ISBN:4757511442 コミック 椿あす スクウェア・エニックス 2004/02/21 ￥410
また会えましたねっ！ ご主人様！
事故により両親を失った中林義貴。親の遺産で大金持ちになった彼のもとに現れたのは二人のメイド姉妹！ 掟破りの新感覚ラブコメ大人気の第2巻登場！！

原作のほうも2巻まで進んだ。なんか外道な御主人様こと中林義貴に洗脳されてきました。最初、このオリジナルなメイド服は露出多くてエロくて清楚な雰囲気が無いからイヤだったんだけど、だんだん具合が良くなってきた。ちょっとピンチ……。しかも、特注どころか御主人様自らが神業で自作している。これはもう、絶対に大物。ただの金持ちでボンクラな外道では終わらないだろう。将来は、秋葉原を制するオタクカンパニーの経営者にでもなるに違いない。

ギャグマンガだから、何故かメイドから殴る蹴るの暴行を受けてはいるけれども、実在したら、ちょっとくらいロリコンで制服マニアで盗撮マニアでギャルゲーマニア（第3話参照）でも、そこそこイケメンで超、超！　超！！　大金持ちなんだからモテまくると思うけどな。

DVD ジェネオン エンタテインメント 2002/08/23 ￥6，090
2001年にWOWOWで放送されたアニメーション『The SoulTaker〜魂狩〜』。本作はシリアスな内容だった『The SoulTaker』のマスコット的キャラクター、中原小麦を主人公に、テイストの正反対な魔法少女ギャグアニメとして作られたオリジナルビデオアニメーション。
地球とは別次元にあるわくちん界で破壊ウイルスあんぐら〜が脱走、次元を越えて地球へとやってくる。それを追ってやってきたムギまるに地球の未来を託されたコスプレアイドル小麦ちゃん。アイドル生活と学校生活だけでも忙しいのに、それに加えて魔法少女としての活動もやらねばならず大変なことに。第1巻では秋葉原を舞台に悪の魔法少女と戦う第1話を「小麦VSヒッキー 決戦・秋葉原!」 収録している。

「ソウルテイカー」という作品から派生したモノらしいが、素晴らしく香しくゲテモノ。題名からしてアキバヲタチックで恥ずかしいが、内容は秋葉原系どころでは無い。物語の前後左右全てを無視して、荒筋すら冒頭1〜2分程度の不親切な解説で終了のまま全開で飛ばしまくり。内容について行けない人はそのまま置いてけぼり状態になる事、必至でしょう。

しょっぱなから出てくる敵が素敵な程にディープ。禁断のネコですよ、ネコ！　しかも、普通のネコじゃなくて、2チャンネラー御用達のアイツ！　コピペ攻撃で秋葉原の人々をモナー？化していくウイルス。こんなの使って大丈夫なのか？　A社なんて、勝手に自社で商標登録しようと画策して大変な事になったしな。（の●ネコは明らかに盗作だろう。インスパイアされた作品とか言い訳しても、盗作疑惑画家並みに説得力ありませぬ。）

すごいな、タツノコプロ。
ここまでヲタプロだったなんて（笑）。

ISBN:4840223939 文庫 ハセガワ ケイスケ メディアワークス 2003/06 ￥620
目を覚ますと、少女は死神でした。その少女は、死神でありながら、その真っ白な容姿ゆえに仲間から「変わり者」と呼ばれていました。しかし、少女の持つ巨大な鈍色の鎌は、まさしく死の番人のものです。少女の使命は人間の命を運ぶこと。死を司る黒き使者である少女は、仕え魔のダニエルと共に、人の魂を奪いにいくのです。死を司る少女は、様々な人と出会い、そして別れていきます。哀しくて、やさしいお話。

またしても問題！　モモと言えば？

1．果物だろ！　果物！！
2．時間泥棒と戦う女の子
3．魔法のプリンセス
4．死神
5．魁　男塾の一号生筆頭
　
　
「死神」というキーワードに惹かれて読んでみました。死神とか悪魔は好きなんだよな。神や仏は大嫌い（死んでしまえ！）なんだけど。なんか、最近は死神ブームか！？　やたらと目に付くが……。

