もしもし、運命の人ですか。
2009年3月5日 読書間違いない。とうとう出会うことができた。運命の人だ。黙々と働く昼も、ひとりで菓子パンをかじる夜も、考えるのは恋のこと。あのときああ言っていたら…今度はこうしよう…延々とシミュレートし続けた果てに、「私の天使」は現れるのか。
この人のトボケ具合というか、中年の脳内妄想がやや暴走気味な部分が最高である。1人で勝手に舞い上がったり、裏読みしすぎたりと、そのズレた感覚が素晴らしい。人生崖っぷちまで逝きそうな駄目っぽい男が読めば、上手くシンクロするのではなかろうか。
しかし、これを書いている本人は、駄目なフリをしているだけで、狙っているんだろうしなぁ。天然に見えて実は狙っているのかと思うと、ちょっと興醒めしそうになる。
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にゃんコン!―ネコ耳ナース?キツネ巫女?
2009年3月5日 ???「もっと可愛がってほしいニャン」「静華だってガマンできないコン」ほっぺをスリスリさせて甘える幼なじみ・真由と、巫女衣装をはだけて淫らに挿入をせがむ憧れの上級生・静華。強気な彼女と清楚な彼女が、ネコ耳、キツネ耳に変身したら…
狐の霊に憑依されてしまった学校の先輩で神社の娘と、猫の霊に憑依されてしまった幼なじみの同級生。親が獣医として開業している主人公少年の元へやって来て、Wナース状態。その後は、巫女(本物)と、メイド(これはコスプレ)に。これがギャルゲーとかエロゲーなら、どちらかのフラグしか立てられないところ、ご都合主義で最初から最後まで両手に花状態。
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消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎 (講談社ブルーバックス1174)
2009年3月4日 読書本書は、“粒子と反粒子が実は完全に対等な存在ではない”ことを示すこの現象に、一般書としては初めて核心をつく解説を与え、それが宇宙の物質優位の問題にどうつながっていくかを平易明快に語るものである。
なんか人気が出ていると思ったら、ノーベル賞を受賞した人か。ミーハー的な気分で借りてきたのではなくて、反物質について知りたかっただけなので、これはたまたま。
それにしても、内容がちっとも平易ではない件! ブルーバックスにしては、かなり数式が多くて、これは数学的素養が無いと、何を書いてあるのかよく理解出来ないのではなかろうか……。うーむ、内容が専門書クオリティですが。
とりあえず、数学が鬼門の私にはもうお手上げOrz
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気ままな大学生と、強気な年上の女。かつての無邪気な恋人たちは、気づけばそれぞれに、取り返しのつかない喪失の中にいた。すべてを失い、行き場をなくした二人が見つけた、ふるえるような愛。生きること、愛することの、激しい痛み。そして官能的なまでの喜び―。絶望の果てに響く、愛しい愚か者たちの声を鮮烈に描き出す、待望の恋愛長篇。
まさしく題名そのもの、主人公は「ばかもの」だった。この作家も、どうでも良い感じでちょっと下品な小説が多いけど、これは絲山秋子の中では力作。
主人公は年上の女に捕まって、遊ばれた挙句に結婚するからという理由で公園で縛られてしまい、恥ずかしい格好で放置プレイ。その後、大学の女友達がディトレーダーから宗教にはまって危ない方向へ行ってしまったり、ご都合主義的にモテ期に入ったり、友人の婚約者の友達が美人で、付き合う事になったりと、人生ウハウハ状態。
それなのに、アル中になって、会社を休み続けて自主退職、記憶が飛んでいる間に暴力を振るいまくって美人な彼女にも愛想を尽かされ、家族にも疎ましがられ、友人は失い、自分で勝手に堕ちていく。
もう、完璧に同情の余地無し! こういうヘタレ人間なうんこ野郎はアルコールで死ねば良いと思う。何ら落ち度が無いのに、地獄のような人生を送っている人に謝れ! この主人公は全然不幸じゃない。勝手に自分で転んでいるだけだ。かなりムカツクから本当の不幸を味わってもらいたいところである。
