姉の結婚

2006年4月9日 読書
ISBN:4087482766 文庫 群 ようこ 集英社 1995/03 ¥390
結婚のご祝儀をめぐる、若い夫婦の人には言えない悔しい思い「御祝儀袋」。給料手取り十三万五千円のOLが家賃八万円のマンションに住むために、日々一円との闘いに明け暮れる倹約生活のなかで生まれる意外な感想「家賃」。普通と平凡が合体したような男と結婚した姉。たちまち破局がやってきて、目ざましい姉の変貌ぶりが可笑しい表題作。ささやかな見栄を支えに明るく生き抜く女たちの物語。

群ようこの実体験エッセイかと思ったら、小説だったんだね。しかも、短編集。どの話にも「痛い」女性が出て来る。(一編だけ、「痛い」男も出てきますが。)問題のある女性ばかりだな。

読んでて、ますます結婚願望無くなっていくよ。いかにも存在しそうな人物ばかりだし、実際に、この手の「痛い」系女性ってたくさんいるだろうに、みんなどうやってマトモな女性と結婚しているんだろう? 私の周囲には「痛い」人々しか見当たりませんが何か? (・∀・)

ぎぶそん

2006年4月7日 読書
ISBN:4591086631 単行本 伊藤 たかみ ポプラ社 2005/05 ¥1,365
中2のガク、かける、マロ、リリィは、バカやったり喧嘩したり恋をしたり。そんな4人が、ガクの熱意に押されてバンド練習を始めて…。14歳、それぞれの音がはじけて響く! 胸が痛くなるほど鮮やかでフレッシュな物語。

ガンズ・アンド・ローゼスにあこがれる中学生達の青春小説? これ、図書館では児童書として、お子様向けコーナーに並べられているのだけど、違うよね。2005年に発行されているのに、話の中身は昭和63〜64年(平成元年)だし。ガンズ・アンド・ローゼスが世に出てきたばかりだし、ファミコンでアイスクライマーやってたりするし。児童向けの文体で書かれてはいても、ターゲットとなるのは今現在の中学生ではない。当事その年頃だった人々、即ち、今はもう三十路を過ぎたおじさん、おばさんが対象なのだと思う。大阪出身でバンド活動していた人ならさらに良し。過ぎ去りし青臭かった時代へ想いを馳せ、ノスタルジックな気分に浸れる事でしょう!? 

楽器弾ける人って格好良いよな。私は線の上で跳ねるお玉じゃくし君が全く読めないので絶対無理。楽譜なんてもう、ヒエログリフや楔形文字と同じレベルで解読不能。音楽授業の実技でも、楽譜が読めないので練習時間は外の風景を眺めてボーッとしてた気がする。しばらく待っていると、数人が出来るようになって来るので、まず音を聴かせてもらう。で、覚えた音は何故かすぐに再現出来るという特技? があったので、なんとか切り抜けられたのである。

ちなみに、知人でバンド活動していた人がいるのですが、大学時代に某グループに誘われたにも関わらず、路線が違うという理由で断ったそうだ。その人たちは後に武道館でコンサートをやるレベルにまで……。なんだか凄く勿体無い話だけど、もしも断らなければ、そもそも私と知り合う事も無い赤の他人だったんだよな。人生、どこでどうなるか予測もつかないですな。個人名が特定されそうなので、メジャー・デビューを果たしたバンド名は秘密です。
ISBN:404873573X 単行本 恩田 陸 角川書店 2005/02/03 ¥1,785
あの夏、青沢家で催された米寿を祝う席で、 十七人が毒殺された。
ある男の遺書によって、一応の解決をみたはずの事件。町の記憶の底に埋もれた大量殺人事件が、年月を経てさまざまな視点から再構成される。

