別冊 図書館戦争 2
2009年9月3日 読書大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。
出版されたのを見逃してしまい、図書館で予約負けしてしまったのだが、ようやく読めた。これで本当に完結か!? それにしても、スピンアウトで別冊が二冊も出るとは思わなかった。
熱血バカ夫婦はちょっと引っ込んで、他の人達にスポットライトが。敵であるメディア良化委員会から転職してきた緒方の過去が切ない。後半から柴崎率が非常に高く、ストーカーされたり、逆恨みされたり、拉致監禁されたりと、美女として生きるのも大変デス。変態に押し込められて襲われそうになったところで、柴崎の王子様が華麗に登場、ようやく落ち着くべきところにオチがついたという感じか。
それにしても、同室になった電波さんがキモすぎる件! 何でこういう人間は客観的判断を下す事が出来ず、根拠無き自信で暴走するのか謎。
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ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険3
2009年9月2日 このライトノベルがすごい?十二歳のガリアの王族シャルロットは、優しい父と母に囲まれて、何不自由なく、幸せな生活を送っていた。だがある日、王位をめぐる確執から父が暗殺されてしまう。続けて母は毒を盛られ、心を失った。ひとり残されたシャルロットは、表沙汰にできないような危険な任務を請け負う北花壇騎士に叙される。戦ったことなどないシャルロットに与えられた最初の命令は、ファンガスの森に住むキメラドラゴン退治。任務を成し遂げなければ母が殺されてしまう。恐怖をこらえシャルロットは森に向かうが―。冷たく神秘的な少女「雪風のタバサ」誕生が語られる、シリーズ第3弾。
タバサよりも、使い魔となった韻竜シルフィードの人間化バージョンが堪らない。使い魔召喚の儀で呼び出される出会いの物語が含まれているし、タバサ誕生の悲話もあるので、外伝とはいえ、結構重要な一冊。
本編の主人公以外では、最も過酷な人生を歩んでいると思う。この娘に比べたら、胸が小さくて悩むレモンちゃんや、踏まれまくるデブなんて……。無口すぎるからか、本編では地味な感じだけど、母親のオルレアン公夫人が美女だけに、将来の期待値高し(笑)。
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海を超える想像力―東京ディズニーリゾート誕生の物語
2009年9月2日 読書オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾートに4年間で5000億円という巨額の資金を投じた。著者は「テーマパークは生き物であり、進化をやめた時は老化の始まりである」と記す。テーマパーク産業で独り勝ちを続ける同社の強さの秘密が垣間見える。
んもうっ! また密林検索出来ないじゃないか。
何でDiaryNoteはISBN検索出来ないように改悪したんだろうね。
東京の隣(厳密には千葉にあるので、東京ディズニーランドじゃないからね)に夢の国を造るという壮大な物語。計画段階での汗臭い地道な話から、ディズニー・シー開業に至るまで。
京成電鉄の面接試験で為替手形と約束手形の違いも答えられなかった男が、オリエンタルランド設立に関わる事になる。プロジェクトXで取り上げられそうな内容で、BGMで「地上の星」が流れてきそうだ(笑)。
それにしても、高度成長期の波に乗れた人々も、バブル組と同じく羨ましい。今や、勉強が出来ない人は面接まで残れないからね。
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マーブル・アーチの風
