1989年に徳間書店より刊行された作品の復刻版。 単行本未収録のレア短編と、それをリメイクした描き下ろし短編を収録。 カバーイラスト描き下ろし。

突然会社が倒産してしまった青年は、隣のヤクザっぽい主夫の兄さんに感化され、いつのまにか主夫状態に。意外に適性があったらしく、見る間に掃除洗濯料理が上達。隣のヤクザみたいな兄さんが師匠だからかもしれないけど。同棲している女性は締切り抱えてグチャグチャな漫画家で、とても家事をする状況ではない。

今となっては男女の役割分担が逆転しても、そう珍しくも目新しくもないが、当時としてはやはり異端的状況だった。でもこれは男女同権になったのではなくて、単に男性の権威が失墜してしまっただけのような気もする。女が上昇したのではなくて、男が賃金カットされて落ちてきただけの給料みたいに。

それにしても、今時は主婦も主夫も、ある意味特権階級であって、片方が十分な稼ぎを得ていないと成立しない。そりゃ、ヤンキー夫婦みたいに後先考えなかったり、うさぎ小屋に棲み続けて家族増殖させたり、子供は産まない派なら高級取りじゃなくても可能かもしれないけど。片働きで家のローンが払えたり、子育てしてちゃんと大学まで出せるだけでも今の世の中では十分エライ人達だと思いますよ。

これ、復刻版出ているんだ。単行本未収録だったレア短編が入っているらしく、ちょっと気になるところ。
死神界の鶴亀商事ナンバー2が現れて、ラパン、レジーナ両名を葬り去ろうと暗躍。ウメのお兄さんなんですけどね。ちなみにこいつもオカマ。この死神会社の経営陣はこんなのばかりか!? 最後に出てくる死神社長は男の姿だけど、本当は女だし。

中途半端なバトルのままに死神社長が降臨して強制終了。盛り上がらないままに終わってしまった。奪われていたラパンの記憶は復活、アリスも骸骨から生身の体に戻れたが、ストーリー展開はイマイチだった気が……。
狂気の死神レジ―ナに連れ去られたアリス! ラパン達は無事、捕らわれのアリスを奪還できるか!?

表紙はラパンの先輩。しかし、またしても女の入れ物。一体、どこから手配してくるのか? そして、何で人間界では女に!? これも、中の人が死神界では男です。そりゃ、死の間際に迎えに来るのはムサい男よりも綺麗なお姉さんのほうが安らかに死ねて良いかもしれないけど。

屍人の王と決着が着かぬまま、何故か夏の海で遊び呆ける死神軍団。前半は思いっきりバカンスを楽しんでいる。仕事はどうした!? 後半部分は、ラパンと同じく記憶を奪われて人間界へと脱走したもうひとりのイレギュラーな死神が敵となって登場。どうやら、こいつがラスボスの様ですな。屍人の王まで配下に加え、邪悪な死神と化したレジーナ・ロッソ。しかしその外見はショタ……。その路線は要らないです。
ラパンを上回るエロエロ屍人に翻弄されたり、屍人の王に見初められたりとありすの周りはてんやわんやの大騒ぎ!!

死神物でありながら、相変わらずドタバタしたラブコメで、アクション要素は低い。しかも、中途半端にエロっぽい。小学生なら悦ぶかもしれないが。屍人の王マッドハッターというボスが登場するが、盛り上がらないまま、決着もつかない。

死神ラパンを追いかけてやって来たウメの熱烈アタックが強烈である。いつの間にか、アリスの家に潜入してメイドとして雇用されてしまっている。人間界では女の入れ物に入っているので完璧に女状態なのだが、エロ魔神ラパンは何故か嫌がるのであった。
D線上のアリス 1
死神ラパンが任務遂行のために現世に送り込まれるのだが、現世で活動するために用意された骸骨の身体に転送される際、その進入線上に女子高生がいたから、失敗して生身の身体の中に送り込まれてしまう。その影響で女子高生アリスの魂は押し出され、ラパンが入るはずだった骸骨の中に入ってしまい、散々な目に遭うのである。
なんか表紙が変わっていると思ったら、「神様のパズル」じゃなくて「神様のパラドックス」だった。世界観は同じようだが、続編ではないし、ほどんど関係も無い。一作目が手元に無いので確認出来ないけど、大学は同じなのかな?