死神なのに白い姿で、一風変わったモモ。他の死神が黒衣で、黙々と死者の魂を運ぶという任務を遂行するのに、モモだけは涙を流す。それは悲しみの涙ではなく、もはや涙する事すら叶わない死者の代わりに流す涙……。他の死神が自決の罪により束縛されているのに対し、モモだけは記憶を持たず、自分が何者なのかも判らない。

という設定なのですが、この死神は傍観者であって、或る意味脇役です。各章がそれだけで完結しており、短編の連なりなのだが、モモは前面に出ずに、「キノの旅」の主人公キノみたいに、傍観者として通り過ぎるだけなのである。結構、淡々としている物語。使い魔のダニエルが好き。羽根の生えた黒猫だし。

シャノワール「デビルウイ〜ング！！」
こら、真似して羽根を生やすな！　しかも、それ違うし。
　
　
このラノベは詩的でそれなり。
★★★

画像リンク切れの不具合により再記入。
コメントくれた方、消えてしまってすんません……。
どうやらアマゾンではなく、Diary Note側の不具合っぽい。　　

ISBN:4063405753 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2006/01/13 ￥410

なんだか内容が難しくなってきた。

基本的にギャクマンガとして展開してきた訳ですが、
ここに来てギャクエッセンスが減少、
次第にクラシック音楽マンガへと変貌しつつあります。

知識が拙いから、少し判りにく……。
うーん、困ったものだ。

すっかり落ち目のオケを任され悪戦苦闘する千秋。
一方、まだ学生状態の天然娘のだめ、よくやく初リサイタルへ！？　

ISBN:4087747697 単行本 金原 ひとみ 集英社 2005/07/06 ￥1，260
さあ私の太陽神よ舞い上がれ、安宿に泊まる私を照らせ。パソコンの画面に残された、支離滅裂な「錯文」。これを書いたのは私なのか、それとも私ではない私なのか。

音楽や小説は人により名作にも駄作にもなるのだろうから、これで感動する人もいるのだろうけど、私にとっては駄作。なんか、どんどん酷くなる。「蛇にピアス」だけで全てを使い果たしたのか？　盛り上がりもない一本調子で、精神錯乱気味の摂食障害女（でも美人というご都合主義な設定）による脳内妄想全開ジェットコースター（脱線事故）小説。正直、これなら頭悪そうな出来の悪いラノベ読んでいたほうがマシです。

ISBN:4061823817 新書 西尾 維新 講談社 2004/07/17 ￥924
心に茨を持った小学五年生・供犠創貴と、“魔法の国”からやってきた転入生・水倉りすかが繰り広げる危機また危機の魔法大冒険!これぞ「いま、そしてかつて少年と少女だった」きみにむけて放つ、“魔法少女”ものの超最前線、りすかシリーズ第一弾!魔法は、もうはじまっている。

うーん。何がどう『本格』なのかはよくわからないが、
一言で表すならば、

シャノワール「にゃるら！」

いや、黒猫くん、そんな一言では意味不明ですから。とにかく、題名はちょっと恥ずかしいので購入したり図書館で借りるには抵抗があるかもしれないけど、普通の魔女っ子モノでない事だけは確かだ。なんというか、主人公達もダークだし、悪と戦う正義の魔法少女という従来の王道路線とは似ても似つかぬお話なのである。

りすかという名前がリストカットの略で、自傷行為によって魔法を発動させるというのからしてダーク。しかも、父親がニャルラトテップって、それ相当ヤバイですから。ラグクラフト信者が泣いて喜びそうだよ。

とにかく、内容を一文で言い表すなら……

「のんきり・のんきり・まぐなあど　ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず　のんきり・のんきり・まぐなあど　ろいきすろいきすろい・きしがぁるきしがぁず　まるさこる・まるさこり・かいぎりな　る・りおち・りおち・りそな・ろいと・ろいと・まいと・かなぐいる　かがかき・きかがか　にゃもま・にゃもなぎ　どいかいく・どいかいく・まいるず・まいるす　にゃもむ・にゃもめ　にゃるら！」

ISBN:4757509715 コミック 椿あす スクウェア・エニックス 2003/06/21 ￥410
これが私の御主人様と、お金がどんどん入ってきて、
彼女もできて、もう人生バラ色です！
これが私の御主人様を1冊買うごとにさらに人生が良い方向へと導かれました！
あなたもこれが私の御主人様を買って人生バラ色！

