2008年12月22日 読書

「宇宙の帝王」を名乗るモドキングは、地球侵略を宣言してきた。だが、巨大怪獣を使った第1次作戦は、巨大宇宙人・ウーターマンが撃破!改造人間を尖兵とした第2次作戦は、変身ヒーロー・仮名ライダーが駆逐!戦闘ロボットを送り込んだ第3次作戦は、搭乗型ロボ・カガクゴーが粉砕!侵略者は3連敗し、地球には平和が戻った。…と思ったら大間違い。かつてなく本格的な“自然の脅威”作戦が開始されたのだ!連中、今度は本気だ!猫柳田博士の命令一下、迎え撃つのはわれらが3大(馬鹿)ヒーロー。愛と友情と嫉妬にまみれた空想科学の総力戦が始まろうとしている―。

続きが気になっていたところ、なぜか4巻だけが図書館にあったので借りてきた。今回は総力戦。母に結婚させられそうになったズキンちゃんが、正義のヒーローを落とすために地球を狙う。人間型に見えるのだが、ズキンちゃんもエイリアンだったのか。

今回はヒーロー達が非科学的で、モドキング側は自然の驚異を武器に科学的な方法で戦う事に。モドキングとパッチーがお馬鹿な理由で負傷してしまったので、指揮するのはズキンちゃん。モドキングとパッチーは馬鹿だけど、ズキンちゃんは優秀なので地球が危機に陥る。

ラスト付近、ズキンを狙う謎の男? が宇宙から飛来したところで話が終わってしまう。最終巻が気になって仕方が無い。

プロトコル

2008年12月21日 読書
“運命の人”との間には、互いをつなぐがある。「膨大な文字列をひとめで記憶できる」という類い稀な能力を持つ反面、人並みの恋愛には縁遠い、大手ネット通販会社勤務、有村ちさと・26歳。社内の派閥争いに利用され、個人情報漏洩事件に翻弄されながら、彼女が手にいれたものは……? 注目度No.1の俊英が贈る、恋愛小説の進化形!

今回も上手いが、物語自体はあまり盛り上がらない。病気になり、ブラントン将軍とともに諸国を放浪するようになってしまった父を持つ女性が主人公なのだが、若くして社内の派閥争いに巻き込まれる形となってしまう。

上司と敵対する派閥に属する別部署の管理職が、インターネットでアダルトサイトを見まくっていた事を理由に解雇されるのだが、その駄目男は逆恨みして、トラップを仕掛けてくる。

余計な事に巻き込まれまくりなのだが、主人公の妹が最悪である。ここまで酷いと自由奔放とは言えない。いくら血が繋がっていても、こんなキチガイ妹は欲しくない。

桃の向こう

2008年12月21日 読書
バブルのはじけた不況の中、みんな自分を探していた。頭でっかちで不器用な来栖と金持ちのぼんぼんの多々良。正反対の二人と奇妙に繋がる煌子。3人が駆け抜けた失われた10年の愛と捻れた友情を描く傑作青春小説!

男子二人に女子一人なので三角関係物なのかと思ったら違った。前半はそれぞれの視点で物語が進むのだが、過去の回想シーンが終わると、真ん中にいたはずの女子は出てこなくなる。

バブル崩壊後の世代なのだが、一人がオーナー会社社長の息子で羽振り良すぎ。女子も雇われだとはいえ、社長令嬢。最後の一人は普通の人だが、受験は一番難しく、バブルが弾けて波にも乗れず、就職難で散々と、全く良い事が無かった世代の悲壮感が全然無いじゃないか。

バブル崩壊後もバブルの寵児継続中みたいな金持ち息子はもちろん、グダグダと頭だけでモノを考えている喪男子も好きになれない。最悪なのは、天然で八方美人になってしまっている女子である。怪しい宗教にのめり込んだりして、意外に頭悪そう。途中から退場してしまうので、どんな目に遭ったのかは不明だが。

