Wind―a breath of heart―
2009年8月26日 このライトノベルがすごい?何かに呼ばれるように、ぼくは、そこ―風の名前を持つ街に戻ってきた。そして、春から夏、秋にかけて…かけがえのない友と出会い、少女たちと語り合い、忘れ得ぬ経験をすることになる…。丘野真、17歳。どこにでもいる普通の高校生。彼は、母親の失踪を機に、その謎の手がかりを求めて、生まれ故郷の街―風音市に帰ってくる。山間の坂の多い街。石畳の道を路面電車が走る、どこかノスタルジックなその街に。恋愛、友情、そして何気ない日常の先にある、街に秘められた謎。全てがひとりの少女に帰結していく。そして真は、その謎の鍵を持つ一人として、事件の核心に迫る…。大人気PCゲームを完全ノベライズ。リリカル・ファンタジー。
ゲームのノベライズらしいが、原作が酷評されているらしく、相対的に小説の評価は上がっている模様。だが、個人的には微妙なところ。
描写不足からか、ある程度読み進めないと、登場人物が把握し辛い。ノベライズなのだから、当然予備知識があるだろうという前提なのか。絵師が書いているカラーページに主要人物全員が載っていないので、誰がイラストのキャラに該当するのか、すぐには分らなかった。
幼い頃に父を亡くし、引っ越す寸前に母も行方不明になってしまった兄妹が故郷の風音市に戻る。そこは、住む人間がちょっとした魔法のような能力を有する、特殊な土地である。二人で暮らしながら母を捜し続けるが、手掛かりは無い。かつてある約束をした幼なじみと再会し、謎の少女と出会う。
キャッチでラブストーリー扱いされているが、風音市を特殊な場所にしている原因に深く関わっている、化け物みたいな能力を持っている人物? が出てくるし、消滅という形で人も死んでいるし、むしろホラーじゃないのか? きのこな人みたいに暗黒成分入っている話が好きな人なら気に入るかもね。
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Partyにようこそ
2009年8月25日 読書南田香織。24歳、大手テレビ局の看板アナ。昭和最後の日、ホテルの一室で開かれたパーティで彼女が出会った男は田辺君。ところが大変、一夜明けたら彼は時の人となってしまった。新元号は〔平成〕。そして彼の本名は田辺平成だったのだ!イマ風のフェイスをした平成君。その日から、彼の状況は目まぐるしく変わっていく。キャスターの肩書をもち、トレンディドラマの主演まで持ち上がる。そんな平成を横目に、香織の心は揺れていく…。恋は、Partyのように楽しく、甘く、胸いたむことの連続!泉麻人が描く都会派恋愛小説の決定版。
昭和から平成へ。今となってはネタにすらならない過去だが、いけいけどんどん! な時代に書かれているだけに、上手くシンクロ出来ない。全員が恩恵を受けた訳では無いにしても、この世代は、さほど努力しなくてもバブルの波に乗って上昇していけたからなぁ。
出てくる看板アナも、そんなに頑張ってないのに、憧れの職業に就いているし。まあ、書いている人も慶應ボーイだし、どん底体験とは無縁な存在なんだろうな。
ひとことで言うと、ギザウラヤマシス……。
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ある朝突然、トイレで僕を見舞ったコールタール色の警鐘。理由は明白。酒と、ちょっとした無理なイキガリだった。病名は、十二指腸潰瘍。高二にしては早すぎた勲章だ。入院した病院のTVからは「石油危機」が連日叫ばれている。けれど、そんな事はどうでもいい。何が真実で何が絵空事なのか―。全共闘世代からは外れ、ロック・ムーブメントの波にはノリ遅れ、あやふやに揺れていた時代。その宙ぶらりんな空気の中を必死に、そしてあやふやに泳いでいた73年から74年までの追憶を描く、自叙伝的処女長編。
泉麻人が、自分をモデルにして書いた小説。やんちゃしすぎて体を壊し、冒頭からいきなり入院している。一応、小説という事になっているのだが、あとがきによると、実話成分は80%らしい。作中に出てくる店も当時に実在していたらしい。という事は、登場する女性達も実在の人物か?