2009年9月1日 SF特集毎年恒例の大会(カンファレンス)に参加するため、20年ぶりにロンドンを訪れたトムとキャスの夫妻。ロンドン地下鉄道をこよなく愛するトムは、旧友との再会を楽しみに地下鉄で大会会場へと向かうが、駅の構内で突然の爆風に襲われる。爆弾テロか毒ガスかと瞬間的に思うが、風は一瞬にしてやんでしまう。どうやら周囲の誰もこの風を感じなかったらしい。ようやく到着した会場では、病気や離婚といった話題ばかりを友人たちが口にしているのを耳にする。そして、ホテルに帰るため、地下鉄に戻ったトムは、ふたたび暴力的な“風”に見舞われるのだった。20年前と明らかになにかが変わってしまったロンドンで、トムは“風”の謎を追って地下鉄を巡る…。やがて誰にでも訪れる人生のその時を、迫真の筆致で描いた表題作(ヒューゴー賞受賞)。ベヴァリーヒルズのセレブを相手に、いんちきチャネリングで荒稼ぎする女霊媒師に、ある人物の霊が憑依する。その人物とは、オカルト詐欺やニセ科学を批判しつづけた実在のジャーナリスト、H・L・メンケンその人だった…。サイキック商売を題材に描く傑作ユーモア中篇「インサイダー疑惑」(ヒューゴー賞受賞)。クリスマスが近づくなか、街では少しだけおかしなこと(みんなが動く歩道の片側をきちんと空けて立つ、帽子をかぶる人が急に増えた)が起こり始める…。侵略SFコメディ「ニュースレター」(ローカス賞受賞)。ユーモア、コメディからシリアス短篇まで、SF界を代表する小説の達人の傑作5篇を厳選。物語を読む愉しみにあふれた日本オリジナル作品集。
コニー・ウィリス初体験。本当は「犬は勘定に入れません」を読みかけたのだけど、ページ数が多すぎて、読み終える前に返却期限が来てしまった(汗)。シリーズ物なのに読む順番間違えたりして失敗する事があるので、なるべく出版順か執筆順で読む事にしているのだがこれは短編集なので大丈夫だろうと思って借りてきた。
五編入っているのだけど、面白いかと問われれば、微妙だなぁ。やはり、アメリカ人のユーモアはよく判らんよ。最初の「白亜紀後期にて」なんて、最後の解説を読むまでどこを楽しめば良いのか理解不能だったし。
宇宙人侵略物? っぽい「ニュースレター」は、人類がどんどん善良になって行くから、どちらが正しいのか判らなくなってくるし、本当に侵略されているのかどうかも曖昧な感じ。「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」は、クリスマス業者の駆け引きかと思いきや、オチはベタ甘系か。表題作の「マーブル・アーチの風」は、もう少し爽やかな風が吹いてくるのかと思ったら……。
ラストの「インサイダー疑惑」が一番楽しめたかも。詐欺じみたスピリチュアル商法で馬鹿から金を巻き上げるチャネラーの嘘を暴こうとする男の戦いなのだが、チャネラーに憑依しているのがどうやら本物らしく、困った事になる。
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ペイチェック 消された記憶
2009年8月31日 映画情報化社会が進んだ近未来。 コンピュータ・エンジニアのマイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)は、 数々のハイテク企業の極秘プロジェクトで荒稼ぎをしていた。 しかし、報酬の代償は記憶の抹消。機密保持のため、仕事が完了する度にその間の記憶は消去される契約だった。 そんなある日、ジェニングスはケタはずれの高額報酬である巨大企業の仕事を引き受ける事になる。 ―そして3年後。仕事を終えた彼が手にしたのは、報酬を辞退する自筆サイン入りの誓約書と、19個のガラクタだけだった。 いったい何があったのか? 19個のアイテムを手に、消された記憶をたどるジェニングスの戦いが始まる―!
ベン・アフレックにもユマ・サーマンにも興味が無かったので、借りてまで観ようとは思わなかったのだが、上手く出来たSFだな。これって、原作あるの? なんかディックっぽい話だけど。
検索中……。ディックっぽいじゃなくて、そのものだった(笑)。ディックの「報酬」という短編を、ジョン・ウーが映画化したものらしい。
100億貰える筈が、受け取ったのは20個のガラクタだけ。20個と言いつつ、19個しか入っていない。しかも、高額の報酬を辞退したのは自分自身。記憶は無いのだが、そこには自筆のサインが!
