芸術棟に、フルートを吹く幽霊が出るらしい―吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。幽霊を否定する必要に迫られた部長に協力を求められ、葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた!にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは?コミカル学園ミステリ。第16回鮎川哲也賞佳作入選、期待の新鋭のデビュー作。
表紙がこんなのだから、もっと甘酸っぱいジュブナイル小説みたいな青春ミステリーなのかと思ったが、あまり恋愛要素が無いな。人物描写が不足しており、キャラが区別しにくい。
校舎に幽霊が現れるという騒動で、怯えた吹奏楽部員が練習出来なくなり困った事に。そこで、幽霊の正体を探る事になるのだが、トリックに力を使いすぎた感じで、人物描写と人間関係が薄口で荒すぎる。主人公と探偵役はともかく、女性陣はメインヒロインをひとり中心に添えた方が良い気がする。主人公の妹が脈絡無く、突然脇役で出てきたりするし。妹がいる設定なら、最初のほうからちゃんと使えば良いのに。途中で僅か数行出てきても……。
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マリア様がみてる - ロサ・カニーナ
2009年4月13日 このライトノベルがすごい?年が明けて三学期が始まったリリアン女学園では三年生の欠席が目立ち、祐巳たち下級生は大好きな先輩の卒業が近づいていることを実感していた。そんな中、来年度の生徒会役員選挙が行われることになる。祐巳はつぼみの三人がそれぞれの薔薇を引き継ぐのだと思っていたが、二年生で「ロサ・カニーナ」と呼ばれる生徒も立候補することを知って…!?大騒ぎのお正月を描いた番外編も同時収録。
次の薔薇さまを決める選挙に、黒薔薇が乱入。実際の色は、黒じゃなくて桃色だったりする訳ですが。まだ一年なのだが、真ん中が空いてしまっているという三年(姉)と一年(妹)という変則パターンな姉妹のため、薔薇さま後継者扱いの藤堂志摩子。ギリギリまで態度を保留するが、締め切り直前に出馬を決心。
通常は、薔薇さま(三年)-薔薇さまのつぼみ(二年)-つぼみの妹(一年)という並びになるのだが、白組だけは二年が抜けているために、自動的に一段階昇格してしまっている。こうなると、二年間も薔薇さまになるのか? 凄いエリートだな。
後半の、お姉さま豪邸お泊りシーンあり。出てくる回文が素晴らしい。
なかきよの
とおのねふりの みなめさめ
なみのりふねの
おとのよきかな
長き夜の
遠の眠の皆目ざめ
波乗り船の
音のよきかな
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マリア様がみてる―いばらの森
2009年4月12日 このライトノベルがすごい?期末試験で落ち着かない学園に、驚くべき噂が流れた。リリアン女学園をモデルにしたと思われる自伝的小説が出版され、しかもその作者が白薔薇(ロサ・ギガンティア)さまだというのである!小説の内容が二人の少女の禁断の恋を描いたものであることも加わって、学園は大騒ぎ。白薔薇さまの過去はタブーとなっていて、事情を知っている人もみんな口をつぐんでいた。祐巳と由乃は、真相の解明に乗り出したが…。
紅→黄と来て、今度は白組が騒動になる。ある少女小説が、学園を舞台にした百合物になっていて、自伝的小説という事もあり、書いたのが白薔薇さまではないかとの憶測が流れる。真偽の程を確かめるため、出版社に突撃を敢行してしまう娘達だったが、そこに偶然現れた人物により、意外な真実が明かされる事になる。
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私って、死んじゃったんですか?――新米の坊さん・海生の目の前に突然現れた、死んだはずの女子大生。誰にも見えない彼女と海生は同居することになるが!? 『野ブタ。をプロデュース』から4年! 待望の文藝賞受賞第一作。
この人は一発屋で終わると思っていただけに、二作目が出てきた事に驚いた。別に、才能が無いと言いたいのではない。いろいろな事に興味があって、そのひとつとして小説を書いてみましたというようなニュアンスの事を発言していた覚えがあるので、あの一作で、もう満足したとばかり思っていたのである。
一見、上手くなったように思えて、じっくり読めば地に足がついていない感じの文章。まるで英会話教材の日本語訳を読んだ時のような違和感というか、たどたどしさが感じられるのが惜しい。だけど、白岩玄より下手な作家なんていっぱいいるので、内容が面白そうなだけで良しとしますか。
まだ駆け出しの青年坊主が、仕事でお通夜に行ってみれば、亡くなっていたのは、自分と同じ歳の碕沢さん。何で死んでしまったのかは、中盤まで明かされず、本人にも覚えが無いのである。という訳で、すでに死亡フラグ確定なのだが、ヒロイン役に碕沢さんが登場!