アマゾンに商品説明が無いので、すごくウソっぽいレビューをそのまま無断引用。いやぁ、なんというか、深夜番組の怪しい洗剤とか、胡散臭い雑誌の裏表紙の裏にある幸福を招く石の広告みたいだ（笑）。

実際のところ、全体的に酷評されている。だが、酷評作品は実は人気あるの法則に該当しているんではないか？　ダメダメ言われる割には、これが私の御主人様系メイドがあちこちのサイトにいるぞ。男なのに、これが私の御主人様系メイド（しかも可愛い）になっている人まで出てきて焦ったけどな。

それにしても、随分とメイド物らしからぬ作品だ。御主人様がいつも殴る蹴るの暴行受けてピヨってるし。題名、「これで私が御主人様」の間違いじゃないのか？　
　　　

ISBN:4403650198 コミック つだ みきよ 新書館 2003/04 ￥1，890
「プリンセス・プリンセス」「ファミリー・コンプレックス」「革命の日」などのポップでクールなカラーイラストを満載した画集。同時発売「蔵王大志画集」に付属の「Zシール」を貼るとミニ・マガジンがもらえる応募シール付。

最近、画集にもハマっていたりします。
で、買ってしまいました。
つだみきよ画集！
いきなり、マイナーどころを攻めてしまいましたが……。

ちなみに、同時に別名義の画集も出ておりますが、そっちはホ●系なので買う気ナッシング。両方買うと、ミニマガジンが期間限定でもらえたらしいが、とっくに〆切過ぎてるしな。

それなりに古い時期の作品も混じっているが、拙さが感じられないという事は、かなり初期から絵柄が完成されていたという事ですな。収録作品の期間が長いと、別の人が描いているんじゃないかと思われるような作品が混じっていたりするものだが、この人に関しては心配いらない。革命の日からプリプリまで、雑誌の総表紙やポスター、テレカに使われた物まで入っているのがGOODです。

ISBN:4063612740 コミック 克 亜樹 講談社 2004/10/06 ￥560
誰もが夢見る“アイドルとの結婚”！！でもホントにできちゃったらどんな生活が待っているんだろう？ハッピーラブコメの名手 克・亜樹が描く超リアルで激ナマなトップアイドルとの新婚生活
　

エロマンガ→　一般のマンガ　という出世コース？　を辿る作家は多く、これが本来の王道パターンとも言えるんだけど、この人は逆行してますな。エロくなってからのほうが、遥かに売れているんではなかろうか。克・亜紀って、言っちゃ悪いけど、絵はすごく良いのに、内容が全然面白くないんだよね。なのでもう、このままエロエロ路線なままでいいです。絵が上手くて内容イマイチよりも、絵が上手くて内容エロエロなほうが勝ってますから。

冴えないモテナイ木梨風太（28歳サラリーマン）というショボイやつが、お見合いパーティで謎の覆面女と出会う。その正体はなんと、超可愛い売れっ子アイドルきらりちゃんだったという、アメリカ人もビックリな御都合主義っ！！　しかも、いきなり結婚！！　で、ふたりえちー程ではありませんが、そういうラブコメ路線です。1巻では最後の一線を越えられないのがもどかしすぎ。

ISBN:440366010X コミック 蔵王 大志 新書館 1998/10 ￥580

ヤバい……。別名義だけど、書いてる人、つだみきよだから大丈夫だと思ったら……。うーん、ソレの描写は激しくないけど、一応BLなんですね。しかも、これ以前に読んだ事あるやつだ。そして、「うえっ、ホモマンガだ！　いらねぇ！！」と売り飛ばしたやつじゃないか。某ネット古本屋で画像ついてないから、よくわからなくてまた買ってしまったじゃないか。一応、再読してみましたが、また売り飛ばすよ。

