほど、確かに乙一でも、普通の文庫は常時出払っているのに、角川スニーカーだけはいつも図書館に並んでいるしな……。
実際、普通の小説と比べて、ラノベは一段落ちるかもしれない。一般小説と比べて、明らかに酷すぎる作品が混じっているからね。これは、酷くても萌え絵で売れてしまうという状況が生み出した負の側面であろう。一般の小説だと、中身が酷いと売れないので、そもそも出版すらされないからね。
実は乙一も、かつてはラノベをよく読んでいたらしい。だが、あまりにも酷い作品が多いので、読むのを止めてしまったそうだ。普通の作家がそんな爆弾発言したら「お前の作品だって糞だろが!」と罵倒されてしまいそうだが、乙一なので許されるだろう。どう考えても、ラノベ作家どころか、普通の作家よりも上の水準を保っているのだから。
ともかく、ラノベだからと見下すと、石ころに混じっている宝石作品を見落としてしまう可能性があるので、非常に勿体無いのである。乙一もラノベ領域を遥かに凌駕しているが、彼以外でも、意外に読める作品は転がっているのである。絵師に騙されてしまうから、なかなか見つけるのは困難だけど。
そう思い頑張って読んではみるものの、石ころラノベに騙されて続ける毎日なのである。とりあえず、乙一の角川スニーカー三部作? は石ころじゃなくて数少ない宝石作品だから、読書家だけど、ラノベ・アンタッチャブルな人は読んであげて下さい。
トロール・フェル(上) 金のゴブレットのゆくえ
2006年6月11日 ファンタジー特集ISBN:4251065816 単行本 杉田 七重 あかね書房 2005/02 ¥1,365
トロールだって?ああ、気をつけたほうがいいぜ。このへんにゃあ、うようよいて、いたずら小僧は八つ裂きにされるって話だ。やつらが住んでるのは地の底だ。引きずりこまれたが最後、あとは一生闇のなか…。2005年最高のファンタジー。
「これってハリーポッターの最新作より面白いよね」
とかキャッチついてるから、何事かと思ったら、さして面白くないじゃないか。ハリー・ポッターは読んでいないから比較不可能だけど。もし、これが真実なら、ハリー・ポッターは相当に糞ファンタジーだという事になりそうだなぁ。
全然面白くないという訳でも無いのだが、上巻を読んだ限りでは、そこまで絶賛する内容なのか疑問。もしかして、下巻からいきなり怒涛の展開で、超面白くなったりするのだろうか?
父を失った少年が、トロール山のふもとにある水車小屋に住む叔父さんに引き取られ、奴隷として虐待されるお話である。え!? いや、ちょっと違うかもしれないけど、そういう鬱な雰囲気が全編に漂っている。時折、トロールは出てきて悪戯するものの、基本的には財産を強奪され、水車小屋でろくに食事も与えられずに重労働させられる話だからなぁ……。叔父さんが双子なんだけど、こいつらが本当はトロールなんじゃないのか? と思えるような醜悪さ。
とっても素敵な虐待ファンタジーで、ジョジョの奇妙な冒険の第一部を読んだ時みたいに萎える。頼む、後半は面白くなってくれっ!
バイトでウィザード―流れよ光、と魔女は言った
2006年6月10日 このライトノベルがすごい?ISBN:4044287015 文庫 椎野 美由貴 角川書店 2002/11 ¥540
大地に埋められた精霊の力を借りて、世の中を清める「矯正術者」という仕事に就いた一条京介・豊花の双子の兄妹。ハイテンションな豊花と何事にもクールな京介が巻き起こす破天荒な学生魔法使いバトルノベル、登場!