全共闘やロックの波には乗り遅れたかもしれないけど、この後に訪れる受験地獄や不況地獄という焦土にも巻き込まれずに済んだのだから、この世代は一番美味しいところを味わっているんじゃないのか?
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7月のある蒸し暑い午後、営業成績の締め切り日を迎え色めき立つ生命保険会社から、差し入れ買い出しのためにOLが東京駅に向かって走りだす。ここを物語の出発点として、ミュージカルのオーディションを受ける母娘、俳句仲間とのオフ会のため初めて上京した老人、ミステリーの会の幹事長のポストを推理合戦によって決めようとする学生たち、従妹の協力のもと別れ話を成功させようともくろむ青年実業家、訪日中のホラー映画監督など、さまざまな人間が複雑に絡みあうなかで、物語は日本中を揺るがす大事件へと発展していく。
登場人物は27人+α。かなり多いので混乱しそうだが、上手く纏っているので大丈夫。一見バラバラで関係のない人物が、一気に繋がってドミノ倒し状態になるのは秀逸! 最初は良いけど、後半グダグダで煙に巻く事が多い恩田陸だが、これは結末をボヤかさずにジェットコースターの如くエンディングまで引っ張ってくれる。
まだ全部読みきってないので、何番とは言えないけれども、全作品で五指には入ると思う。恩田陸の中ではかなりの良作だった。
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うさぎの映画館
2009年8月25日 このライトノベルがすごい?ヒビ割れた手鏡、幽霊つきと噂の姿見、主役不在のアリスのランプ…。ちょっと不思議な品物が集まる、銀河堂という骨董品店でバイトをしていた静流は、雲井進という少年と出会う。実は、高校の同級生でもあった雲井とのこの出会いが、静流の心に小さな波紋を生み、やがて思わぬところに、彼女を導いてゆく…。小さな店が軒を連ねる商店街。その先には、ぬいぐるみの『はーさん』が迎えてくれる映画館。それは繰り返し彼女が見る夢…。静かに紡がれる、夢と現実をつなぐ物語。
銀河堂という骨董品店でアルバイトをする女子高生が、同じ高校の同級生と出会う。骨董屋だけに、幽霊が憑いている姿見とか、いわく付きの品々はあるものの、異界物にはならない。幽霊は出るけれども、それが本物かというと……。
妙なキャラや設定を使わなくても物語になっているという点では良作かもしれないけど、夢と現実が重なるような部分以外、地に足つきすぎるくらい普通で意外性が乏しい。電撃にしては、はっちゃけ具合が足りない。
ポプラ社あたりで出ていても違和感が無い感じの内容。癒し系でほのぼのした感じのものが好きなら気に入るかも。
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めざせダウニング街10番地
2009年8月24日 読書
イギリス首相の座を目指して、3人の男が戦う。作者のジェフリー・アーチャーが過去に国会議員だった事もあり、かなり現実味のある物語となっている。
これ、読んでいて最後まで誰が主役なのか、誰が首相の座を射止めるのか見えてこない。結末が明らかになるのは、最後の1ページだし……。実は、邦訳されているのはアメリカ版であり、本国版とアメリカ版では結末が異なるらしい。
これ、読んでいて最後まで誰が主役なのか、誰が首相の座を射止めるのか見えてこない。結末が明らかになるのは、最後の1ページだし……。実は、邦訳されているのはアメリカ版であり、本国版とアメリカ版では結末が異なるらしい。
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REVERSE リバース
2009年8月24日 読書ネットで出会い、心を通わせた男と女。しかしふたりは、自分の性別を偽っていた―一度送ったメールは二度ともとにもどせない。やり直しがきかない、人生のように。石田衣良。リバース。リアルな性を超えた新しい恋のかたち。ありえないことじゃない。
“石田衣良初のネット小説”というキャッチ。普通に小説だけど、何となく電車男っぽいニオイもする。ネットでやりとりを始めた男女二人の物語。二人はどこにでもいる普通のサラリーマンと、キャリアウーマン。しかし、電脳世界では男が女で、女が男で……。
仮想世界での男女相互入れ替わり、というか騙りか!? 要するに、ネナベとネカマでやり取りをする訳である。題名これだし、その部分についてのネタバレは物語開始直後にあるから、ここでバラしても大丈夫だろう。