通夜で青年坊主の海生が視てしまったのは、横たわってるはずの碕沢さん。その後も、自分の近くに現れて「見えてるの?」とか聞かれたら、これはもうホラーになりそうだが、ちっとも怖い話にはならない。幽霊になってしまった美人の碕沢さんと、海生の世にも奇妙な物語へと……。
この後、二人はどうなるのだろうと思いきや、ラストは「え? こんなところで終わるの?」と言いたくなるような、何じゃこれ的なエンディング。オチが無い……。この終わり方は、途中で藤原佐為がいなくなった「ヒカルの碁」を読んだ時みたいな失望感。全体的に前作より良かったが、ラストだけは野ブタに負けたと思う。
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マリア様がみてる―黄薔薇革命
2009年4月10日 このライトノベルがすごい?学園祭の夜にロザリオを受け取って、正式に祥子の妹(スール)になった祐巳。紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブウトン)の妹としての日々が新たにスタートするが、思いがけない大事件が待ち受けていた。今年度の「理想の姉妹(ベスト・スール)」賞に選ばれた黄薔薇のつぼみ(ロサ・フェテイダ・アン・ブウトン)の支倉令とその妹の島津由乃が、突然姉妹関係を解消したのだ!二人の影響を受けた少女たちが自分のお姉さまにロザリオを返す事件が相次ぎ、学園中が大パニックになるが。
今更な感じではあるが、マリ見て攻略を始める。買うのも借りるのも恥ずかしい……。普通の本の間にコッソリ挟んで司書の柴崎麻子さんに手渡すのは、何だかエロ本を買う高校生にでもなった気分である。
最初のほうの話は、先にコミックを読んでしまったので、すでに中身を知っているため、新鮮さが無い。黄薔薇姉妹のスール解消問題で学内にも波紋が及ぶ巻である。結局は、元に戻る訳だが。黄色組は、普通の姉妹契約ではないので、ちょっと特殊。
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ゼロの使い魔16 ド・オルニエールの安穏
2009年4月9日 このライトノベルがすごい?