結局、放置プレイで去って行った年上の女と再会するのだが、相手も不幸な人生に転落しており、なんだかやるせない。主人公は100%自分が悪いのだけど、年上女は事故だからね。
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瞬撃のヴァルキリィ
2009年3月2日 このライトノベルがすごい?『戦後』と呼ばれる時代―。荒れ果て、秩序が崩壊した街に、一人の少女が降りたつ。彼女の名はコルセスカ。“ある野望”を胸に格闘トーナメントに飛入り参加し、優勝“賞品”である亡国の王女に「必ず救う」と宣言する。改造と訓練による常人離れした体と戦闘技術を駆使し勝ち上がる彼女に、戦う意味を問われた女戦士ルシアは、激しいライバル心を燃やし始める。一方、試合裏では邪悪な陰謀が蠢いており―!?少女は、狂気と絶望の荒野を駆け抜ける。
世界大戦後、秩序が崩壊して北斗の拳一歩手前な感じの、暴力だらけの退廃した世界が物語の舞台となる。一応、政府は存在するのだが、どこもかしこも狂っていて、日本は分断されて、多分北側は共産圏、そして主人公がいるのは、全体主義化した悪夢のような南側。隣の半島も、王政になった挙句、国ごと滅ぼされて、亡国の姫は奴隷として格闘トーナメントの優勝賞品に。
ただの小娘かと思いきや、実は生態兵器の秘密を握っており、それを狙った各組織が暗躍する。主人公の山猫娘コルセスカもその1人で、動物と遺伝子を配合した改造人間である。
単に敵味方だけではない、複雑な組織関係と、妙にマニアックな戦闘シーンが物語に深みを与えているが、単発なのにジャンプマンガの最終回みたいなラストだから、ちょっと脱力。ライバルが百合属性で、少し花園(笑)。
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戦争を始めるのは誰か(講談社現代新書1184)
2009年3月1日 読書戦争権限は大統領にあるのか、議会にあるのか。湾岸戦争を目前に控え、議会は動き出す。もはや共和党も民主党もない。戦争か否かの1票を自らの良心に従い、投じるのだ。
少し古いので、具体的な事例が湾岸戦争までしか入っていないけど、ブッシュ親子みたいな戦争好きのキティ達が戦争を始めるんだろ? というような短絡的内容ではなくて、アメリカの成り立ちから独立戦争から、他国へ難癖ふっかけての領土拡大、南北戦争という内戦、そして世界大戦まで、この国がどうやって戦争を始めたのかを確認していく。
かなり強引な手法で、帝国主義的な力技も混じっているけれども、暴走しがちな大統領と、民主主義的な手続きに拘る議会のせめぎ合いもあり、少し間違えばただの全体主義になりそうなところ、必死で民主主義を守ろうとするこのバランス感覚はやはり見事だと感心する。戦争に反対する議員も堂々としており、どこかの島国みたいに非国民扱いされたりはしない。戦争が始まれば、自分達は安全なところで小市民ばかり死地へ追いやるどこかの島国とも違い、公約を掲げて議会を休み、戦地へ赴く者も多い。
それにしても、湾岸戦争に関しては、やはり納得が行かない部分が残る。ユダヤ系議員は、かつてファシズムに対抗しなかったからナチや日本の増長を産んだかのように発言し、フセインを叩く事を正当化しているが、クウェートを占領したフセインが悪ならば、パレスチナを占領するイスラエルも同罪なのではないのか? イラクだけでなく、パレスチナを占領するイスラエルや、北部アイルランドを占領するイギリス、チベットを占領する中華人民共和国も空爆しなければ話がおかしいと思うぞ。本当にユダヤ人は自分の痛みにだけ敏感で嫌らしい。
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M:i:III ミッション:インポッシブル3
2009年3月1日 映画第一線からしりぞき、諜報機関IMFの教官になったイーサン・ハント。だが、教え子のピンチをきっかけに、彼は現役復帰を決意する。強大な敵オーウェンが狙う"ラビットフット"の正体を探るIMFのメンバーたち。しかし、イーサンの婚約者ジュリアが誘拐されてしまい…。
TVでやっていたので観た。
期待通りのジェットコースター・ムービー。なのに、一作目のようなドキドキ感が足りないのは何故だろう……。映像としては申し分無いのだけど、人物描写が描き足りないのか?