やり手のビジネスマンっぽいアキヒト、実は中の人は女性。言い寄ってくる異性で悩むキリコ、実は中の人が男性。次第に双方は惹かれあい、やがてリアルで出会いたくなるのだが……。悲しい事に、ネカマとネナベ。会えば正体がバレてしまう。仕方が無いので身代わりを立てる事に。アキヒトは、過去に付き合っていたイケメンを代理に、キリコは同僚で男前な性格の美女を代理に、二人は出会うのだが……。
魅力的な女性が数人出てくるが、個人的には偽キリコを演じる同僚のサオリッチが最高っ!! 本物のキリコは電車男みたいなモッサリ系なのに、後輩や女子大生にモテるというのが非常に嘘っぽい。
石田衣良は、今までに読んだ数冊が微妙だったから期待してなかったのだけど、これは面白い。
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魅力が暴走している!? 生き物をテーマにした10の物語集。手を握ったひとの未来が見える占い師の身に起こったこととは?(サラブレッド) 優秀でかわいい秘書は、研究室に大きな水槽を持ち込んだ(あほろーとる)。夫の出世で住むことになった社宅には不思議なサークル活動が(猫語教室)。などなど、面白さてんこ盛りの栗田有起ワールド。泣いて、笑って、びっくりして、しみじみして、夢中になって、幸せになる。
久しぶりに栗田有起の新作が出てきた。生き物をテーマにした短編だが、日常から少しズレた感じのものが多い。手を握ると過去や未来が見えてしまう女性とか、他人の中に動物が見えてしまうとか、少し不思議系。
短編だからか、オチが弱くて何が言いたいのか、どうなったのかよく分らないまま終わってしまうものが多い。もう少し納得の行くオチがつけば最高なのに、惜しい。
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幻の生物が住み、不思議な力を持つヤンに「守られてきた南洋の孤島」。この島に待ち受けているのは、開発か自然保護か―現実社会が抱える問題を軽やかな文章と卓抜な発想で描き切る南の島の冒険物語!第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
この賞を読む度に思うが、ハイレベルの作品が多い。芥川賞にノミネートされる前段階の各新人賞とはレベルが違い過ぎる件!
紛争が続くため、一般人が立ち入る事が許されない南洋の孤島イシャナイに、調査団の一員としてやって来た瞳子の物語。彼女が探すのは、その存在を誰も信じないようなダンボハナアルキ。つまり、鼻行類なので、元ネタを知っておいたほうが、より楽しめるかもしれない。
島には到着したものの、政府軍にがっつり囲まれた状態では、幻の動物を見つけるのは不可能だと思った瞳子は、夜中にテントから抜け出すのだが、ジャングルはゲリラの領域なので、ここから後の展開は容易く予想が出来てしまう。
ゲリラと行動を共にする羽目に陥ってしまった瞳子は、彼らの指導者ヤンと出会う。寝ている間も、ヤンが出てくる夢を見始めるのだが、そこは現実世界とは違うイシャナイだった。
戦争が始まらずに観光の島となっていたり、欧州系の大地主に支配される貧富の国だったり、核実験で現地住民が死にかけていたりする、三つの夢世界が現実世界と並んで、パラレルワールド的な展開を見せ始める。
読み進めるにつれ、次第に夢と現実の境界が曖昧になって行き、現実パートも現実とは異なるような気分になって来る。ページ数だけで考えたら、戦争中の現実世界が一番分量があるので、他は夢で1つだけが本物だと思いながら読んだのだが、最後の最後でよく分らなくなってしまった。ヤンよりも、主人公瞳子のほうが架空の人物っぽく思えてくる。
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おねがい☆ツインズ 2 二人と一人
2009年8月21日 このライトノベルがすごい?自分の気持ちに正直に生きる深衣奈と樺恋。自分の気持ちに正直になれない椿と康生。そして自分の気持ちに揺れる麻郁。それぞれの夏が、今、はじまる―。大ヒットTVアニメ『おねがいツインズ』公式ノベル、待望の第二弾が登場!苺ファンも、跨ファン(?)も大満足のお馴染みレギュラーが大暴走。麻郁の肉親は…。そして深衣奈と樺恋の恋の行方は!?TVアニメとは、一味違うパラレルな展開に話題集中。感動の完結編。
どうやら色々な部分で、アニメとは逆展開になっているみたい。転がり込んできた美少女二人と同棲状態で、片方だけ妹となれば、他人だったほうはもう俺の嫁! な展開でいいだろうと思ったら、やはり最後でフラグが立つんだね。
過去を語った深衣奈と違い、謎だった樺恋の過去も明らかになる。しかし、この三人を捨てて消え去った親については謎のまま。一体、何があって三人も孤児になったんだ!?