直後、命を狙われ始めるが、受け取ったガラクタが役に立ち始める。これが無ければ自分は殺されていた。自らを救うために、この品々を用意する事が出来たのは何故か?
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自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった…。スキャンダラスで切ない青春恋愛小説の傑作。俊英の幻のデビュー作、ついに文庫化。
劇団を失い放浪の途上にある「天使の骨」より過去にあたる部分。「天使の骨」で第6回朝日新人文学賞受賞を受賞しているのだが、これが持ち込み原稿による本当の一作目。三部作になるようだが、三作目は出ていない。
小劇団と主宰し、芝居と同性愛だけで生きているような王寺ミチル。商業劇を見下しているが、これは作者の思いそのものなのかね? 傍から見れば、金にもならない劇なんて、単なる自己満足であって、芸術だ本物だと主張してみても、資本主義的観点からすれば単なる自慰行為に過ぎないと思うのだが……。
それにしても、内容の大半が同性愛ポルノと化しているし、主人公の性格がキ印一歩手前で無茶苦茶すぎる。こんな暴走機関車みたいな人間相手だと、どんなに我慢強い奴でも仕舞いにはついて行けなくなるだろう。一緒に薬を飲んで死にかけた中学生がどうなったのか心配だ。
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ゲイのカップルの会社員マルオと編集者ヒカル。ヒカルと幼なじみの売れない小説家菊江。男から女になったトランスセクシャルな美容師たま代…少しハズれた彼らの日常を温かい視線で描き、芥川賞を受賞した表題作に、交番に婦人警官がいない謎を追う「主婦と交番」を収録した、コミカルで心にしみる作品集。
第122回芥川賞受賞作。
味付け程度ではなく、思いっきりホモカップル全開な内容に萎える。吉田修一といい、この人といい……。性同一性障害とか、テーマ性のある作品ならともかく、ごく普通の内容なら、別に普通の男女カップルでも良いんじゃないの? ホモ小説に負けた太宰に全米が泣いた!
とりあえずストーリーはあるので、自慰や意味不明系な最近の作品と比べたら読めるけど、カップル以外にも出てくるのでホモ率高すぎ(笑)。個人的には一回手前の「恋の休日」のほうが良かった。
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肩を“ポンと叩いただけ”で教師が階段から落ち、女子高生のフィンは高校を退学になった。父は体調を崩し、愛人に看病されている。大学生の彼氏とは大喧嘩の末別れたばかり。今どきの若者の風俗や生態を淡々とたタッチで描きながら、心の奥底でふるえる悲しみをとらえた真摯で切なく、心やさしい作品集。
第121回芥川賞候補作。
糞みたいな理由で高校を退学になって、普通なら人生破滅寸前なのに、妙に冷めている。何でかと思ったら、金持ちの娘だから危機意識が弱いのか。金があれば、学歴が無くても怖くないしね(笑)。
母は帰ってこず、父は病気で愛人に看病されている。馬鹿っぽい大学生の彼氏とは別れたという設定なのに、別荘まで追いかけて来る。冷たくあしらいつつ、出かけて別の男と知り合う尻の軽さ。シンクロも共感も全く出来ないが、昨今の自慰作品群と比べたら、芥川賞絡みにしては悪くない。
後半に収録されている「秘密の熱帯魚」のほうが長いのだが、ホモ絡みな理由で離婚に至った女性マンガ家の話。知り合いの女性は百合属性なのか、やたらとキスしたがる。アシスタントが無断で欠勤し、そのまま連絡が取れなくなるのだが、この後の展開がなかなかヘビー。そんな酷い結末にする必要あったのか? ホモとキチガイで、ちょっと憂鬱な気分になれた。
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新耳袋―現代百物語 第3夜
2009年8月29日 読書あなたには、世界はどう見えていますか。この本に収録された話は、すべて「実話」です。日々の暮らしの中で私たちが見すごしている、この世界のもうひとつの姿です。不思議な出来事、身の毛もよだつ恐怖の体験から、「異界」への入り口を実感してください。この読書体験は、あなたの人生観を変えるかもしれません。平成の「百物語」へ、ようこそ。不思議と恐怖100の怪異。異界の扉を開く、戦慄の第三弾。
本当に、聞いた話を厳選もせず、ただ並べただけという感じで、ただの勘違いや思い過ごしとしか思えないしょうもないものも入っている。だが、本物っぽい話に関しては、そういう何でもない話が適度に混ざっているからこそ、余計に不気味さが増す。全部が全部、怖い話ばかりなら、逆に「それ絶対作ってるだろ?」と疑ってしまうだろうし。
第三夜には、誰でも知っている有名な話に絡むものも混じっていて、ちょっとシャレにならない。読むだけで特定されるキチガイは成敗されたけど、殺された方は報われない。「生き人形」絡みまで入っているので、読了後に何か起こっても怖がらない、泣かない事!