元々は「光の魔法使い」だったらしい。そのままではインパクトが弱いから、編集が題名変えさせたんだすね、きっと。越後屋め(本当は越後屋じゃなくて角川だけど)、ディックのパロディな題名になってるから、思わず買ってしまったではないか。明らかに、「流れよわが涙、と警官は言った」のパクリですからね。まぁ、セカチューみたいに「世界の中心で愛を叫んだけもの」からパクッてる例もありますから、これは良しとしましょう。
念の為に言っておきますが、ハーラン・エリスンの「世界の中心で愛を叫んだけもの」がオリジナルで、片山恭一の「世界の中心で、愛をさけぶ」がパクリですからね。時々、ネタなのか、「もしかしたらハーラン・エリスンって人が、片山さんの真似したかもしれないじゃないか!」とか言い出す痛い人がいるので……。
さてさて、ディック風な題名に見事に騙された訳ですが、正直、中身は可も不可も無し。話が脱線するし、場面転換も上手くなかったりするしで、結構微妙なところ。でも、光流脈矯正術という「当り」そうな設定と、アクの強い登場人物は魅力的。特に双子の妹、ツインテールが素敵です(笑)。キャラクター小説としては成功だと言えるでしょう。あとは、何といっても、イラストがディスガイア風味なところが堪らない……。
光流脈矯正術の呪文も、こんな感じで個人的には好きかも。
「流れよ、大地を走る輝く女神。天の赤道に沿いて、雷雲を起動。対象三体へ落下。我の意志に従え」
このラノベは、多少、荒削りだけど、デビュー作なので続編に期待。
第6回角川学園小説大賞〈大賞〉受賞作。
★★★
蘭堂家の人々
2006年6月9日 このライトノベルがすごい?ISBN:4086301563 文庫 嬉野 秋彦 集英社 2003/11 ¥620
すぐにスッ転んで鼻血を垂らす秀才・蘭堂翔太は、天才科学者な母の帰りを待つ15歳。そんなある日、構成員約一名の蘭堂家に、美人家政婦・イリア&美少女転校生・アテナの二人が、転がり込んできた!あるイミお約束通りに同居生活が始まったのだけれど、その日を境に翔太の周りで次々に奇妙な事件が起こり始めて…!
著者名で検索かけると、かなりの出版物が引っかかるので、年季の入った作者のようである。物語自体に際立った設定上の目新しさは無いものの、道理で安定して話を誘導出来ている訳だ。読者受けも良いらしく、感想やレビューは一様に高評価。
一人暮らしをする超秀才中学生、蘭堂君の元に現われた住み込み家政婦と、その妹にして転入生(同級生)な美人姉妹。しかも、遠縁に当る親族で、名字まで蘭堂だという。実は、蘭堂君の母親にして、世界有数の超天才科学者が、息子を護衛するために遣わした特殊な●●なのだが……。
出てくる敵が、悪の秘密結社っぽくなく、超ナルシストな美男美女の双子が黒幕なので、勧善懲悪っぽくない。もはや善vs悪の図式は時代遅れで、最近は、こういう路線が流行りなのか?
このラノベは、シリーズ化して人気もありそうなので、続編以降も期待できそう。
★★★
滅びのマヤウェル―その仮面をはずして
2006年6月8日 このライトノベルがすごい?ISBN:4086302586 文庫 岡崎 裕信 集英社 2005/09 ¥580
倉持ユーキには誰にも言えない秘密があった。だが、のっぺらぼうを自称する美少女・真綾にそれを知られてしまい二人は同居する事になる。彼女との奇妙だが平穏な日々の中、ユーキは皆に秘密を打ち明ける決心をするが…。黒い影が街中にあふれ、人々の心が変わり始める。少女のまっすぐな想いは全てを巻き込んでしまう。伝説の黒魚があふれ戦場と化す学園で、ユーキは全てを救えるのか。
電車内でのっぺらぼうのお化けを見た日、いきなり見た事の無い美少女中学生につきまとわれる。なぜか主人公ユーキの秘密を知っており、中学生なのにユーキの高校に入り浸り、駅前のマンガ喫茶に通いつめ、ユーキの家にも居候状態に。しかも、頭がおかしいのか、妙な言動ばかりの電波系少女。しかし、その正体は……。諸事情により、幼なじみの告白を断った日、空に魚が泳いでいて……。
という、いかにもラノベな設定。文体は痛くも痒くも無く、まぁ普通。戦う相手が敵っぽくないから、ちょっと盛り上がりには欠けるかもしれない。黒属性が出てくるから、個人的にはちょっとだけニヤリとしたけど。
このラノベは、中学生が変身するけど魔法少女モノでは無い。
★★★
UMD Universal Media Disc 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2005/12/16 ¥3,990
ジム・キャリーをスターダムに押し上げた前作から、10年ぶりに作られた続編。キャリーに代わって、『スクリーム』で映画オタク青年を演じたジェイミー・ケネディが主演する。前作と同じマスクが登場し、それを手にしたアニメーターのティムが、マスクをかぶったまま妻と子づくり。産まれた息子が超人パワーを持って誕生するが、マスクの創造主であり神様のロキも現れ、マスク争奪戦が始まった!