wikiを眺めていて、会長の秘密を知る。おねティーの主人公と同じく、この人も“停滞”持ちなのか……。ひょっとして、三人の親も何処かで長期停滞したままとか?
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おねがい☆ツインズ 1 一人と二人
2009年8月21日 このライトノベルがすごい?
うーん、これも先にアニメを観ていないと不味いらしいOrz 「おねがい☆ティーチャー」と同じ場所で、二年後が舞台となるので、こちらも先に読んでおいたほうが良いかと。
孤児でありながら、プログラマーの仕事をし、自立しながら高校へ通う麻郁のもとに、二人の少女が飛び込んで来る。二人とも、自分と同じ写真を持っており、どちらかが妹らしいのだが、判別出来ない。
仕方が無いので、三人で住む事になるのだが、年上の先輩まで迫って来るから、なんというモテ期! 若干、ホモっぽい同級生にまでモテているのがキモイ感じだけど。しかし、片方が妹、片方は他人なのに、どっちか分らないままではフラグの立てようがない。
おねティーに出てきた方々も三年生として登場するのだが、あの人が生徒会長とは(笑)。跨さんは、前作以上にキモい奴になってしまったね……。
孤児でありながら、プログラマーの仕事をし、自立しながら高校へ通う麻郁のもとに、二人の少女が飛び込んで来る。二人とも、自分と同じ写真を持っており、どちらかが妹らしいのだが、判別出来ない。
仕方が無いので、三人で住む事になるのだが、年上の先輩まで迫って来るから、なんというモテ期! 若干、ホモっぽい同級生にまでモテているのがキモイ感じだけど。しかし、片方が妹、片方は他人なのに、どっちか分らないままではフラグの立てようがない。
おねティーに出てきた方々も三年生として登場するのだが、あの人が生徒会長とは(笑)。跨さんは、前作以上にキモい奴になってしまったね……。
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おねがい☆ティーチャー―みずほと桂のMilky Diary
2009年8月21日 このライトノベルがすごい?とってもナイーヴで「停滞」と自ら呼ぶ病気を抱えている高校生・草薙桂。その前に突如現れた美人教師・風見みずほはなんと宇宙人だった!先生の秘密を守るため、成り行きで結婚してしまった普通じゃないカップルの新婚生活はこれまたやっぱり普通じゃない!?TVアニメ本編では描かれなかったみずほと桂の「はちみつ」っぷり120%の新婚生活が今明らかになる!おなじみの面々が巻き起こす騒動で、みずほと桂の関係も振り回されっぱなし。でも最後には…。待望の公式ノベルが、ついに登場。
訳アリで、18歳なのに高校一年生な草薙桂が、宇宙人である風見みずほが地球に降り立った瞬間を目撃してしまったため、結婚させられてしまう。相手がボンッ! ギュッ! ボンッ! な美女なだけに、年上お姉さん属性がある人には堪らないだろうな。個人的には年下同級生な小石さんのフラグが立って欲しかったけど。
無理やりな感じで結婚までさせられる訳だが、主人公は年上属性な様で、はちみつ度数120%である。どうやら、先にアニメを観ていないと面白さ半減らしいが、観てないっすOrz
電撃文庫なのに、ラスト数ページが二次元ドリーム化している件!