よし、16巻をゲット。それにしても、一体どこまで続くのか。金になるから、まだまだ続くのだろうけど。狂王を倒した後の小休止状態だけに、次の展開が見えてこず、間延びした感じも否めない。
ルイズはすっかりデレデレなレモンちゃん状態。しかし、専属メイドのシエスタも頑張るから三角関係っぽく。平民上がりで領地まで与えられてしまう才人だが、貴族の中にはそれを良く思わない輩もいる訳で。
貴族なんて、ご先祖様が上手く立ち回っただけに過ぎず、ちっとも偉くなんか無いのだが、この世界では魔法が使えるという特典があるだけ、完璧にご先祖様の成果でしかない地球の貴族よりはマシと言えるか……。才人も、どうせバレないんだから、「大日本帝国」という遠い国の王子様なんです、とか適当に嘘吐いておけば良いと思うのだが(笑)。
与えられた領地だが、行ってみれば寂れて老人しか残っておらず、幽霊屋敷は荒れ放題。何とか改修して住めるようにしたものの、ルイズとシエスタのバトルが激化。さらには、女王様まで……。アンリエッタ女王様の色香(201ページのイラスト)がやばい(笑)。それにしても、先の戦役でフィアンセが死んだというのに、もう別の男に魅せられるとは、これだから女というやつは……。
駄目だ才人! やはりここは、あえて王族でエルフで胸もあるティファニア攻略で
女王様との密会シーンを目撃してしまったレモンちゃんは、身を引こうと出て行ってしまう。慌てて追いかける才人だが、途中で出会ったのは自分目当ての暗殺者だったりしたから、大変な事に。
ルイズはすっかりデレデレなレモンちゃん状態。しかし、専属メイドのシエスタも頑張るから三角関係っぽく。平民上がりで領地まで与えられてしまう才人だが、貴族の中にはそれを良く思わない輩もいる訳で。
貴族なんて、ご先祖様が上手く立ち回っただけに過ぎず、ちっとも偉くなんか無いのだが、この世界では魔法が使えるという特典があるだけ、完璧にご先祖様の成果でしかない地球の貴族よりはマシと言えるか……。才人も、どうせバレないんだから、「大日本帝国」という遠い国の王子様なんです、とか適当に嘘吐いておけば良いと思うのだが(笑)。
与えられた領地だが、行ってみれば寂れて老人しか残っておらず、幽霊屋敷は荒れ放題。何とか改修して住めるようにしたものの、ルイズとシエスタのバトルが激化。さらには、女王様まで……。アンリエッタ女王様の色香(201ページのイラスト)がやばい(笑)。それにしても、先の戦役でフィアンセが死んだというのに、もう別の男に魅せられるとは、これだから女というやつは……。
女王様との密会シーンを目撃してしまったレモンちゃんは、身を引こうと出て行ってしまう。慌てて追いかける才人だが、途中で出会ったのは自分目当ての暗殺者だったりしたから、大変な事に。
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現在40代後半の専業主婦とキャリアウーマン、水商売あがりの三人は、それぞれ今の生活に不満を抱えていた。ある日、彼女たちは何者かの手によって高校時代にタイムスリップさせられてしまう。今度こそ理想の人生を!と願う三人の運命は!?考えさせられつつも読んだ後、元気がもらえる作品。
中年になった三人の女性が、不思議なレストランの特別メニューを頼んで、30年前の高校時代から人生をやり直す。別の人生を生きても、やはり不満は解消されない。あれが嫌、これが不満と文句だらけ。一体、何がそんなに不満なのか。自らの選択によらず、悲惨な人生を送っている人間も相当いるのだから、選択権を持った状態で満たされないのを見るとムカムカしてくる。贅沢すぎるのである。
人生のリセットボタンを押してセーブしたところからやり直せたとしても、自分以外の要因で変更する事が不可能な部分もある。そのペナルティ要素が肉親だったりするのがやるせない。自分をリセットしても、親は変更出来ないからね。
いろいろあって、実質上は他人より長生きしている三人組が、高校時代へ巻き戻されてから30年後、再び謎のレストランへ。人生をやり直すボタンと、別腹人生を送る前に戻すボタンがあって、1人につき2回までしか使えないと言われてしまうのだが……。ストーリーは面白いが、登場する三人(特に専業主婦→女優)には共感出来ない。
それにしても、リアル人生ゲームは過酷なルールである。途中でセーブ出来ないし、サイコロを振れるのは一度だけ。その一度で当たり目を出せた人間は幸せだろうけど、外れてしまった人間は悲惨だ。何で敗者復活戦が用意されていないのか。あまりにも不条理だ。もし神がいたら、死ね! と言いたい。
とりあえず、私もセーブしたところからやり直しさせて下さい……。このままじゃ、あまりにもうんこすぎる!