第133回直木賞候補作。

ある大量殺人事件を軸として、様々な人物がその凄惨な事件を振り返るという手法なのだが、章によって人物や視点が入れ替わるから誰が主役かも不明。というか、登場人物全てが主役でもあり脇役でもあると言えそうな「ドミノ」の時のような書き方。またしても淡々としているし、ラストに至っても真実は明らかにされない。実はこいつが真犯人だっった! みたいな衝撃的な展開を期待してはいけません。なにしろ、恩田陸ですから。淡々としたまま曖昧に物語が終わってしまいます。恩田陸らしいけど、もう少しミステリー風味を効かせないと直木賞には届かないだろう。
ISBN:4063286851 コミック 吉川 英治 講談社 2000/04 ¥550
負けじゃない!勝ちへの途中
胤舜(いんしゅん)から逃げた武蔵。心に刻まれた恐怖。だが、胤舜を倒さねば、武蔵は前に進めない!
胤舜は強大だった。武蔵は、己のちっぽけさを痛感する──。そして又八にも、人生の転機が!

バガボンドも、なかなか読み進まないなぁ。マンガとは言え、中身が濃いと疲れるから一気に読むだけの気力が足りませぬ……。宝蔵院槍術の胤舜から逃亡した武蔵は山へ篭り修行に入る。そして武蔵を鍛える謎のジジイは、実は宝蔵院の先代……。一方、又八は佐々木小次郎の偽者となりすまして生活を送る。ダメキャラなのは相変わらず。

 

2006年4月5日 読書

ISBN:4388352144 単行本 遠田 敬子 柴田書店 1999/11 ¥2,310
世界で親しまれているワイン専門学校WSETがいよいよ日本に上陸。ワインを楽しみ始めたばかりの方、知識を再確認なさりたい方のための理想的な基礎教本です。世界15ヵ国で読まれ、マスター・オブ・ワインのジャンシス・ロビンソンが推薦する本格的入門書。

注意しなければならないのは、題名に「基礎」と書かれてはいるが、プロ級の人々にとっての基礎である事。きっと、何の予備知識も持たない素人が手を出すと火傷するであろう高度かつ専門的な内容なのである。

少なくとも、「赤ワインにはポリフェノール、だったかな? が含まれていて身体に良いから毎日カル●ロッシ飲んでますよ」なんて言うお父さんや、訳もわからないのにグラスをグリグリ回しながら「いやぁ、やはりブルゴーニュはいいねぇ、シャルドネだねシャルドネ」とか大声で叫んでいるが、その実、グラスの中で渦を巻いている白ワインがソービニヨン・ブランだったりする課長や、ワインと聞けばパブロフの犬みたいに「あぁん、あたしシャトー・マルゴーが飲みたいなっ! うふっ」などと男の前で可愛く首を傾げる美人OLが読むレベルの本ではありませぬ。ワインの基礎を勉強したい人は、もっと平易でお手軽な入門書を読みましょう。

シャプタリザシオンとかマロ・ラクティック醗酵とかクヴァリテーツヴァイン・ベシュティムター・アンバウゲビーテとか、専門用語だらけなので、それにたじろがないだけの知識がある人向け。
ISBN:4796643885 単行本 『このミステリーがすごい!』編集部 宝島社 2004/11/26 ¥725
ホントに面白い
ライトノベルはコレだ!
今、もっとも熱いジャンルとして注目されている“ライトノベル”。しかし現状では、作品や雑誌は大量に出版されるものの、どの作品が良いかわからない玉石混合状態にあります。やはりイラストや帯コピーからだけでは、本当に面白い作品を選び出すのは至難の業!
そこで、ライトノベル読者による、ライトノベル読者のための「ライトノベル・ガイドブック」を製作します。今“旬”で面白い作品、人気キャラクターを、WEBアンケートや目利きの方のアンケートから決定。ホントに面白いライトノベルはコレだ!