オープニングから、敵に捕えられて夫婦で殺されかけているイーサン・ハント。そこから時系列巻き戻してのアクション・シーン。身内にいる裏切り者は、見事なミスリードにより、本当の敵を見えにくくしている。まあ、明らかに怪しい人が、スバリ正解で、よく考えたら判ってしまうけどさ……。日本と違うから、無能は出世して上司になんてなれないでしょう。
敵が、いかにもって感じの悪役なのに、あまり目立たないのは惜しい。直接対峙する相手だけでなく、他にもテロリストや何かがゴロゴロいるっぽいけど、やはり、星条旗のためならば何しても良いといったスーパーマンのジャイアニズムが肌に合わない。
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3700万ヒットの大人気HP『絵日記でもかいてみようか』の単行本化!! 超キュートなイラストと、「美容」「ダイエット」「家事グッズ」などのお役立ち情報が満載! 楽しみながら気軽に読めるオススメの一冊です。読み終わったころには、あなたも素敵な「マリナーゼ」になれるかも!!
最初から最後までずっとバカップル状態なのが笑える。単なるバカップルじゃなくて、結婚してるけど。しかし、夫のほうからもラブラブ攻撃な訳ではなくて、奥さまのほうからくっついたりひっついたり張り付いたり抱きついたりで、旦那はテレビの邪魔されたり、ゲームの邪魔されたり、寝てるところに乗っかられて魘されたりなのが笑える。
それにしても、幸せそうで素晴らしい。あえてバカップル丸出し状態っぽく書いて笑いを取るから、「あんた達だけ幸せになるんじゃないわよキーーーッ」みたいな、終わってる人々の怨霊にも襲われにくいんだろうな(笑)。
まあ、私にとって幸せな話は単なる都市伝説かファンタジーですが。
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神様と会うためのアフリカ・セネガル紀行! 自分はどんな人間だかわからなくなる、なぜ私はここにいなければならないのか? きわめて文学的なこの問いに答えるために、神様ドゥドゥに会うための魂の旅。
小説ではなくて、セネガルに滞在する紀行文。それにしても、小説も紀行文も地が一緒じゃないか。という事は、小説も作らず飾らず素のままで書いているだけか? 作らない飾らない想像と、作らない飾らない現実では、現実のほうがはるかに面白い。
セネガルという日本には馴染みの薄い場所なのに、その光景が生々しく感じられる。現実世界なのに、うんこネタが入っていたりして、やっぱりこの人、排泄趣味持っているんじゃないかと疑念が湧くのだが、美少女作家じゃなくて絲山秋子だから、単に汚いだけの話にしか思えない件。
それにしても、セネガルの文化に突撃かけていく絲山のほうが偉くて、一般的に偉いとされる外交官婦人とかが糞にしか思えないのは一体!? どこに行っても日本人のエリートは糞野郎ばかりで反吐が出る。
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宇宙の予備知識がまったくない人にも宇宙の神秘、宇宙の不思議さ、宇宙の面白さを感じてもらい、人類の宇宙への営みをともに味わってもらおうと思ってこの本を書いた。内容も宇宙とは特に縁のない一般の人々からの素朴な質問に対する回答をもとに構成している。
宇宙についての基本的な事を、平易な文章と内容で分かりやすく書いている。本当に基本的な部分だけなので、すでに様々な媒体で知識を得ている人には物足りないかもしれないが、小学生や中学生くらいで、まだあまり分かってない段階なら、かなり有用なのではないだろうか。短いからすぐ読めるし。