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隣人―SAKURA in Pale Rose Bump
2009年4月3日 このライトノベルがすごい?見知らぬ部屋で目覚めた桜子。そこはこの世の隣にあるという“隣人”が住まう世界だった。“隣人”とは気に入った人間をこの世から連れ去り捕らえ、その魂を食らう存在らしい。共に捕らえられた少女たちは、一人また一人と桜子の前から忽然と消えていく。逃れようにも手段はなく、桜子は次第に追いつめられる。そして最後に残ったのは、桜子と―。一方、桜子が行方不明だということを知った友人の悟郎は、彼女を捜すため不思議屋に駆け込む。そして、隣人の世界へと果敢に潜入するのだが…。待望のライト・ミステリー『桜色BUMP』シリーズ第4弾。
何か表紙がエロいな(笑)。実際には、こういうシーンは無いのだが。
今回は、冒頭から事件に巻き込まれている。桜子が目覚めると、そこは知らない屋敷で、自分と同じように全部で5人の女が寝かされていた。そこへ執事が登場、主のもとへと案内されるのだが、暗闇に包まれた廊下を通る途中でOLっぽい女性が消えうせる。執事が言うには、彼女は「不合格」となったらしい。
続いて、同じように暗闇の廊下を進んでいくのだが、今度は警戒して4人で手を繋いでいたにも関わらず、次の部屋へ辿り着くと3人に減っていた。不合格になるとどうなるのかは知らされないままで、とても気味が悪い。
浅子悟郎は姉が倒れたと聞き、病院にかけつける。意識が戻った姉は、不思議な夢を語るのだが、話に登場する人物がどうも桜子に思えて仕方が無い。そうこうするうちに、同じような症例の患者が運び込まれて来るのだが、その人物は夢に出てきたのと同一人物だった。
またしても怪異事件に巻き込まれたのだと確信した浅子悟郎は、桜子を救うために不思議屋へ走る。不思議屋が言うには、桜子は隣人に攫われたらしい。隣人とは隣の世界にいる存在で、時々こちらの人間を攫い、その魂を喰うのである。
いつもよりテンション高め。しかし、数多くの少女が犠牲となっているのに、この結末なのは……。
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都立旺道高校の駐車場で、ある朝惨殺死体が発見された。激しく腐乱した体。周囲に広がる腐敗臭。しかしなぜか、その死体の着衣に乱れはなかった──。同級生を失った浅子悟郎と高山桜子は、この不可解かつ残忍な事件の謎を解くべく奔走する。そこで、十年前にも同じ学校の中でよく似た事件が発生していた事実を知る。謎を解くヒントを得るために不思議屋を訪れるが、折悪く店主は留守にしてしまっていた。そしてついに、悟郎と桜子にも、恐ろしい魔の手が襲いかかる……!! 期待のライト・ミステリー『桜色BUMP』シリーズ第3弾。
タイトルが「桜色BUMP」から「Sakura in pale rose bump」に変わったので分かりにくいが、これは桜色BUMPの第三弾。
今回は、浅子悟郎が親友と一緒に保健室へ入り浸り。目的は、美女な保健室の先生。それを見て不機嫌になる桜子。ひょっとして、フラグ立ちかけてる?(笑)
だが、親友は無残な姿で発見される。昨日までは生きていたのに、翌日には腐乱死体となっていたのだ。またしても、通常では有り得ない事件。親友を失った浅子悟郎は、真実を知りたくて調査し始める。
実は、十年前にも同じような事件が起こっており、保健の先生と体育教師は、当時この学校の生徒だった。明らかに怪しい人はいるのだが、現在パートと過去パートで上手い具合に登場人物のミスリードがある。
「腐敗の王」というから、何だかベールゼブブみたいなヤバいのが敵になりそうだが、魔王様は出なかった。このシリーズの主人公、高山桜子と浅子悟郎は怪異事件に巻き込まれやすいだけの、単なる一般人なので、そんなのが出たら勝てないけどね。今回は、不思議屋がずっと留守なので、結構ピンチになる。