またまたジャンルを増やしてみました。一時的なモノで終わるかもしれないけど。ちょっとラノベとか言われているところに手を出してみようかと……。なんか、本の中では格下的存在になっているけれども、下手な純文学よりも売れている事は確かだし、それに触れる事でなんらかの流れが見えるのではないかと。実際読んでみたら「うわっ、なんじゃコレは……。どうしようもない内容だな」と、投げてしまう可能性もあるので、現在進行中(もう1年がかりで100冊読む計画の13冊目までしか進んでいませんよ! もっと頑張れ、俺!)のファンタジー分野みたいに「100冊読むよ」とかは口が裂けても言えませんが。

それはそうと、この分野は初心者同然。大昔に「ロードス島戦記」を読んだくらいですか……。まぁ、あれはファンタジーに入れても良いかもしれないけど、角川スニーカーな時点で個人的にはラノベ。程度は高いと思いますが。乙一や西尾維新は微妙な位置にいるけど、個人的にはここに入れたくない。という訳で、最近はどんなのが売れているのかちっとも分かりません。なので、これを参考に頑張ってみたいと思うのであります。

うーん……。なんかいろいろあって凄いな。全然知らないのばかりだけど。とりあえず「キノの旅」と「ブギーポップ」あたりは知っていますが。名前だけ……。まぁ、こんなのばかり読んでいたらアホじゃないかと思われそうだけど、おいらはちゃんと? 直木賞とか芥川賞とか、ビジネス書とか学術書も読んでいるから大丈夫だよね!? いや、こんなに節操無く読み散らかしていたら、やはりアホですな。

少女@ロボット

2006年4月3日 読書
ISBN:4103008512 単行本 宮崎 誉子 新潮社 2006/02/23 ¥1,470
「マリちゃん、働く女に必要なのは何かしら」「……愛です」「ううん、根性の悪さよ」驚愕の文体で働く若者のリアルな汗と涙を描く注目作家の最新作!
若者&女の子の強烈にリアルな汗と涙を驚愕のPOP文体で描く衝撃短篇集。

なんだか勢いだけで書かれたような文章だな。会話だらけで地の文が少ないし、知能指数と偏差値がいかにも低そうな登場人物が壊れた日本語を使いまくりなのである。ページの下半分が空白だらけなのも非常に気になる。とりあえず、勢いで読ませるだけの力量はあるのだけど、個人的にはちょっとなぁ。

 

2006年4月2日 読書
 

ISBN:4087747409 単行本 三崎 亜記 集英社 2004/12 ¥1,470
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。

第133回直木賞候補作。

結構評判悪いようだが、個人的には好き。自分の住んでいる町が隣町と戦争を始めてしまうというトンデモ設定。会社勤めの合間に、偵察任務でとなり町へ行くのだが、そこはいつもと変わらない日常で、戦争の影すらみえない。だけど、町の広報には戦死者数が記載されており……。途中から「となり町戦争係」の香西さん(女性)と、結婚という形でとなり町へ引越しして偵察活動を行うので、なんだか恋愛小説っぽくなる。最後まで戦争の実態は明らかにされないまま、なんとも言えない結末。

身元が割れているのに偵察出来るのがおかしいとか、妙なリアリティを求めてる人がいるけど、小説なんて作者の脳内妄想なんだから、面白ければそれで良いと思う。それを言い始めたら全国の佐藤さんが殺される話も、転げ落ちたら男女の中身が入れ替わってしまう話も、鼠が羊男になる話も、12月24日におじいさんが煙突から不法侵入してくる話も、全てダメになるじゃないか。例えば空母にF15を着艦させてしまう等の小道具の間違いはやらないほうが良いけどね。有り得ない戦争を描いているのだから、実際の戦争に即して無くても問題無いと思う。そういうのが読みたい人は、素直に戦争物を読めばよろしい。
ISBN:4092903081 単行本 橋本 恵 小学館 2003/06/14 ¥1,575
十二か月の間に3回、バンパニーズ大王とめぐりあうチャンスがあり、そのどこかで大王をたおせれば、バンパイア一族が傷ある者の戦に勝つ、というミスター・タイニーの不吉な予言で旅に出たダレン、クレプスリー、バンチャ元帥の3人。残るチャンスはあと2回、運命の力に身をまかせて心の声が命じる場所へとおもむいたダレンを待っていたのは、連続殺人事件と、なつかしい人たちとの再会、そして残酷な運命だった。