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寛政元年八月、桔梗(老中・松平定信の妹、白菊姫)は、館山藩の礼姫から譲り受け、脇差の下げ緒に結んでいた白い珠が、青白い光を放ち、『孝』という文字を浮かび上がらせるのを見た。折も折、館山藩主・稲葉正武に不穏な動きがあるとの情報を伝え聞いていた定信は、その内偵を「紅無威おとめ組」に託す。すぐさま桔梗は、仲間の萩乃、小蝶とともに一路、館山へと向かうが、なぜかその一行に滝沢左七郎(のちの滝沢馬琴)なる冴えない戯作者の卵が付き従うことに…。「紅無威おとめ組」が館山で目にしたものとは―?白珠が奇っ怪な文字と光を発した理由に辿りついた時、三人娘の運命をも左右する空前絶後の闘いが始まった…。全く新しい女傑たちが巻き起こす大スペクタクル。時代小説の常識を覆す、大江戸チャーリーズエンジェル第2弾。
紅無威おとめ組の第二弾なので、先に「かるわざ小蝶」を読んでおいたほうが良い。今回は里見八犬伝絡みで、有名なあの作家も登場する。田沼派に属する家の礼姫が危機に陥り、それを救おうと紅無威おとめ組が活躍する。
他の作品と違って、かなり超能力戦争な感じで、妖怪みたいな力を持った敵が出てくる。そして、黒幕はまたしても……。孤児だった小蝶の正体も明らかとなり、ついでに白菊の正体まで小蝶にバレてとんでもない事に!
最後がすっきりした終わり方ではないので、このまま第三弾へと続くのだろう。
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ターミナル・エクスペリメント
2009年2月23日 長門有希の100冊医学博士のホブスンは、死にかけた老女の脳波の測定中に、人間の「魂」とおぼしき小さな電気フィールドが脳から抜け出てゆくのを発見した。魂の正体を探りたいホブスンは自分の脳をスキャンし、自らの精神の複製を三通り、コンピュータの中に作りだした。ところが現実に、この三つの複製のうちどれかの仕業としか思えない殺人が次々に…果たして犯人はどの「ホブスン」なのか?1995年度ネビュラ賞に輝く衝撃の話題作。
長門有希の9冊目
長門有希の100冊No.19
死の瞬間を正確に捉えようと開発した機械で発見したものは、魂波だった! 臨死体験絡みだから、普通は死後の世界が舞台になるのかと思ったら全然違った。
自分を複製したプログラムが事件を起こして人が死ぬ。それを調べ始めた警官も重傷となり、冒頭は、この死にかけのシーンから始まる。ヴァーチャル・ウォーズみたいな感じにもなっていて、面白いのだけれども、期待していた内容とは違った。
個人的には宇宙人を裁判にかけるやつのほうがハマった。
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広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
2009年2月22日 読書宇宙がエイリアンだらけならみんなどこにいるの?20世紀を代表する物理学者フェルミが提出したこのパラドックスを解決するために、宇宙論、物理学、生物学、数学、確率論から社会学、SF的想像力までを総動員し、宇宙と生命の謎へと挑む極上のサイエンス・エンタテイメント。
宇宙はこんなに広いのに、何で地球人以外が見つからないのか。様々な理由を真面目に考えてみた本。実はもう来ていてハンガリー人だと名乗っている、というようなギャグも若干混じっているけど。
それにしても、地球人視点というか、我侭というか、ジコチューというか、自分達を中心に据えた身勝手な理由が結構ありますな。いたら来ている筈だ、とか……。じゃあ、地球の歴史を一年に例えたやつを使ってみて、大晦日の23時59分に自分の家にハンガリー人が遊びに来なかったら、ハンガリー人は存在しないのか? ごく最近来なかったら、宇宙人が来てもそれと認識する事が出来ないだろうに。たった数千年早いだけで、きっと神扱いされますからね。
宇宙人が出した電波等が見つからないから存在しない説とかも、ひょっとしたらそんな旧式のテクノロジーを使っていないだけかもしれないし。例えば、インターネットやっている人が、わざわざ伝書鳩を飛ばそうとか思わないでしょ!? 光速以下でなんか通信してられないし、ハイパーカムとかアンシブルみたいな物を使っている可能性は考えなくても良いのか?