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くろがねカチューシャ 1
2009年8月19日 アニメ・マンガようこそおかえりくださいませ、ご主人様。こちらは世界初のメイドロボが稼動するメイド喫茶「轟」でございます。この通称「ハナ」こと「ハナ初号機」は覗き見、セクハラ、下着ドロ等を得意としております。新米メイドと女性のご主人様はくれぐれもご注意くださいませ。また、当店ではクール眼鏡な店長をはじめ、おかん気質の新人メイドのトキ、現役高校生怪力ドジ犬耳っ娘のイオと各種取り揃えております。巻末には彼女たちの秘密がございます。これはお求めになられましたご主人様にのみお楽しみ頂けます。店が壊れたりすることもしばしばではございますが、当店は常に心よりご主人様をお出迎えいたしますので、どうぞよろしくお願い致します。
メイドロボが出てくる話なので、表紙のツインテールがロボなのかと思ったら、出来の悪いマスコットみたいな不気味な奴(表紙にいる四角頭の小さい物体)がロボか!!
店長(メイド長)は武器マニアで危ないし、世界初メイドロボ・ハナ初号機はセクハラばかりする変態だし、途中から加わる月影はハカイダーだし、見習いメイドの羽鳥トキ以外はまともな奴がいない件! こんなので、よく潰れずに営業しているな……。
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海峡を目の前にする街に続く旧家・桜井家の梅代は、出戻ってきた娘美佐子と、幼稚園児の孫娘の三人で暮している。古びた屋敷の裏にある在日朝鮮人の教会に、梅代とその母はある憎悪を抱え、烈しく嫌ってきた――。注目の新鋭が圧倒的な筆致で描く芥川賞候補作。
第138回芥川賞候補作。
芥川賞候補になった表題作は、在日朝鮮人差別を描いているらしいが、非常に読み難い文章で、しかも面白くない。芥川賞臭はプンプン漂うけど、会話文の後に地の文が来ず、そのまま投げまくりになっているのが、稚拙なラノベ作家がやっているのと同じ手法で気になる。純文学作家がやれば許されるのに、ラノベ作家だと駄目扱いされるのはどうよ? やってる事、同じですが……。
「蛹」は、カブトムシの幼虫が主人公で、ひたすら暗くて気持ち悪い。読むと元気を吸い取られて病気になりそうな不健康さが(笑)。とりあえず、読点をもっと使って欲しい。何で芥川賞系統の作家は、ダラダラと一文が長いものを書きたがるのか謎。一文を長くしたら格好良いという風潮でもあるのだろうか。
これをテキストにして外国人に日本語を教えたら、修飾語が何処にかかるのか、文の構造がどうなっているのか理解出来ずに挫折しそうだよなぁ。小学生がこんな文章を作文で書いたら、悪文扱いされるだろうに、純文学系統だと何故か許されるのが今世紀最大のミステリー!