マスクという時点で、あまり期待もしていなかったので、こんなもんだろうと予測した通り。これは、『続編は駄作の法則』に当てはまらないと思う。何故なら、前作も基本的には駄作であるから。こういうのは、頭カラッポにして、バリバリの特撮を単純に楽しめば、それで良いと思う。
基本的に、お下品な路線は前作を踏襲しているものの、ジム・キャリーじゃないから、あの顔面芝居を観なくても済む分、心地良い。
それにしても、マスクつけたままでえちーな事すると、おたまじゃくし君もマスク状態、産まれて来る子供がマスク装着しなくても同等の能力を保有して産まれて来るとは(笑)。これ、もうそのままだよね!? 大きくなったら、Xメンな人々が通う特殊学校に行くしか無いと思う。
人間の分際で最高神にお説教するのが恥ずかしい。そして、最高神とその息子のくせに、妙に人間っぽいのも恥ずかしい。
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綺羅星-人形作家と少女漫画たちのコラボレーション-
2006年6月7日 読書ISBN:4344803884 単行本 氷栗 優 幻冬舎 2004/06/29 ¥1,470
少女漫画家たちと人形作家大野季楽との究極のコレボレーション!人気少女漫画家たちが想いのままに描いたイラストに、人形作家・大野季楽がイメージを喚起され新たに作られたビスクドール―そのコラボレーションの始まりから終わりまでを写真とイラスト、書簡やインタヴェーで綴るヴィジュアルブック。
人形なんて、興味の欠片すらありませんでした。リカちゃん人形で喜んでいる宅八郎みたいなオタ属を見れば「キモッ!」と思い、精巧な日本人形を見れば「怖っ!」と思い、アンティークドールを見れば「お金持ちなんだねぇ……」程度にしか感じませんでした。
今までは!
ちょっと、何コレ?
この季楽ドールとかいう人形。
凄いなこれ。
美しすぎる。
まさに匠の技。
正直、これなら欲しいです。
まぁ、超高額だろうし、超レアっぽいから、実際に購入する可能性は無いだろうけど。それにしても、人形って「人の形」と書くのに、その元となる人間より美しいのは……。元ネタのほうが負けてますよ! まぁ、人間そっくりのブサイクな人形なんて、誰も欲しがらないだろうけど。
魔王、始めました―覇を唱えればサドンデス
2006年6月6日 このライトノベルがすごい?ISBN:4086301008 文庫 浅沼 広太 集英社 2002/10 ¥580
魔王を決めろ!大陸中の魔力保有者が次々と覇を唱えては名乗りをあげる。そんな中「和気あいあい」とレースに参加する、史上最弱魔王候補・ソーマ。彼のお供は、不死身メイド&ケモノつ娘&セクシーおねぇさまだったッ…!?襲い来る自称勇者たちを(仲間たちが)ばったばったとなぎ倒し、ライバル・巨乳槍使いをも手下に(?)加え、彼らの行軍は続く!見切り発車ですが…魔王、始めましたッッ。
これまた、すごく頭悪い系のラノベだな。勇者と魔王が対決した後の世界で、魔王候補が戦いを繰り広げているという、超ありがち設定。しかも、魔王になるには貢献してポイントを貯めないといけないという、なんだかRPGゲーム仕様の展開に。
やる気無し無しの主人公が従えるモンスターがまた、美少女メイド(しかもフレッシュなゾンビ!)とロリ属性な獣娘、謎の堕天使らしきお姉様系モンスの3人? そこへ男勝りで魔槍使いの魔王候補(性格は男勝りだけど巨乳)も絡んで来て……。
すごく馬鹿っぽいし、果てしなく痛い系の設定だけど、障害を設け、それを友情パワーで打破するというジャンプみたいなノリは上手いですな。
このラノベは、読んでいて頭悪くなりそうだけど、
メリハリの付け具合は上手い。
★★★