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スーザンは見知らぬ病院のベッドで目覚めた。医者が言うには、彼女は休暇中に交通事故に遇い、このオレゴン州の田舎の病院に運びこまれ、三週間も意識を失っていたのだという―。しかし、彼女にはそんな記憶はなかった。と同時にこれまで自分がたずさわっていた仕事の内容、同僚の名前が思い出せない。なぜか彼女には、そこだけ記憶がないのだ。そして、彼女は病院の中で信じられないものを見た。大学時代にボーイフレンドを殺した男たちが、当時の若い姿のまま患者として入院しているのだ。その上死んだはずの男たちまでがスーザンの目の前に現れた。これは狂気か?幻覚か?その後もぞくぞくと怪異現象は起こる。そしてスーザンが最後に発見したのは信じられないような事実だった。人気沸騰の鬼才クーンツが放つ、異色の大型ロマンス&サスペンス・ホラー。
スーザンが目覚めると、病院のベッドだった。休暇中、事故に遭って、病院に運び込まれたのだと教えられるが、記憶の一部が欠落していた。仕事内容や同僚の名前を思い出す事が出来ない。
妙な病院に入院中、次々に怪奇現象が起こり始める。ボーイフレンドを殺した相手が、当時の姿のままで入院していたり、死者まで現れてしまう。普通のホラーだと思い込んでいたら、予想を超えた大仕掛けが待っていた!
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邪教集団トワイライトの追撃
2009年8月29日 読書冬なお暖かく、陽光あふれるカリフォルニアのコスタメサ。買い物を楽しむクリスティーンとジョーイの親子に、怪しげな老婆が突然まとわりついてきた。その場は逃れたものの、妖婆グレイスと、彼女が率いる謎の新興宗教〈トワイライト=黄昏教団〉の狂言者たちは、六歳の少年ジョーイとクリスティーンを脅かす。グレイスはジョーイこそ、悪魔が地上を支配するために遣わした〈反キリスト〉だと、信じているのだ。クリスティーンは私立探偵チャーリーに護衛を依頼したが、追跡者たちは、ジョーイの愛犬を殺し、ボディガードを殺し、家を焼いて執拗に迫ってくる―。日本でも人気爆発、娯楽小説の王者クーンツが放つ「読み出したら止められない」迫真の大型サスペンス追跡小説。
クリスティーンが親子で買い物していたら、妖婆が纏わりついて息子のジョーイを反キリスト扱い。いきなりカルト教団から集団ストーカーされ始め、命が危険に晒される。キチガイ恐るべし。
かくして、カルトに狙われる羽目に陥った親子は、ひたすら逃亡し続けるのだが、相手がキチガイだけに、どこまでも追ってくる。これがもう、ティンダロスの猟犬くらいしつこい。愛犬を殺され、ボディガードを殺され、家も焼かれ、もう散々な目に。
しかし後半戦、果たしてどちらが正しいのか分らなくなってくる。果たしてジョーイは本当に普通の子供なのだろうか? 最後まで読みきっても答えが得られない後味の悪さ。結局、どっちが正解なんだ?