どこかにいたら、全銀河を殖民地にしている説も考え方がおかしいし。地球においても、移動速度と同じ速さで殖民した例なんて無いし。だいたい、地球ですら、まだ一度も地球圏全土を掌握した帝国が出現していないじゃないか。ある程度拡大しても、停滞したり内乱で分裂したりするから、二千億星系全部を支配するのはなかなか難しいんじゃないのか?
銀河系だけで二千億以上の星があり、さらに銀河系が数千億あるというのに、地球人以外存在しない説のほうが、有り得ない考えだと思えてくるのだが。いない説を主張する人が後世の人間に、天動説を信じていた奴らや大陸移動説を馬鹿にしていた奴らと同じくらい馬鹿にされる事を期待する。
これ、宇宙人視点に変えたら面白いよね。「地球人が存在するなら我々の星へ来ているはずだ。来ていないので地球人は存在しない」とかさぁ(笑)。
だいたい、もう地球にも来てるじゃん。こりん星人とか。
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あの人にも黄泉がえってほしい―。熊本で起きた不思議な現象。老いも若きも、子供も大人も、死んだ当時そのままの姿で生き返る。間違いなく本人なのだが、しかしどこか微妙に違和感が。喜びながらも戸惑う家族、友人。混乱する行政。そして“黄泉がえった”当の本人もまた新たな悩みを抱え…。彼らに安息の地はあるのか、迫るカウントダウン。「泣けるリアルホラー」、一大巨編。
限定された地域内で、次々と死者が戻ってくるという超常現象。題名を見る限りではホラーとしか思えないのだが、映画の予告編を見て、怖い話ではないと判る。しかし、映画化の影響で常時貸出中となってしまい、なかなか借りられなくなってしまった。
ようやく読んだ。ボリュームあるので疲れた。死者が蘇る理由には、ある存在が関与しているのだが、ホラーでも神がかり的なものでもない。ゆるゆるではあるが、分類するならSFが近いか。正統派SFには程遠いけれども。
随所にご都合主義な展開がありまくりで、このゆるい感じは、やはりカジシンらしい。実際のところ、生きている人間から見れば、死者の復活に他ならないのだが、これは黄泉がえりとは違うよなぁ。別の何かが、復活した「私」だと思い込んでいる状態だし。
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あの時、目覚まし時計さえ買いに行かなければ…。コドモノクニへ転校してきたトシオを待ち受けていたもの、それはいったい何か? ボディーブローのように効くふきつなユーモアにのせて描かれる、子どものリアル。
背は小さいのに、やたらと大人臭いトシオが転校してくる。小学五年生なのだが、もっと小さい子にしか思えない。トシオはハルニワ、コウタロウと一緒に遊び始めるのだが、どことなく距離感がある。
そのうち、トシオが自分は本当は大人で、呪いをかけられて子供になってしまったと打ち明ける。一緒に住んでいるTJという女性は母ではなくて彼女だと言うのだが、嘘だと思ったハルニワが距離を置きはじめ、靴を隠すなどのイジメが始まってしまう。
しかし、大人の行動で、ちっとも挫けないトシオ。ある日、ランドセルを隠した教室で、三人揃って異形の何かがいる変な空間に閉じ込められてしまう。そこは、呪われた人が呪い返しをする場所だったのだが、トシオは自分を呪った相手に呪い返しをしようとしない。
結局、トシオは大人だったのか、謎。異形が出てきたから大人だったのかもしれないけど、大人のふりをしている変な子供の可能性も残されているし、どっちが正解なんだ? 最後まで読んでもスッキリしない、変な話だった。