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桜色BUMP2 ビスクドールの夢
2009年4月2日 このライトノベルがすごい?料理屋『世界』の店員モトコの姪・伊藤綾子が行方不明になった。学校でも噂されていた連続行方不明事件に関係しているらしい。モトコに頼まれた高山桜子は綾子の写真をもとに情報を集めようとするが、手掛かりはまったく掴めない。一方、数日後にひかえた桜子の誕生日用にと、浅子悟郎はプレゼントを探していた。そして老舗の人形店『モクシン堂』で一体のアンティーク人形を見つける。実は綾子の行方不明事件に、この『モクシン堂』が深く関わりを持っていたのだ。そのことに一人気づいた桜子が取った行動とは…!?期待の学園ライト・ミステリー第2弾。
前作より洗練されてきた。今回は、桜子がアルバイトをしている料理屋に勤めるモトコさんんお姪が行方不明になる。依頼を受けた桜子が調査するのだが、自分まで怪異事件に巻き込まれてしまう。
一方、同級生の浅子悟郎は「モクシン堂」でアンティーク・ドールを買うのだが、後でこの人形屋が深く関わってくる。真相はなかなか見えてこないのだが、人形が出てくる時点で予想がついてしまった。行方不明事件、人形屋とくれば、答えは……。
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桜色BUMP シンメトリーの獣
2009年4月2日 このライトノベルがすごい?アンティーク店『不思議屋』の主人が不可解な死を遂げた。死体は原形をとどめぬまでにずたずたにされており、血の海の中に放置されていたという。死体の損傷は刃物などで切り裂いたものではなく、大型の肉食獣の仕業ではないかと警察は結論づけた。さらにその数日後、主人公・高山桜子が通う高校でも同様の惨殺体が発見される。泳法部の部室で女性部員が殺されていたのだ。桜子は、悪友の浅子悟郎とともに、この連続殺人事件の謎を究明することになる。しかし犯人として浮上したのは、思いもよらない人物だった!期待の新人が贈る新感覚ミステリー。
すっかり吸血着物だと勘違い。全然それらしき敵が出てこないのでおかしいと思い、題名を見て気がつく。ヴァンプじゃなくてバンプじゃないか。Orz
主人公の桜子(表紙)がちびっこいのでロリな感じだけど、設定はちゃんと女子高生。「新感覚ミステリー」というキャッチの通り、殺人事件が発生するのだが、警察や探偵に解ける類のものではないのがアンフェア。つまり、通常のミステリーを期待してはいけない。ファンタジーとホラーを足して割ったような感じか。
桜子が住む町に、「不思議屋」という妙なアンティークを売る店があるのだが、その店主が殺されてしまう。その無残な死体は、大型の肉食獣によって食い荒らされたような形状で、通常の事件とは異なっていた。単にシンメトリーの獣なる存在が犯人? なのかと思いきや、最後にもうひと捻り。
すでにどこかで使われている素材ばかりなので、目新しさは何も無いのだが、新人にしては実力あると思う。
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巫女さん入門 初級編
2009年4月1日 読書東京・秋葉原の氏神様である神田明神で毎年夏に開かれ、巫女に興味のある女の子から、娘に日本文化を知ってもらいたい親まで、広い人気を誇る「巫女さん入門講座」を完全書籍化。巫女の仕事、礼儀作法、神道の基礎知識、巫女へのインタビューなどを、かわいいイラストを見ながら楽しく学べます! 本書で、マンガやゲームでは分からない、正しい巫女の知識を身につけましょう!!