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戦慄のシャドウファイア
2009年8月28日 読書エリック・リーベン―天才的な遺伝子工学者。彼はその才能を武器にベンチャー・ビジネスを成功させ、莫大な財を築いていたが、別居中の妻レイチエルと口論した直後、自動車にはねられて即死した。しかし、奇怪なことに彼の死体が、市の死体公示所から忽然と消失した。この報せをうけたレイチェルはあることに思い当たったが、それはあまりにも恐ろしい想像だった。信頼する恋人ベンとともに極秘の調査を開始したレイチェルの前に、謎の追手が立ちふさがる。一方、エリックが手がけていたプロジェクト〈ワイルドカード〉の機密流出を恐れた防衛保安情報局の高官アンスン・シャープも二人に対する追跡を開始した。〈ワイルドカード〉とはいったい何なのか?エリックになにがおこったのか?日本でも人気集中、モダンホラーの鬼才クーンツが放つ、超大型サスペンス。
天才遺伝子工学者にしてジェネプラン社の経営者であるエリックは、別居中の妻レイチェルと口論後、僅か24ページ目で死亡フラグ。レイチェルの目前で起こった事故。どうみてもエリックは即死状態。しかし、死体が何処かへ消えてしまう。
何もカラクリが無いのに死体が動いたらホラーだけど、遺伝子工学者なので、別の方向で怪しい。設定は「ミッドナイト」みたいに、科学の力を借りたホラー風味。しかし、霊界のオカルトパワーだろうと、テクノロジーに裏打ちされた理由だろうと、死体が勝手に何処かへ行けば怖い訳で(笑)。
消えた死体の謎を追うが、逆に恐ろしい化け物に追われる羽目に。ワイルドカードの副作用で、変形して規格外になって行く敵が、それ何てファイナルファンタジーのラスボス?
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ラグーナ・ビーチに住む作家ドミニック・コーヴァイシスは、深刻な夢遊病に悩まされていた。朝、目を覚ますとクローゼットやガレージの中で丸まっているのだ。同じ頃、シカゴで、ラスヴェガスで、ボストンで、得体の知れない恐怖におびえる人たちがいた。彼らにその記憶はないが、一年前の夏、あるものを“見て”しまったのだ。
登場人物、増量気味(笑)。様々な職業の人が何かに怯え続けているのだが、それが何なのかは自分達でも分らない。作家のドミニックも夢遊病に悩んでいて、目覚めるととんでもない場所で丸まっているのである。
全員が、何かを見てしまったのだが、その正体が分らないまま、後半まで引っ張られる。何が起こったのか分からないうちは、読んでいる側も正体不明の何かが怖い。
怖い話かと思ったら、次第に陰謀の臭いがしてきて、ある事件に関わってしまった人々が記憶を取り戻すと、いきなりSF風味に変わってしまう。何が起こったのか気になりすぎて、ページ数多いのに、一気読みしてしまった。それにしても、全貌が明らかになるのはラスト近く。ちょっと謎のまま引っ張りすぎ(笑)。
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トワイライト・アイズ 下
2009年8月28日 読書人間の皮をかぶった悪鬼どもを見分ける薄明眼を持つぼくは、カーニヴァルの仲間の美少女ライアと三つ目の大男ジョエルとともにゴブリンに戦いを挑んだ。カーニヴァルの次の興行地はゴブリンの巣だった。やつらは、ここで何かを企んでいる。何か、今までにないほど恐ろしいことを。人を傷つけたり、殺したりするだけでは、あきたらなくなったのだ。もはや、やつらと全面対決するしかない。ぼくは意を決した。絶好調クーンツの戦慄と感動のホラー・サスペンス!