「不意の償い」は、親の目を盗んでエッチしている同じ時刻に、二人の親がスーパーの火災で焼死していたというお話。その事が心の傷になったか、結婚して子供が産まれる頃になっても、男のほうがキチガイ一歩手前状態で、とっても気持ち悪い。物語としては、三作中で一番読める感じにはなっているけど、ひたすら暗くて狂気ばかり。まるで、不思議な踊りでMP吸い取られた後のような気分。
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彼女は帰星子女 4
2009年8月17日 このライトノベルがすごい?誘拐事件から二週間、退院した望を待っていたのは、絹が出て行ってしまった芹沢家だった。絹は自分を狙った事件で望がケガを負ったことに恐怖と責任を感じ、トリオンの宇宙船団へ帰る決意をしてしまったのだ。必死に絹の行方を捜す望だったが、一介の高校生に国家レベルの機密を突き止められるわけもない。一方、絹の警護を担当していた情報局の内部でも、草葉局次長の強引な手法を巡って火種がくすぶっていた。絹の担当を外され、軟禁状態に置かれた星子の許に現れたのは…。青春SFシリーズ、いよいよフィナーレへ。
テロリストに誘拐された事で、自分がいれば望の身に危険が及ぶかもしれないと考えた絹は、宇宙へ帰るという決断をする。相談もされず、ある日突然絹が消えてしまった事で、望は廃人一歩手前な状態に。
ようやく立ち直って絹を探し始めるが、国家レベルの機密である絹の居所を一介の高校生が突き止められる筈もなく、途方に暮れる。
一方、この状況を招いてしまった情報局も一枚岩ではない。反旗を翻した子供……に見えるけどちゃんと大人な空野星子特尉も動いていた。情報局の監視の目をくぐりながら、望と接触を果たした後、救出チームが自衛隊の秘密基地を急襲する。
依然、移民交渉は困難を極めた状態だが、二人の関係は落ち着くべき場所へ。交渉決裂エンドになるのかと思っていたので、手堅く終わってちょっと意外。
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彼女は帰星子女 3
2009年8月17日 このライトノベルがすごい?異星種族トリオンの血を引く“地球系宇宙人”の美少女・絹が芹沢家にやってきて早半年。水害で倒壊してしまった芹沢家を出た望、時子、絹の三人は、新しい家が建つまでの間、賃貸マンションで不自由ながらにぎやかに暮らしていた。そんな時、同級生の穂高がついに望に告白することを決意し、望と絹の間に微妙な雰囲気が…。一方、トリオンからのVIPである絹の護衛に就く情報局の星子のもとに、ある情報がもたらされた。ロシアで反トリオン過激派によるテロが勃発、犯人グループの次の標的が、日本だというのだ!青春SFシリーズ、風雲急を告げる第3巻。
ロシアで反トリオン過激派によるテロが勃発、絹の周囲もキナ臭くなってくる。帰星子女の絹だが、単なる留学生みたいな感じではない。実際に移民が受け入れられるか否かの試験例であり、地球と宇宙人双方の思惑が絡む政治の道具でもある。
よって普通の女の子ではなく、超VIP待遇の最重要人物な訳だが、一般人としての暮らしをしてもらうため、表立っての警護は行われていない。目立たないところで情報局が監視の目を光らせているのだが、実働部隊の指揮官が小さい女の子にしか見えないという設定は!? 見た目が成長していない理由が非常に気になるのだが、作中では一切語られない。何で実年齢と外見が二十歳近く離れてるの?
ロシアは、広大な土地の一部を割譲して移民を受け入れようと画策したため、「湿った大地の女神」というテログループを産んでしまったのだが、各国に分かれて移民するより、南極でも割譲したほうが良いのでは!?
後半、事件が起こるのだが、何という自作自演劇……。話が大きく膨らんで行くのかと思いきや、基本はボーイ・ミーツ・ガールなままなんだね。ヘタレ主人公が少しずつ成長して行くのが微笑ましい。
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彼女は帰星子女 2
2009年8月17日 このライトノベルがすごい?人類に接触してきた異星種族「トリオン」の宇宙船団から、友好のため芹沢家にやってきた、地球とトリオンのハーフの美少女・絹。彼女は芹沢家の長男・望と小さなトラブルをくり返しながらも、家族の一員として暮らし始めていた。だがいつまで経っても絹を“異星からのお客様”あつかいする近隣住民たちに、彼女の気分はちょっと複雑。一方、望を巡って絹にライバル心を燃やす同級生・穂高は、望との距離を一気に詰めるべく、計画を練っていた。そんなある日、掛橋市を記録的豪雨が襲う。宇宙船育ちの絹にとって、それは全く未知の“天災”なわけで…。