途方もなく金がかかる量子コンピューターを造ったは良いものの、投下資金を回収する目処が立たず、困った事になる開発者の男。占い同好会に仮所属している、大学に入りたてな女の子。二人が出会い、ヒントを得た開発者は、仮想世界で神を作り、占いをしようとし始める。

量子コンピューターに神の代わりをさせようというアイディアは面白いのだが、開発者は暴走しすぎるし、主人公の女は悩んでばかりで煮え切らないし、開発陣にいる女性は神を創るという発想に対して過度に拒否反応を示すし、挙句の果てに量子コンピューターまでもがグダグダと悩み始める。

主人公に、物語に引き込むだけの魅力が足りていない。これでは絵師に負けている。表紙のほうが、人物描写よりも可愛く見えるのだけど。設定は面白いのに、微妙なままで終わってしまったのが残念。ラスト付近で、一作目と絡んで来る部分は良かった。
情報革命は「大いなる利便」と共に「大いなる危険」を内包している! 長年コンピュータに接してきた著者が、ビジネスから教育まで、多岐にわたる利用分野別にブームの怪しさと危険性を抉り出す。

またしても、洋泉社っぽい、センスの無い題名。そして、題名で分るように、コンピュータに対して否定的な内容が多い。

新技術を否定する者は、大抵の場合において間違ってきたが、この人も例に漏れずか。インターネット・ブームが長続きしないという予測も、今となっては……。

そもそも、新技術は使い手次第だと思うが。馬鹿が使えばハサミだって凶器になる。今まで出来なかった様々な事が可能になったのだから、上手く利用して行くほうが賢いと思うのだけど。逆に、コンピュータの普及によって出来なくなった事なんて、漢字を手書き出来なくなってきた程度しか思い浮かばない。
殺人、自殺、売買春、私、愛、死刑、戦争…。時代の無意識が提示してくる問いに、現在の具体的状況を生きるひとりとして真っ正面から答える新しい倫理学の試み。

題名だけだと、殺人に対する是非だけに思えるが、自殺、不倫、売買春、死刑制度、戦争責任等、内容は幅広い。感情論に走らず、盲目的な主義主張を念仏のように唱えたりもしない。それぞれに関して、論理的に書かれている。

死刑制度に関しても、宗教として信じている死刑廃止論者の主張など、容易く論破されてしまうであろう内容。それでも動じないからこそ、死刑廃止教の信者になっているのだろうけど。

さすがに、題名になっている殺人に関する部分だけは、明確な解答が示されてはいなかったが。

自分が殺されたくないので貴方も殺さないで下さいねという約束事で社会が安定しているのだから、人を殺したい人間は、戦争に行けば良い。そこは、貴方は私を殺しても良いけど、私も貴方を殺しますねというお約束の世界だから。自分は殺されたくないけど人は殺したいという不意打ちは卑怯だよな。キチガイは、無人島に集めてバトルロワイアルごっこでもさせれば良いと思う。

「なぜ人を殺してはいけないのか」と知識人に問うた馬鹿がかつていたが、そういうやつはバトルロワイアル島へ送ってやれば良いと思う。自分が殺される瞬間に、何で人を殺してはいけないのか理解出来る筈だから。もし、死の瞬間になっても、まだ答えが分らないならば、そもそもそういうキチガイ予備軍は死んでくれたほうが良い。

ひとをころしたって いいじゃない にんげんだもの
こうですか? わかりません。

殴られる妻たち(洋泉社新書009)
三人の殴られる妻たちは、問いかけている!夫が妻を殴ることは取るに足らない暴力なのか。「暴力を振るう夫」との暮らしとは、いかなるものなのか。夫の振るう「取るに足らない暴力」とは、どれほどのものなのか。なぜ彼女たちが、夫のもとから立ち去るのが難しかったのか。そうした夫婦に向けられる社会の眼差しは、いかなるものなのか―と。非業の死を遂げた妻とシェルターに避難した二人の妻たちが語る「家庭内暴力」の深刻な実態。

何で暴力を振るうキチガイと一緒になるのか、一緒にいるのか、逃げ出さないのか。まずその点が理解出来ない。それに、身内だろうと部外者だろうと、傷害罪は犯罪行為だろうに、警察権力が内と外を分けすぎなのも理解出来ない。殺されてからでは遅いのだ。まあ、警察は人が殺された後からが仕事ですからね(苦笑)。