再びクレスプリー(ダレンをこの世界へ引き入れたバンパイア)の故郷へ向かう一行。ここでは人間が血を抜き取られて殺されるという猟奇殺人事件が多発していた。もちろん、犯人は人間ではなく敵対するバンパニーズ。かつてのガールフレンドと再会するダレン。さらに、1巻でバンパイアになろうとしていた旧友もバンパイア・ハンターとして登場。他にも昔出てきた人物が再登場する。十分盛り上がったところで、またしても罠が!! うーん、そう来るか……。
ISBN:4063724751 コミック 三田 紀房 講談社 2005/12/22 ¥540

東大模試に挑む2人。国語の問題を解く場面がメインとなっている。ここで出てくる解法は、現代文だけでなく小論文や司法試験にすら通じるものがある。現代文って解き方知らない人が多いから誤解されやすいけど、基本的に解答は作者の心の中や受験生の頭の中ではなくて、本文中にあるのだ。勉強しても点数が結びつかないとか、作者の心情を選べなんて、そんなの知るかよ!ボケっ!!とかよく言われるけど、それは問題に対するアプローチが間違っているからである。
ISBN:4041762081 文庫 原田 宗典 角川書店 1999/08 ¥540
脳髄の片隅に封印された記憶がふとしたはずみに甦る違和感を描いた「みずひこのこと」をはじめ、掌編小説の名手がデビュー前夜に綴った幻の恐怖譚二編を含む六編を収録。

なんかイマイチな短編集だと思ったら、デビュー以前に書かれた習作とか入っているんだね。角川ホラー文庫でありながら、あんまりホラーでは無い内容。ホラー的な物ではなくて、恐怖に至る前の奇妙さを描きたかったようだが。原田宗典って、エッセイはすごく面白いんだけど、小説はちょっとなぁ。もっとエンタ路線を狙えば面白そうなのに、書き方が文学的になりすぎな気がする。

 

2006年3月28日 アニメ

 

2006年3月27日 アニメ

 

2006年3月27日 アニメ

ISBN:4121500628 新書 香山 リカ 中央公論新社 2002/09 ¥714
W杯サッカー、内親王ご誕生、日本語ブーム等、ポップで軽やかに“愛国心”を謳歌する若者。米国テロ事件、欧州極右の擡頭等、世界情勢が混迷する中、この「愛国ごっこ」の次に来るものは何か。

なんだかこの本も結構叩かれてるよなぁ。でも、否定派の意見は「日本が好きで何が悪い!」「君が代を歌って何が悪い!」という感じの感情論が多くて、論理構成が成されていない。香山リカおかしいとか批判しながら、言ってる本人も論理が展開されてませんから(笑)。個人的には香山リカが正しいか否かはどうでもよろしい。何年後かにはその答えが出るだろうから。むしろ、香山リカが間違っていて欲しいという隠された欲求によって批判が増えてるのでは? だって、もし正しければ大変な時代を迎えてしまうからね。

そういえば春の甲子園始まりましたが、女子高生が「君が代」歌ってしまいましたね。こういう部分にも著者が危惧する事象が静かに進行しつつある様な気がしないでもないのですが……。みんな、大切な事を忘れていますね。日本は民主主義国家では無いのですから、別にナショナリズムが進行して自由に発言出来ない世界に至っても問題無いのですよ。世界に現存する唯一の「帝国」な訳ですから、国歌や国旗の是非を論じる必要も無いしね。ネパールやイギリス等、王様(女王様)がいる国が王国であるならば、世界に生き残る最後の皇帝(天皇)が存在するこの国は帝国に相違ないのです。広大な海外領土を敗戦で失った今、「大日本帝国」で無くなったのは確かだけど、「大」が取れても依然として「日本帝国」であると思うのですよ。(もし日本が帝国で無いのならば、イギリスやサウジアラビアは王国では無くなる。)