またしてもアキバ系統の萌えブームに便乗しただけの商品が出てきたと思ったら、本格的に巫女入門だった。最近の、なんちゃってコスプレ巫女にショックを受けて、神田明神が監修したというもの。
この神田明神というのは、萌えに乗っかろうという誰かさんのPNではなく、江戸総鎮守として関東を護って来た由緒正しき神社なのである。ちなみに、大黒、恵比寿、平将門が祀られているらしい。そんな訳で、着付けからお辞儀の仕方から歩き方、捧げ物の持ち方、手水や玉串の作法など、非常に硬くて真面目な内容。なので、単に巫女萌えなだけの人が買うと……。
ちなみに、若い未婚女性じゃないとなれませぬ。髪も結うので長くないと駄目。そして、黒髪じゃないと駄目っぽい。そこらにいる茶髪の小汚いギャルとかは、きっと不採用。意外に激務で、体力がないと続かない。巫女舞も踊らないと駄目だし、土日は結婚式が入るので休めない。
つまり、今や絶滅寸前の大和撫子風黒髪乙女じゃないとなれないので、よくテレビに出てくるようなチャラチャラした汚い奴らでは絶対無理! なんとなく巫女装束にばかり目がいってしまう訳だが、ちゃんと中身も伴わないと巫女にはなれないので、秋葉原を歩いている偽者とは全く別次元。礼儀作法とかもきちっとしていそうだし、宝塚女優と同じくらい価値があるのではなかろうか。
まあ、私は神も仏も信じてはいないし、例え存在したとしても、無力或いは邪魔ばかりして来る奴らは敵でしか無いので、単に巫女に癒されただけで終わったのだが(汗)。
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熱死戦線ビットウォーズ
2009年4月1日 このライトノベルがすごい?私立誠鵠館高校の三年生上沢鏡一は、夕暮れの公園で一心にフルートを奏でる美しい少女、美環と出会った。その時、少女の前に黒いレザーの上下を着た男が現れ、二人は一瞬の閃光の後『変身』していた。鏡一は偶然にも、地球の存亡をかけた「ビット」たちの闘いに巻き込まれてしまったのだ。空間や物質のエネルギーを、精神の力で切り取り変換させる能力を持った者たち―彼ら「ビット」たちの闘いに巻き込まれた鏡一は、自らの「ビット」能力に目覚めた。彼は愛する者のため、自らも闘うことを決意する。
謎の美少女が戦う場面に遭遇してしまった少年が、妙な能力に目覚めてしまい、訳も分からないまま巻き込まれていくという王道パターン。標的として選ばれた者は、狩人となった敵と否応なく戦わされる事に。
それにしても、カメラやフルートと合体して敵と戦うという部分が、昭和の香りがプンプン漂う古い特撮ヒーロー物みたいで笑える。絵も古臭いし。まあ、書かれたのもそれなりに昔なんだけど。
音や光や文字で戦うという発想は面白いけど、やはりデビュー作だからか、文章が荒くて硬すぎるんだよなぁ。宇宙の真実にはサプライズが用意されていたけど、世界はこの後、どうなるのだろうか?
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レイチェルと魔導師の誓い
2009年3月31日 ファンタジー特集あふれくる魔法に、地球の子どもたちは覚醒した。大魔女の星ウールでは暗黒の獣グリダが目覚め、子どもたちと魔法対決を始める。そして、魔導師の星オリンフェンの隠された真実とは? 壮大なファンタジー完結編。
レイチェル第三弾で、これが完結編。魔女達を撃退したレイチェル達だったが、放たれた暗黒の獣グリダを支配出来る者がいなくなったため、ウールでは魔女達が壊滅、今度はグリダを統率するガルトラサッカにより、再び地球が危機に陥る。
不思議な力を持つイェミが連れ去られ、レイチェルと弟のエリックまでが囚われてしまう。ガルトラサッカは地球と魔導師の星オリンフェンを攻撃するためにグリダ軍団を差し向ける。
気持ち悪い生物や、風や雪みたいなので出来ている生物など、いろいろ出て来るのだが、描写不足で形態をイメージし難い。でも、これより後に書かれたシルバー・チャイルドよりは面白かった。
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レイチェルと魔法の匂い