それにしても（一部の？）女性のみなさん、
なんで男同士が好きなんですか？

ISBN:456955864X 単行本（ソフトカバー） 石井 威望 PHP研究所 1997/10 ￥690
日本は古来「わざの国・たくみの国」として一流の技術力を発揮してきた。その伝統的「わざ」の精神は、近代西洋技術をも消化して生き続け、現代のハイテクノロジーを底流で支えている。本書では、マルチメディア社会をリードする発言で注目される著者が、伊勢神宮・織田信長・本阿弥光悦…などの事物・人物を新しい時代を築いた「歴史的遺伝子」として取り上げ、日本人の技術思想のルーツを解き明かす。「変わらないもの(不易)」を縦糸に、「新しいもの(流行)」を横糸につづる壮大な「技術の歴史物語」。

単に大陸から導入された技術の歴史をなぞらえた本かと思いきや、全然違った。

ワシントン情報に見事に洗脳されたパペット達（あるいは或る意味、非国民）の仕業か、日本人は物真似ばかりだという固定観念が植え付けられてしまいがちだが、この国には欧米に盲従するだけではない、技術立国としての基盤が存在しているのだ。戦国時代には鉄砲こそ独力で発明するには至らなかったものの、それが伝来すると瞬く間に自らの技術として取り込んでいるし。

ただ、理系が優れていても、文系がヘナチョコなところに、この国の不幸があるような気がする。太平洋戦争前後の対処の拙さも、全てヘナチョコ達の仕業だしな。……私もヘナチョコ文系の末端ではあるのだが（笑）。

DVD ポニーキャニオン 2005/01/19 ￥2，940
時雨沢恵一による同名連作短編小説を原作に、2003年に放映されたTVアニメ作品。年若いキノと、言葉を話すバイクのエルメス。2人はさまざまな国を訪れ、そこでその国の人々と出会い、それぞれの現実直面しながら、しかしたったの3日間だけ滞在して、また次の国へと旅立っていく。
心が通い合っているようなキノとエルメスの極めて詩的な、静かな会話、それぞれ不思議なルールで成り立っている各国の描写と、まるで子どもの頃に読んだ童話の世界を思わせる雰囲気が実に魅力的。決して一か所に留まり続けることなく、常に傍観者でしかあり得ない旅人であるキノの切なさも全話を貫く縦糸として重要なポイント。

問題：エルメスと言えば？

1．ブランド物
2．ララァが搭乗するモビルアーマー
3．電車男のヒロイン
4．キノの旅のバイク
　
　
全部、正解と言っちゃ、正解なんですが、キノの旅でもエルメスが出て来ました。しかも、バイク……。その言葉は、キノにしか聞こえないっぽいけど、話す事の出来るバイク。付喪神でも宿ったのか！？

原作は読んだ事無いのですが、これ、面白いね。なんか考えさせられるような寓話で構成されていて、主人公のキノがいろんな国を旅してまわる。出てくる国がどれも普通じゃなくて、社会批判と風刺の毒素を取り去ったガリバー旅行記みたいになっている。キノはバイクのエルメスと旅を続けるが、どの国にも傍観者として立ち寄るだけで、三日間しか滞在しない。

人の痛みがわかる国では、科学者の発明で他人の思考を読み取れるようになった人々が、一緒に暮らせなくなって、1人づつ引き篭もり続けている。人を食った話では、せっかく助けた人を……。確かに人を食ってますが、比喩的な意味でも、視聴者に対して人を食ったような話として終わります。

ISBN:4832263463 コミック 師走 冬子 芳文社 2004/07/02 ￥600
同じ本屋さんでアルバイトをする幼なじみで大学生のあおいちゃんとヤマトくん。時には友達以上に接近するけど、まだまだケーキの甘さの方がいいあおいちゃんの態度に、いつもヤマトくんはドッキドキなのさっ！?

本屋さんでバイトするあおいちゃんとヤマトくんは幼なじみ。さっさとくっ付いたら良いのに、あおいちゃんは色気より食い気。大食いの女王様？　でも、いつも何か食べまくっている割にはデブってないな……。浮気症の店長と、美人だけど怒ると怖い店長の奥さんも、良い味出しています。四コマなのですが、あおいちゃんとヤマトくん二人の関係を微妙な位置まで持ち上げておいて、食い気でオチつけるというパターンが多い。師走冬子は初めてですが、結構好きかも。