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二之浦ゆり子は青年医師・里見に誘われ、瀬戸内海の小島巡りに同行するが、その際、ひとつの無人島を目にしたことで、過去の悪夢が甦る。彼女は十五年前誘拐され、その島に放置されたことがあるのだ。里見と交際を始めたゆり子は、彼とともに過去の謎と向き合う決意を固めるが、浮かび上がってきたのは驚愕の真実だった。『症例A』の著者が贈る、ドラマとトリックが融合した傑作。
第106回直木賞候補作。
名前がこれだから、宝島みたいな系統の、離島を廻る冒険譚だとばかり思っていたら、全然違った。
子供の頃、何者かに誘拐され、無人島に置き去りにされた事のある女性が主人公。大人になってからも都会には出ず、実家がある瀬戸内海にある島に住んでいるのだが、そこへ青年医師が赴任して来る。強引な感じで近づいてくる医者相手に、アッサリと恋愛モードに突入。
小さな島を舞台にした恋愛小説なのかと思いきや、過去の事件が絡んできて、物語は思わぬ方向へと転がって行く。ラストは真実が明かされて、苦い結末へ。
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危険を避け、できるだけ頑張らずにすむ道を吟味し、最小の力で人生を歩んできた高橋青年。彼の運命を変えたのは、入社した「銀河不動産」だった。奇妙な「館」、衝撃の連続。究極の森エンターテインメント。
題名がこれだから、星々を駆け巡り、宇宙コロニーやテラフォーミングした惑星の不動産を売りまくるSFなのかと思ったら、全然違った。銀河系とは関係なくて、単なる不動産屋の名前にすぎなかった。
就職が上手く行かなくて、毎年募集が来ているのに、誰も就職しない怪しげな不動産会社で働く事になった青年の物語。変わった客の相手をするうち、様々な美味しい目にあうという、おむすびころりんわらしべ長者で交換はしない感じのハイパーご都合主義。
担当する事になった最初の客に広い間取りの物件を紹介したところ、買い取るから貴方が住みなさいと言われてしまい、今まで住んでいた場所と同じ家賃5万円で、異様に広い部屋に住む事に。
さらには、音楽家、芸術家と紹介して行くうちに、一時的に一緒に住む羽目になったり、いろんな物を貰う事に。室内遊園地を作るような怪しげなおじさんの斡旋をした後は、娘を嫁に貰ってくれと言われ、美女が部屋に転がり込んでくるという何でもあり状態。
最終章だけは評判が悪い。さすがに、ここまで至れり尽くせりのハイパーご都合主義にしなくても良かったんじゃないかと思う。いくらなんでもやりすぎだ。これで文章力が伴わなければ、都合良く幸せが舞い込んで来る事を夢想しているニートのゆとり脳内妄想と同レベル。
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全3巻完結。
バイクに乗っていて事故に遭う夢を見てから一週間後、風夫は島を出る事になる。隔離された島にある施設で育ち、他の世界を知らない風夫は、会ったこともない両親と都会で暮らす事に。
島で一緒に育った泳子の事が忘れられない風夫は、彼女にそっくりな少女と出会ってしまう。邪魔をする謎の男、突然現れて風夫につきまとう美少女転校生。次第に、もう一人の自分の存在に気づいていくのだが……。
絵はとても綺麗だし、登場人物も可愛いのだけど、SFとしては先が読めてしまうだけに、ちょっと退屈。
バイクに乗っていて事故に遭う夢を見てから一週間後、風夫は島を出る事になる。隔離された島にある施設で育ち、他の世界を知らない風夫は、会ったこともない両親と都会で暮らす事に。
島で一緒に育った泳子の事が忘れられない風夫は、彼女にそっくりな少女と出会ってしまう。邪魔をする謎の男、突然現れて風夫につきまとう美少女転校生。次第に、もう一人の自分の存在に気づいていくのだが……。
絵はとても綺麗だし、登場人物も可愛いのだけど、SFとしては先が読めてしまうだけに、ちょっと退屈。
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