それにしても、昔は「君が代」はタブーとされて自由に歌えない社会だったのですから、一体どっちが悪いのかわからなくなります。私が幼稚園に通っていた頃、歌の時間があったのです。配布された音楽教材の中から園児のリクエストよって、その日の歌を決めるという内容だったのですが……。私は当時から熱狂的ナショナリストだったので(もちろんウソ、先生が困ると思ったからだ。お子様の時からとんでもないヤツだ。)迷わず「君が代」をリクエストした訳ですが、「この歌でいっぱい人が死んだのだから、歌いません!!」と怒られてしまいました。うーむ……。かつては「君が代」も自由に歌えない時代だったのに、今では甲子園で女子高生が歌ってもOKです。すごいよねぇ。

みなさん、日本帝国臣民として、大いに国を愛しましょう。
祝日には日の丸を掲げましょう。君が代を斉唱しましょう。
と、ちょっと扇動してみたりして……。

魔王

2006年3月26日 読書
ISBN:4062131463 単行本 伊坂 幸太郎 講談社 2005/10/20 ¥1,300
「小説の力」を証明する興奮と感動の新文学
不思議な力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」と、静謐な感動をよぶ「呼吸」。別々の作品ながら対をなし、新しい文学世界を創造した傑作!

題名から想像すると、ドラゴンクエストの敵ボスでも出てきそうな雰囲気だが、魔王は出ません。「重力ピエロ」みたいに、ほのぼのとした感のある文章なのだけど、内容は……。人々がそれと気づかないうちに、世の中がファッショ化していく恐怖を描きたかったのだろうか? 「ファシズムや憲法などが出てきますが、それらはテーマではありません」と言及しているが、ではテーマは一体!? 「自分達の頭で考えて、自らの決断に責任を持て」あたりでしょうか。

作中では、ある政治家が台頭していき、国民投票により憲法第九条改正の是非を問うところまで行くのだが、日本という国が「大人」として国際社会から認められる為には避けて通れない課題だと思う。行き場を失った人々の不満がナショナリズムとして具現化し、世論の針が一気に危険な方向にブレる怖さはあるけど、実際に今、この国が向かっているのはその方向だろう。私は民主主義なんて糞くらえ! と思っているから、全体主義になっても一向に構わないのですけど。

今まで無能な政治家に辟易していたけれども、天才が出てきて劇薬になる事を考えると、もうあの人たちは無能なままでも良いのではないかという気がしてきた。天才的な政治家と特殊能力を秘めた兄弟、一体どちらが「魔王」となるのでしょうか。
ISBN:4063140784 コミック 森本 洋 講談社 1994/04 ¥530

表紙がこんなのだから、もう少しヤバ系統なのかと思ったら違った。剣で自分の身体を斬り裂いてるし、現代風のダーク・ファンタジーか何かかと思っていたら、近未来物のSFっぽい。だけど、翼の生えた天使(悪魔?)みたいなのも出てくるし、よくわからない。張られた伏線は、読み進めないと理解できないみたいだ。この話、もう10年以上かかっているみたいだけど、もしかして未だに完結していないの?
ISBN:4163239103 単行本 古川 日出男 文藝春秋 2005/04/22 ¥1,800
1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて-。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!

第133回直木賞候補作。

ベルカという犬が主人公の物語かと思ったら全然違った。世界大戦末期からソビエト崩壊あたりまでの歴史を描いた犬歴史小説? どんどん犬が世代交代していくのだけど、過去のシーンと物語においての現代が交差する。現代部分は裏社会の抗争劇で、過去に遡る部分は犬達の物語。犬歴史の部分が、犬は語れないから説明口調になってしまい、なんだか「銀牙」の小説版を読まされている気分になる。文体がとっつきにくいし、重みのある文章の中にいきなり軽薄な文章が入ってくるのが気になるが、慣れてしまえば物語自体は壮大で迫力ある。好き嫌いが分かれそうな作品ではあるけれども。

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