最も理解が出来ないのは法律と法曹である。本書の実例では、妻を殴り殺した男への判決が懲役三年執行猶予五年! 例え妻相手だとは言え、他人を殴り殺したキチガイに執行猶予判決とは、さすが悪人に優しいキチガイ国家ですな。これはもう法治国家じゃなくて、放置国家クオリティだろう。
クラシック名盤ほめ殺し(洋泉社新書008)
凡庸で教養主義的なクラシック・ガイド本は捨ててしまえ!音楽を聴くという行為は、演奏家とともに音楽のありかを測る聴き手のきわめて批評的な行為だ。それには知的遊戯に満ちた戦略家の姿勢が必要だ―。「悪魔」がささやけば、「天使」が踵を返し、「天使」が微笑めば、「悪魔」は興ざめしてほくそ笑む。この両者の対話に仕組まれた巧妙な仕掛けによって、クラシック音楽の見方=聴き方の転回をせまるまったく新しいクラシックCDガイドブック。

天使と悪魔が出てきて会話しつつ、その内容がクラシックCDのガイドになっている。クラシックは聴かないし、CDを買う予定も無いので、いまいち楽しむ事は出来なかった。
しかし、もしもこれが初音ミクと亜北ネルが解説するヴォーカロイド曲の内容だったとしたら、相当楽しめるだろうなぁ。という事で、本書自体はきっと優れもの。クラシック者にとっては良書なのではないかと思う。読み手にクラシック適正が無かったのは残念だOrz

じゃあ読むなよ! と言われそうだが、洋泉社新書攻略の一環として、順番に読んでいるだけなので……。

最後の息子

2009年10月21日 読書
新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲して、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは…。第84回文学界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた「Water」、「破片」も収録。爽快感200%、とってもキュートな青春小説。

第117回芥川賞候補作「最後の息子」
第118回芥川賞候補作「破片」収録。

キャッチに「爽快感200%、とってもキュートな青春小説」とあるけど、ちっともキュートじゃなかった(汗)。

初手から文章は上手いのだけど、やっぱりホモ絡みなんだね(汗)。表題作は、オカマと同棲してヒモ状態の駄目男が主人公の、どうでも良い日常。ホモ公園で、ホモ狩りで殺された“大統領”も物語には絡んで来るのだけど、結局、仇討ちはされないままだし。

「破片」はホモ小説じゃなかったけど、その代わりに、出てくる弟が飲み屋の年上女に入れ込んで、ストーカーの一歩手前などうしようもない話。主人公が付き合っている相手も、ブランド物が欲しいからと、一緒に住んでいる家からテレフォン・セックスのバイトをするような糞女だし。どうでも良い内容だった。

芥川賞の候補作になっていない「Water」は、高校の水泳部を書いた青春小説なので、一番読めるけれども、やはりホモが出てくるんだね(汗)。なんで無理やり同性愛な男を入れようとするの?
ニーチェって何?(洋泉社新書006)
ニヒリズム、神の死、永劫回帰など、誰もがそれが重要だといい、自分もどこかで聞いたことのある言葉を頼りにして、それをなぞっていく、そんな読み方はもう止めるべきだ。ニーチェその人が何と格闘していたのかをわれわれは知らない、われわれはいかにニーチェを知らずして彼を読んできたか―、ニーチェへの旅の出発点はそれを自覚することにある。世界のつるつるした平面に傷をつけ、堅牢に見えた建物の基礎を掘り崩してしまったニーチェ。彼が世界に傷を負わせてしまった、まさにその場所に赴くこと、そうすれば彼はいまなお読まれうる。

「ニーチェって何?―こんなことをいった人だ」という題名とサブタイトルからして怪しげ、しかもセンスが無いのだが、中身も話し言葉で延々とニーチェに関して語られる。まさに、ニーチェ厨によるニーチェ厨のための一冊。もう、ニーチェが大好きで大好きで堪らなく、誰かと語り合いたくて仕方が無いような人にお勧め。

題名を見て「ニーチェって何?」とか思っちゃうような人が買うと、ドラクエの戦闘中、泥人形に不思議な踊りでMPを全部吸い取られた後のような、微妙な気分に浸れる事だろう。