一番貧乏な喪男ですら様々な面で恵まれすぎである。これではバブル崩壊後の貧乏クジ世代を使う意味ないじゃん……。
彼の名はユカイア・オレゴン。誘拐の被害者や失踪人の追跡が専門の私立探偵だ。年齢は21歳、ハンサムでキュート。狼に育てられた経歴を持つ。そのためか、彼には人探しの特殊能力があった。犯行現場に残された血をなめるだけで、性別、年齢などすぐさまわかるうえ、そのかすかな痕跡を追うことができるのだ。だが、美貌のFBI捜査官と組んだ今回の女性科学者失踪事件は、とてつもなく厄介で、やがて地球規模の災厄が…。

早川SF文庫から出ているけど、途中までは全くSFっぽくない。狼に育てられた少年が、私立探偵の相棒となり殺人鬼を追うのだが、そこからとんでもない事件へと巻き込まれて行く。

女子大生三名を殺した犯人を追いかけた狼少年はいきなり襲われ、やむを得ず反撃する。後で知るのだが、付近には暴走族のリーダーが何かを探っており、事件に深入りする過程で彼らに殺されそうになる。狼に育てられたと信じていた少年は、謎の暴走族集団と関わり、自らのとんでもない出自を知ってしまう。まさか、自分の存在自体が地球存亡に大きく関わっていたなんて!

後半からいきなり物語が大きく広がりSF風味に。シリーズ化しているのだが、火星にあるアレがなくなってしまったら、後は小さく纏ってしまいそうな気がする。

「別れ」の深層心理(講談社現代新書1143)
会ウガ別レノ始メ……といい、サヨナラダケガ人生……という。生きていくうえで避けることのできない別れは、望んだものであれ強いられたものであれ、心を大きく揺り動かす。その悲しくも豊かさに満ちたドラマの内面を探る。

タイトルだけ見ると恋愛絡みの内容に思えるが、実際はもっと幅広い「別れ」を含むものとなっている。誕生による母体からの別れ、母離れ子離れ、進学や就職等に伴う別れ、そして死別まで。
極端に男性が少ないこの世界では、当然ながら女王が統治し、兵士も職人も何から何まで女性中心だ。一方男性は貴重な存在のため、誘拐などされぬよう姉妹たちの固いガードのもとで育てられていた。ウィスラー家の長男ジェリンはもうすぐ16歳。ある日、盗賊に襲われた娘を助けたところ、彼女は王女のひとりだった。迎えに来た王家の長姉(エルデスト)レン王女は、生来の美貌のうえ心優しいジェリンにひと目ぼれ、ぜひ夫にと熱望するが…… 。

これはSFなのか? 限りなくファンタジーっぽいけど、SFとファンタジー両方の文庫を持っている早川書房がSF文庫のほうに分類しているので、SFに入れておく。

男性の出生率が異様に低い世界での物語。世界は女性が支配し、男はモノとして扱われている。男性が5%にも満たないので、その存在だけでお宝なのである。よって、男は他の家系の男と交換されるか、高額で売られて行くのである。

男女比が違いすぎるので、一夫多妻制となっているのだが、男が女をかき集める形式ではなく、家族ごと結婚させられるのである。つまり、家そのものと結婚し、その家に20人の女性がいれば、長女から末っ子までが妻となるのだ。

主人公は、美形で優しく有能という、いかにも腐女子が好みそうなご都合主義仕様。隣の農場に住む醜女家族と交換されそうで脅えていたが、ある日、悪党に殺されそうになっていた女性を助けたら王女様だったから……。

王女10人まとめて妻か! しかも美女美少女だらけ。ハーレム状態で究極の逆玉。いや、この世界だと普通に玉の輿か!? 鼻血が止まらなくなりそうに恵まれた仕様なのに、あんまり羨ましく感じられないのは、やはり書き手が女性だからでしょうかね。でも、この設定で男視線で書かれても、ただの駄作でしかないだろうなぁ。