常人には見分けがつかないゴブリンが、人類に紛れて存在している理由は、ちょっとSF入っている。発想はとても面白い。しかし、妙に間延びしたストーリー展開で、後半がダレて来る。
ライアとのフラグがトゥルーエンド状態なのは良いとして、最後まで運命に翻弄されている感じで、いまひとつ希望の光が弱い。困難を克服し、最後はハッピーエンド的な王道を辿る事の多いクーンツ作品の中で、これはちょっとらしくなさすぎる。
とりあえず、もっと凝縮すれば、1冊分の分量で収まったんでは!?
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トワイライト・アイズ 上
2009年8月28日 読書〈薄明眼〉(トワイライト・アイズ)。この呪われた眼を持つぼくには、人間の間に紛れ込んだゴブリンが見分けられるのだ。ゴブリンどもは、外見は全く人間と変わらない。だが、その正体は、ひたすら人間を憎み、傷つけ、殺すことだけに執念を燃やす、化け物なのだ。ゴブリンの一人だった伯父を殺して逃げるぼくは、あるカーニヴァルに潜り込んだ。そこで次に興行地に先発して、ぼくは恐怖におののいた。街の権力が全てゴブリンに牛耳られているのだ。このゴブリンの巣にカーニヴァルがやってきた時、血も凍る惨劇の幕が開いた…。
主人公はトワイライト・アイズという特殊な眼を持つ少年スリム。この眼は、人類に混ざって悪事を成すゴブリンを見分ける事が出来るのである。ゴブリンだった伯父を殺して逃げるのだが、傍から見ればただの殺人鬼としか思われない。
孤独なまま、絶望的な戦いを余儀なくされるスリムはカーニバルに潜り込み、美少女ライアと出会う。しかし、そこにもゴブリンがいて……。
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マンハッタン魔の北壁
2009年8月28日 読書世界的登山家のグレアムは、転落事故のショックで透視力を得た。テレビ番組で連続殺人犯を透視し、唯一の“目撃者”となった彼を殺人鬼が狙う…。奇才が描く戦慄のホラー・サスペンス。
クーンツが無名時代にブライアン・コフィ名義で出していた作品。世界的な登山家だったグレアムは転落事故のショックで、透視力を得た。
テレビの生放送で、彼に噛み付こうとする愚かなコメディアンを相手にしている時、連続殺人犯の犯行現場を視てしまうグレアム。その事で、連続殺人犯と対峙しなければならなくなってしまう。
マンハッタンに北壁なんてあるのかと思っていたら、高層ビルで殺人鬼相手に命懸けの鬼ごっこをするのか。
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社内女性のほめ言葉に有頂天になる中年課長はじめ、おっちょこちょいだけど愛すべき人たちの破天荒なユーモアワールド。
ちょいワルとか、ちょいカワとか、その辺にいそうな人々の喜怒哀楽いろいろ。荻原浩の小説は、際立った夢や希望はないけれども、それほど絶望も含まれていないので読後感はそう悪くない。出てくる人々もどこか憎めない。いじめ相談室なのに、所属している上司が率先して職場いじめを始める話だけは、「馬鹿上司とデモシカ学校教師は逝って良し!」と思ったけど。
犬猫語完全翻訳機の話は、製品自体は非常に完成度が高いのに、ペットの言葉を高精度で翻訳してしまうが故に飼い主に受けず、ハズしてしまうのが笑える。結局、人間は都合の良い言葉だけを聞きたい、我が侭で愚かな生命体なんですな。犬猫語の機械がコケて、次に出した最新型携帯電話でも、完成度が高すぎてハズすのが笑える。
最後の「くたばれ、タイガース」は、娘を貰いに来た男が阪神ファンで、娘の父が巨人ファンだったために、テレビを見ながらバトルになるのが笑える。「巨人が負けてるから」という理由で娘を嫁にやらんと駄々をこねる父親に全米が笑った。
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