とりあえず、ニーチェに関する入門書のつもりで買ってはいけない。
債権取り立ての法律学(洋泉社新書005)
取り立ての極意、倒産整理の荒業、裁判の無力と強制執行の実態…。カネをめぐる修羅場の攻防を、「債権回収の帝王」の異名をとる取り立てのプロフェッショナルと、『裁判の秘密』を著して司法界を震撼させた異端の弁護士が、実体験と法律知識を踏まえながら縦横に語り尽す。

債権に関する法律理論が書かれた本ではないので注意。実際に取立て屋として実戦を経験した者による生々しい話である。理論と現実の壁が大きすぎる。やはり、この国はまだまだ法治国家としては拙いのだろう。奇麗事しか知らない法曹に対する弊害も指摘している。

二匹

2009年10月20日 読書
「青春。青く未熟な春と書く。しかし現実は冬そのものだ」―明と純一は幼なじみの落ちこぼれ男子高校生。何もできないがゆえに人気者の純一に明はやがて、聖痕を見出すようになるが…。“聖なる愚か者”を描き衝撃を与えた三島賞作家によるデビュー作&抱腹絶倒の第35回文藝賞受賞作。

ストーリー自体、内容が無い様系だし、文章は山崎ナオコーラが手抜きした時くらいにペラいし、人物設定も極めて嘘臭くて参った。文藝賞だけに期待してはいなかったのだけど、それでもこれは予想の斜め下を行く酷さだった。まさかのネット小説クオリティ。

何が言いたかったのか、何がやりたかったのか、何を伝えたかったのか、全く分らない。何処の行間を読めば、“抱腹絶倒”する事が出来るのだろうか。

明と純一が主要な登場人物となるのだが、二人でふざけ合いすぎていて、二者で交わされる脳内妄想によるお遊びなのか、現実としての第三者が登場しているのか、あまりにも脈絡が無い書き方なので混乱する。全体的に描写不足が目立つ。何の計算も無く、勢いだけで書かれたとしか思えない文章。

人物設定も、何も出来ないのに人気者というのが理解出来ない。普通、その手の落ちこぼれは虐めの対象とはなっても、人気者にはならないと思う。真ん中の席がクラスの中心で、後の窓際ははみ出し者の席みたいな設定も、よく分らない。普通、窓際の最後列というのは、ヤンキーとかが独占したがる特等席なんじゃないの? 少なくとも、私の経験では、その席は最も人気が高かったのだけど。

実は人気者含めて脳内妄想で、二人ともクラスの虐められっ子だったという、立ち位置逆転の物語なのか?
一日一話(洋泉社新書004)
200字で人生は語りうる、と知るべきだ!人の出処進退から生と死まで。小津安二郎の映画から米内光政・山本五十六・井上成美の海軍トリオまで。新聞人・桐生悠々から「東京朝日」主筆池辺三山まで。先人の逸話を達意の文章で綴り、読む人に生きる指針を与える座右の書。朝日新聞夕刊を飾った名コラム「きょう」を加筆・集成した本書によって、その醍醐味をどうぞ。

一日分200字で、多岐にわたる内容。統一性が無いと思ったら、朝日新聞夕刊に掲載されたコラム「きょう」を加筆したものだったのか。その日に対応した過去の出来事について書かれている。奢り高ぶった「素粒子」や「天声人語」と比べたら、素晴らしい出来栄えじゃない!?
英国・フランス楕円球聖地紀行(洋泉社新書003)
フルタイムのラグビー・ウオッチャー中尾亘孝が、楕円のフットボールの母国、英国四協会の“聖地”トゥイッケナム、マレイフィールド、アームズ・ハーク、ランズダウン・ロードへとその身をリリース!W杯観戦遍歴の日々を連ねる。のみならず、かつて自身が若き日を過ごしたフランスも再訪。日本人にはサッカー日本代表が初のW杯を戦った地としてしか認識されていないフランス南西部の都市トゥールーズの知られざるディーフなラグビー・タウンとしての姿に触れつつ、北半球一のラグビー・マッド地帯の文化風土にハマる道中記。

結構早く品切れ状態になってしまい、見つけるのに苦労した。楕円球聖地って何かと思ったら、楕円球はラグビー・ボールの事か。聖地は、秋葉原が呼ばれているような意味合いで、別に宗教は関係無し。