ハーレム世界なのだけど、男よりも女が読んだ方が素直に楽しめるかもしれない。
異なる文化に接した場合の〈カルチュア・ショック〉は、日本人において特に大きい。そこには、日本社会の〈タテ〉の原理による人間関係と、ウチからソトへの〈連続〉の思考が作用している。本書は、欧米・インド・東南アジアなど、ソトの場での日本人の適応と、そこに投影された〈ウチ〉意識の構造を分析し、〈強制〉と〈逃避〉という2つの顕著な傾きを指摘する。著者のゆたかなフィールド・ワークをもとに、国際化時代の日本人の適応条件を考察する本書は、ベストセラー『タテ社会の人間関係』につづく必読の好著である。

投売りコーナーで漁った中に混じっていた一冊。講談社現代新書の300番で判ると思うが、かなり古い。定価230円と書いてあって驚くが、古いのに絶版じゃなくて、未だに現役書籍として売られているので、もっと驚く。(230円は当時の価格なので、今から密林とかで買うと、税込み735円します。)

35年以上経過して、当時とは世界を取り巻く環境がガラリと変わったにも関わらず、日本人の閉鎖性と身内と看做したものにだけ優しいという排他的な言動はあまり変わってないね……。諸外国の人々が、自分が与えた恩はまた別の誰かに返せば良いよと考えているのに対して、日本人は恩を与えたら俺に返せ! という考え方で、とてもセコくて恩着せがましい。

身内の利益は身内だけで享受するのが当然と考えており、外の人間と看做した相手に対しては徹底して冷淡。今問題になっている派遣切捨てや、数日間だけ雇用保険から外す事で派遣会社の保険受給資格者から意図的に除外しようという悪辣な外の人間叩きも、まさにこの構図。

日本人って、何て金玉の小せぇ野郎なんだ!!

ペイフォワードな考え方は、日本人には無理ですな(苦笑)。
硬質の肉体と意志をもつ新しい時代の「セックス・シンボル」として、80年代のアメリカに颯爽と登場したマドンナ。若者の絶大な支持を受けながら、その過激すぎる歌とパフォーマンスで常に社会の男たちに挑戦状を叩きつけてきた意味とは何か。レーガン大統領率いる保守政権の誕生とそれに伴うフェミニズム運動の停滞、バブル経済到来による拝金主義・拝物主義の蔓延―マドンナとその生き方が象徴する「時代」と「アメリカ」を読み解く。

彗星の如く出現し、あれほど入れ替わりが激しい米国芸能界に不動の地位を築いたマドンナと時代を分析する。こういうのは適当な事ばかり書いた三流ゴシップ本が多いのだが、これは単なるマドンナ本ではなく、裏事情まで含め、徹底して分析している。
本書では、インフルエンザウイルスの「遺伝子」に注目した最新の研究成果から、その巧妙な生態と新型出現の謎、流行のメカニズムを解き明かす。

新書でやるには内容がハイレベルで、インフルエンザウイルスの構造や増殖メカニズム等、かなり詳しいところまで載っている。程度が高い分、読み手を選ぶだろう。医学部の学生あたりなら問題無いのかもしれないが、一般人が読むには内容を理解するのに苦戦する。

難しい事も結構書いてあるので、レセプター結合領域の構造みたいに、専門的で理解し難い内容は、素直に読み流す方向で(笑)。出版時期が古いため、新型インフルエンザに関しては、本書だけでは足りないと思う。

渋茶や紅茶に含まれる物質、エピガロカテキンガレート(緑茶)、テアフラビンジガレート(紅茶)がウイルスを不活性化するので予防に効果があるらしいが、ミルクティーにしてしまうと効果半減! 予防に効果があるだけで、発症してしまうとお茶飲みまくっても手遅れデス。
バランスが悪く、風が吹くだけで転倒。運動時の衝撃が大きく、転倒したら操縦者に危険が。燃費が悪く、すぐに動けなくなる。巨人ロボットに立ちはだかる科学的危険の数々を紹介。「空想科学」マンガ版第3弾。