2009年3月31日 ファンタジー特集ますます強大な魔力を身につけるレイチェルを倒すため、遠い星から地球にきた魔女軍団との戦いが始まる。魔法の匂いが世界に満ちるとき、一体何が起こるのか。レイチェルのファンタスティック・アドベンチャー第2巻。
レイチェル第二弾。今回は地球が危機に陥る。敗れたドラグウェナの魂は、消えうせる前に祖国ウールへと舞い戻る。そこにいるのは魔女達を統べる大魔女ヒーブラ。ドラグウェナの母であった。ドラグウェナの妹カレンを含む五人の魔女は地球へと向かう。それだけではなく、魔術師達を他の星へおびき出すために、地下に封じ込められていた暗黒の獣グリダまで解放してしまう。
倒したら親が出てくる部分、ドラゴンボールでフリーザ倒したらコルド大王が出てきたシーンを思い出した(笑)。コルド大王みたいに簡単には倒せませんが。
地球には魔法に目覚めた子供達がいるとはいえ、相手は前回よりも強力で、しかも単体ではない。さらには、魔法を使える子をさらって、無理やり駒として鍛える。魔法に目覚めたハイキという少女が敵方となり、レイチェルに襲い掛かる。
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レイチェルと滅びの呪文
2009年3月30日 ファンタジー特集降る雪さえ黒い、暗黒の星イスレア。ここでは邪な魔法がすべてを支配する。魔女がつくりだした邪悪な生きもの、さらわれてきた子どもの奴隷たち、あらゆるものにこめられた呪文…。はたしてレイチェルは、この星を救う伝説の「希望の子」なのか?異世界を舞台に、少女の冒険を壮大に描くファンタスティック・アドベンチャー。三部作の第一弾。
これより後に書かれた「シルバーチャイルド」がいまいちだったので、ちょっと様子見状態だったのだが、こっちのほうが随分と面白いじゃないか。
ある日、レイチェルは弟と共に壁の中から現れた何かに襲われ、別の星へと攫われてしまう。そこは恐ろしい魔女の女王が支配する、雪に閉ざされた世界イスレアだった。かつて地球で暴れまわった魔女ドラグゥエナは、ラープスケンジャに敗れイスレアに封印されたのだが、次第に力を取り戻して子供達を攫っていた。攫われた子は醜い生き物に変えられ、役立たずは捨てられ、飽きると殺されて行った。
そんな地獄のような世界で、レイチェルは伝説の“希望の子”とされ、戦いが始まる。普通の子だったのに、イスレアに来たらいきなり魔女に対抗出来る天才魔法少女に変化、ちょっとご都合主義。
ドラグウェナは魔女の星から地球へやって来て敗れ、イスレアに追放されたのだが、この設定だと、魔女はエイリアンって事か!? ファンタジーなのに、ちょっとSF入ってるなぁ。この魔女がかなり気色悪いのだが、「魔女の出てくるお話がいいな。すごく不気味な魔女。むちゃくちゃ気味が悪くて意地悪な魔女よ」という娘のリクエストに答えたためらしい。
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陸奥国折笠藩の水ノ目山で、ハヤテは、行き倒れた若き藩主・三代川正春を助けた。狼の尾ナシも加わって、2人と1匹に次々と降りかかる事件、また事件。さわやかな青春痛快時代小説の旗手が贈る冒険譚。
陸奥国折笠藩のお家騒動。若き藩主と、自分の子を藩主にしようと暗躍する前藩主の妾の対決。この藩主がお人好しすぎで、敵を徹底して排除してしまわないので、何度も何度も命を狙われる羽目に。最初に殺されかけたのはある山の中。倒れた三代川正春は野生児ハヤテ、一匹狼の尾ナシと出会う。
それにしても米村ワールド、これも他作品と微妙に繋がってますな。
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東京に今年三度目の雪が降った夜、長女の艶子は出て行った。意味不明の小さなメモを残して。四姉妹の語りと日記から浮かび上がってくる、それぞれの息苦しさと生きにくさ。第4回新潮エンターテインメント大賞受賞作。