ラグビーに人生を賭けていると言っても、言いすぎにはならないんじゃないかと思うような筆者の、気合が入った一冊。学術書系統の内容ではなく、紀行文やエッセイに近い方向で書かれているので、ラグビーなんて何の興味も無かったのだが、結構楽しめた。
中年男に恋はできるか(洋泉社新書002)
中高年にとって性愛こそ切実なテーマである!援助交際から不倫・セクハラまで。ハゲからもてない男まで。形面上学的話題から下世話な話まで。いい年をしながら、枯れることのできない「中高年のエロス」の問題を中年男の切実さを踏まえながら縦横に語り尽くす。

題名に捉われると、予想の遥か斜め上を行く哲学、思想が内在するのに驚くかもしれない。小浜逸郎だから、薄っぺらい恋愛論を説いたショボイものでもないし、雰囲気だけのハウツー本でもない。よって、単に恋愛してみたいだけの中年男性が、妙な期待をして読むと、きっとガッカリする事だろう。
私は臓器を提供しない(洋泉社新書001)
私たちが提供しない根拠はこれだ!「愛の行為」「いのちのリレー」という美名の下になされる脳死・臓器移植の実態はあまりに知られていない。賛否の論議を究めることなく闇雲に「ことを進める」のはいったいなぜか?ドナーカードに署名することで救命救急医療は本当に手抜きされないか?十名の論客がそれぞれの「私」からの発言で、脳死・移植への根本的な疑問を呈し、読者が「自分の立場」を選択するための材料を提供する。

単に臓器移植の是非を問うたペライ内容ではない。臓器移植に関する暗部まで抉り出している。誰かが助かるためには、誰かが死んでくれなければならない。本当に失われる命ならば、何処かの誰かを助ける事も意義があるだろう。

だが、誰かを助けるために、本来は助かるかもしれない命が、不当に死へと導かれるとしたら……。これは怖い。本書を読めば、安易にドナーカードに署名する事は出来なくなるだろう。

万能細胞が実用化されれば、臓器移植問題なんて一気に解決して、過去の遺物となるのだろうけど。ダム造りまくったり、道路ほじくるお金があるのならば、万能細胞や核融合や宇宙エレベーターにでも投資したほうが、遥かに有用なのにね。まぁ、自分の利益にしか関心が無い、土建屋と結託した某金権腐敗政党では無理な話だったけどね。
ディスカスを知ることで、世界の全てと繋がろうとした涼一。だが、恋人の由真は、彼の元を去って行った―。『パイロットフィッシュ』から7年。再び、著者が人生をかけた美しいモチーフを通して贈る、至高の長編恋愛小説。

恋愛小説というジャンル分けになっているのだが、恋愛部分は回顧シーンだけで、ほぼ熱帯魚飼育小説と化している。どこかの誰かの恋愛話なんて、少しも興味が無い私としては、むしろお魚飼育小説になってしまっている方が読みやすかった。

ディスカスなんて、ちっとも知らなかったのだが、主人公がのめり込む熱帯魚ブリーダーの世界は興味深かった。

それにしても、この人が書く小説に出てくる男も、ロクデナシが多いよなぁ。吉田修一作品の登場人物ほど糞ではないけれども。「恋愛小説は男ではなく女を殺せ」という鉄則は守っているものの、お魚に囲まれて、女みたいに別腹人生を謳歌しているのは、なんとも後味が悪い。

熱帯魚バカな男に出会い、お魚に負けてしまったヒロインの悲劇に全米が泣いた!!

犬姫様

2009年10月18日 コミック
ケンイチのベッドに突如として現れた女の子。それは飼い犬・ライ(正式名・雷電号/♀)がニンゲンの変身した姿だった!そんなバカな、とご主人様は思う。誰だってなんにでもなれる、とメス犬は言う。いまいち信用できない“主従関係”、ふたりをつなぐのは首輪だけ?

犬や猫といった動物が人間化する話は巷に溢れているけど、これもズバリその路線。でも、完全に人間化しているのではなくて、犬のままに見える人もいれば、人間に見える人もいるという微妙な状態。飼い犬(雌)がある日突然、人間の姿になってしまう。

犬なので散歩は当然はだかのままなのだが、見える人には女の子を首輪と鎖で縛って引きずる変質者として映る訳で……。二宮ひかるなので、やはり適度にエロいです。

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