望たちが住む掛橋市を記録的豪雨が襲い、水害でかなり大変な事になるのだが、天災も地球においては想定の範囲内。宇宙人が飛来しているのに、派手な部分は描かれず、望と絹の関係に焦点を絞って物語は進行する。
絹の他にもう一人、幼なじみヒロイン穂高がいるのだが、フラグ立てようと頑張る以前に、その結末が見えているのが可哀想である。絹をライバルだと看做し、敵視するのだが、当て馬で終わるの未来が……。何事もタイミングが重要。帰星子女なんていう厄介な障害物が出現する前に告白しておけば、フラグが立ったかもしれないのに。
この巻では、望の心を射止めたいがため、かなり嫌な子になってしまうのだが、この後の展開を考えれば、そう悪い子ではない。この辺りの心理描写も、かなり書き込まれていて良い。
幼なじみの可愛い子では、銀河級美少女相手では分が悪すぎるよな。それにしても、銀河級美少女という設定なのに、そうは見えない……。仕方が無いので、脳内でラフィール変換を行う。なんとなく髪の色と喋り方が似ているし(笑)。
※ラフィールは、星界シリーズに出てくるヒロイン。
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彼女は帰星子女
2009年8月17日 このライトノベルがすごい?「人類を代表し、宇宙人と友好条約を締結した」―アメリカ大統領の突然の発表に、世界に激震が走った。彼ら三種族連合移民船団―トリオンの宇宙船は数十年前から地球人類の調査を行い、各国政府と接触をしていたというのだ。だが平凡な高校生・芹沢望にとって、それは「直接は関係ない大ニュース」のはずだった。トリオンと地球人の間に生まれた美少女・絹が芹沢家にやって来るまでは…。地球の常識を知らないうえ負けず嫌いの絹と、ことあるごとに衝突してしまう望。だが絹の心の内に触れるうちに…。大胆な設定と、細やかな心理描写で描く、青春SFシリーズ第1弾。
これがデビュー作なのだけど、受賞組じゃないみたいだね。芸能界に例えるなら、オーディション組とスカウト組がいて、どうやらスカウト組のほう。よって、これ以前にも何処かで書いていて、声をかけられたようである。全体的に、受賞組よりも発掘組のほうが安定している感じがするのだが、気のせいだろうか。
三種族連合トリオンの移民船団が地球に飛来した世界。各国政府と移民交渉が行われる中、ごく普通の男子高校生である芹沢望の家に、宇宙人とのハーフである絹が居候する、ボーイ・ミーチ・ガールな物語。
三種族が融合した状態の宇宙人がやって来て、地球に住まわせてくれという部分はラノベ的であるけれども、その他の設定は奇抜な物が使われておらず、地に足がついた感じの内容になっている。電撃から出ているのでラノベだけど、ポプラ社あたりで出ていたらジュブナイル小説に分類してもいい位にまともで、電波や萌えは極力控えめ。
よって、帰星子女としてやってくる絹も、宇宙人とのハーフである以外は、ごく普通の女の子で、空を飛んだり無敵だったり魔法クオリティな科学を使ったりはしない。ラノベにしては、はっちゃけ具合が足りないので、派手なのが好きな人には不向きかもしれないが、人物設定や描写はカッチリしている。
地球の常識を知らないが故に暴走しがちな絹と衝突しまくる望だが、彼女の置かれた状況を把握するにつれ、少しずつ接近して行くという手堅い王道パターン。
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ワケありの依頼品を高額の報酬と引換えに目的地まで運ぶ、プロの運び屋=トランスポーターの活躍を描いた「トランスポーター」の続編がDVD化。“運び屋”から引退し、マイアミで6歳の少年ジャックの運転手として働くフランク。平穏な日々も束の間、ジャックが女殺し屋に誘拐される。フランクは決死の覚悟で敵のアジトヘ乗り込むが、敵の狙いは身代金ではなかった。“運び屋”のプライドを賭けた闘いが再び始まる…。
運び屋なのに、お金持ちの息子を送迎する運転手なんてやっている。が、その子供が誘拐され、事件に巻き込まれてしまう。容疑者扱いされて警察からも追われるし、ただの身代金目的ではなく、致死性ウイルスによるテロにまで発展するから、悪党を追いかけてひたすら戦う事に。
次から次へと障害が立ち塞がるジェットコースター・ムービーにはなっているけど、荷物は運んでないな……。強いて言うなら、子供と薬が荷物か!? それにしても、死傷率が高すぎる。いくら悪党とはいえ、警察でもないのにここまで倒すとヤバい。悪人に優しい何処かの島国じゃなくても罪に問われそうだ(笑)。
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