四人姉妹のうち、姉が意味不明の書き置きをして行方不明になるのだが、その後に何か事件が起こるでもなく、淡々としたまま物語が続く。他の妹達も、それぞれが微妙な悩みを抱えていたりはするのだが、これがまた「両親が自分を理解してくれない」みたいな感じの疎外感に過ぎず、人生舐めてるんじゃないかと思いたくなる設定で終わっている。もっと波乱万丈な痛ましい事件に巻き込まれて、それがトラウマとなっているとかなら納得も出来るのだが、その程度のズレならば、どんな家族にだってあるだろうという程度。
話し言葉をそのまま文章にした感じの悪文が多い。洗練された文章でもないのだから、もっと読みやすくすれば良いのに、ダラダラと一文が長くて疲れる。文芸部所属の女子高生が一生懸命書いてみましたという感じの文章だった。
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週刊ファミ通で好評連載中の同名作品の単行本第1巻。ゲームの事をほとんど知らない作者が、少しずつ現代のゲーム世界に馴染んでいく姿を描いている。作者はみずしな孝之氏。
近場の古本屋で安かったからゲットしたのだけど、みずしな孝之が初手から弾けすぎで笑える。フルカラーなので得した気にもなる。単に気分の問題だけど。
ある日、ファミ通編集部の石井ひろゆきが、ゲームをネタにしたマンガを描くという企画を持ってくる。しかし、みずしな孝之はゲームに関して素人同然の状況だった……。この時点で止めなかった石井も凄いが、仕事を請けてしまうみずしなも笑える。同じ孝之でも、どこかのヘタレとは違うな。
かくして連載がスタートするのだが、ゲームなんてやってない人なので、用意された本体を又貸ししたり、ソフトをいきなり売り払ったり。ネタだよね? 本当だったら、鬼すぎる。
しかし、周囲の編集やメーカー社員に洗脳され、だんだんゲーマーになって行くのが笑える。DDRに嵌り、ドラムを叩きまくり、トゥーハートまでやらされてしまう。夏の熱気に負けてテレビが爆発するところは笑った。
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怒濤のように突っ走るバイオの最先端で、いま何が起こっているのか。「Web現代」連載時より話題騒然のノンフィクションが、大幅な加筆・修正を経て、新書で登場。ゲノム研究の最先端を斬る、衝撃のリポート! 金髪、ブルーの瞳、背が高く頭もいい……望どおりの子供がオーダーメイドで手に入る!?ゲノム解読が終了し、ますます高度化する遺伝子や細胞の操作技術は、ついに人体の改変を可能にしつつある。遺伝子導入、異種移植、臓器創出、再生工学、万能細胞、クローン人間……、続々と現実化する技術はいったいどこまで進展するのか。それらをどこまで使うのか、私たち1人1人の決断が、人類の未来を左右する。
遺伝子改変により、かなりいろいろな事が出来るようになって来た。しかし、科学が進歩すれば、そこには必ず光と影があるもの。治らなかった病気に対する療法が出てくるのは良い事だが、保険会社による選別、社会による優生学的な選別、遺伝子改変による格差社会という影の部分も孕んでいるという事は認識しておかなければならないだろう。
欧米とは異なり、日本で出生前診断が普及していない部分については疑問。遺伝子の欠陥を持って生まれてしまった人を差別する気は無いけれども、五体満足で高学歴な人すら、少し転んだらもう復活戦が絶望的なこの日本において、産まれる前からハンディを持つという事が、どれだけ大変かという事を考えたら、自分なら障害のある子供は持てない。経済的にも耐えられないし。「出生前診断はするな、その代わり、ハンディを持っていた場合は社会として、国家として責任を持つ」というのならば話は分かるけど。結局、何かあった場合は個人ですべて背負わされる訳だから。
今はまだ、負け組に産まれても個人の凄まじいまでの努力で何とかなりそうな社会であるけれども、今後は遺伝子改変技術が進んで、遺伝子貴族みたいな奴らが支配する世界になるんだろうなぁ。基本性能が違いすぎたら、絶対とは言わないまでも、ほぼ勝てなくなるだろうし。平等じゃないからと禁止しても、人類という愚かな種族は、手にしたものは必ず使いたがるという性質を持っているのだから……。
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