主役の片割れあおいちゃんよりも、ヤマトくんの妹のほうが可愛いのは……。

ISBN:4751521128 単行本 佐竹 美保 あすなろ書房 2001/07 ￥1，365
伝説の「黄金の谷」は本当に存在したのか? リンの村を襲う敵の正体をあばくために、ローワンはアンリンの魔界へと足を踏み入れる…。スリルあふれる冒険ファンタジー、「ローワン」シリーズ第2弾。

ダレン・シャンが一気に借りられてしまい、全然進めないのでローワンの続きを借りてきた。前作同様、全体的に暗いイメージのファンタジーなのは変わらず。

今回はリンの谷に、長らく友好関係にあった「旅の人」が訪れた時に事件が起きる。突如、村人達が眠り病に罹り、動かなくなってしまうのである。当初は、古くから敵対するゼバックの策略と思われたのだが……。

今回はドラゴンも出てこないし、なんとなく盛り上がりに欠ける。アンリンの魔界に阻まれた黄金の谷は出てくるけど、敵がショボい。まぁ、他のファンタジーと違って、主人公のローワンは英雄でも何でもないので、こんなものかも知れないが。

ISBN:4063724700 コミック 山崎 さやか 講談社 2005/10/21 ￥540

ライバル会社の裏工作でCMの件を反故にされるはるか。業界全体に圧力がかかり、仕事を干されてしまう。する事がなくなったはるかは演劇を観にいき……。人間の勝負強さは干された時にどう行動するかに懸かっていると思う。ここで腐ってしまうヤツは駄目だな。という訳で、干されたら腐ってしまう私はダメダメです。

それにしても会社って、人を殺すための道具にしか思えない。人間が発明した最も邪悪なモノは神と会社と核兵器だと思うよ。3つとも人を殺せるという共通点が……。

ISBN:4104594024 単行本 大崎 善生 新潮社 2005/06/21 ￥1，365
あの日、あそこで道は分かれていた。すれ違い、交わることはもうないのだろうか……離れても消えない、胸の痛みとときめき。切なく深く心を揺さぶる、彼女達の恋愛小説。

大崎善生って、ある程度歳を取らないと、その良さがわからない作者の1人だと思う。文体がオッサンっぽいし、読み手もそれなりに人生を積み重ねないと（例えそれが無駄な積み重ねであっても）共感出来ないような気がする。そういう訳で、大崎善生を読む人は、中身がオッサンだと思う。読み手が女性であっても、あえてオッサンと呼びたい。オバサンって感じでは無いんだよな。

内容的には目新しくも無い、そして物悲しい短編4つ。どの話もきれいで、手入れの行き届いた水槽を見ているような透明感があるのだけど、巷のレビューを見る限り、いまいち人気が無さそう。洗練されすぎなのが、その原因なのじゃなかろうか。読み手はもっと泥にまみれているから、そこに自己を投影させる事が出来ない。もっと「パイロット・フィッシュ」みたいな長編を書いて欲しい。

ISBN:4901784773 単行本 寺西 晃 バジリコ 2005/12/10 ￥1，575
目から血を噴くトカゲ、凍結するカエル、ゾンビ化するカタツムリ…。どっこいオイラは生きている! あの「へんないきもの」が更なる進化を遂げ、お茶の間を急襲する! 天然色いきものポスター付き。

またしても、へんないきものが満載だ。鼻くそつきの鼻毛を鼻から突き出しているようにしか見えない魚！　とか、敵を威嚇するために目から光線……、じゃなくて血を噴出するトカゲとか。相変わらずグロテスクでホラー映画やクソなSFに出てきそうな妙なやつらがたくさん登場する。よくここまで集めたもんだね。それにしても、神の想像力は人類など足元にも及ばないほどに多様で悪趣味だ。（もちろん、ここで言う神とは、誰かの脳内妄想から生じたヤーウェやバモイドオキシンといったようなデミウルゴス《悪意ある小神》ではないので、念のため。）

こんなに奇想天外で面白い、或いはグロテスクでおぞましいやつらが、恐るべき速度で絶滅しつつある。過去に生じた5回の大量絶滅を遥かに凌ぐ規模で6回目の大量絶滅を引起す存在は、人類という名の、65億にまで増殖した癌細胞である。致死性ウイルスが宿主を殺した挙句に自らをも滅ぼすのと同じく、人類も地球の生態系を徹底して破壊し尽くして、歴史から姿を消していくのかもしれない。