仮面ライダーもどきも死亡してしまい、3巻目は巨大ロボの検証へ。今回は、さらにいいところまで行くのだが、正義の研究所で作られたカガクゴーの人気を失墜させるために偽カガクゴーで暴れすぎた結果、日本政府が屈服してしまい、万能科学国が成立! 普通にやれば自分が支配者になれたものを、策に溺れて失敗してしまうのは、チキチキマシン猛レースの魔王クオリティである。

ここまでしか売ってなかったのだけど、4巻と最後の~もあるんだね。この後の展開が気になる。
必殺技の大ジャンプキックは敵に命中せず、かっこいい瞬間的な変身など望むべくもない…。改造人間ヒーローを追い詰める科学的苦難の数々を徹底的に解き明かした「空想科学」マンガ版の第2弾。

1巻でウーターマンが死んでしまい、続きは仮面ライダーシリーズの検証へ。次々に改造人間を送り込んでくるモドキングだが、またもや科学の壁に阻まれまくる。しかし、特撮ヒーロー物のように、毎回同じ失敗をして学習機能の無い馬鹿な悪玉とは違い、過去の失敗を教訓に、少しずつ進歩しているのが笑える。侵略するための軍資金が無くなったらガニメデ鉱山で重労働しているのが哀れ。すでにガニメデは誰かの所有物件になっているんだね……。

今回は、やられまくりだった前作とは違い、ウイルス攻撃により日本制圧目前まで行き着く。あと一歩だったのに、改造して部下にした脳味噌男の裏切りで失敗したのが悔やまれる。モドキングに支配された方が、自公政権の横暴よりはマシな気がするんだが……。
地球を狙う宇宙人。迎え撃つヒーロー。見守る正義の組織。どこにでもありそうな空想科学の物語と思ったら、ここには厳粛なる「科学の壁」が存在する。爆笑と感動と知的な刺激に満ちた新しい空想科学の物語。

空想科学シリーズの漫画版。今更な感じではあるが、100円投売りだったので思わず買ってしまった。発売されてから、もう10年過ぎているのか。時間の流れって速いよね(汗)。トンデモ本として叩かれまくりなこのシリーズだが、嘘八百という訳でもなく、ネタとして楽しむ分には問題無いだろう。

宇宙からの侵略者、モドキング。部下には頭の悪そうなパッチーと、ちっともメイドに見えないメイドのズキンちゃん。怪獣で日本制圧を狙うも、科学の壁に阻まれて散々な目に。

出た瞬間に自らの体重で死んでしまうゴジラもどきと、空を飛んできたもののマッハを超えた時に発生する衝撃波で首がもげて死んでしまうウルトラマンもどき。出だしからヤバイ。

映画篇

2008年12月16日 読書
友情、正義、ロマンス、復讐、そして、笑いと感動―。五つの物語の力が、あなたを救う。今すぐ映画が見たくなる。今すぐ誰かに読ませたくなる。笑いと涙と感動が詰まった、完全無欠のエンターテインメント!書き下ろし最新小説集。

短編だけど、同じ世界を共有しており、「ヒルツ」というレンタルビデオ屋とその近所が物語に出てくる事が多い。自作が映画化されるまでになった小説家と、恐らくもういないであろう友人に関わる物語、夫が自殺してしまった妻の物語、父から現金を強奪しようと企む女子高生を助けようとする同級生、両親が離婚寸前の子供が中年ライダーに出会う物語、祖母のために「ローマの休日」を上映しようとする孫達。それぞれが独立した短編だけど、少しずつ別の物語と重なっている。

復讐を遂げるため、ペイルライダーとなった中年女性の覚悟は好きだな。「自力救済の禁止」なんて綺麗事を言っても、国家や法律が頼りにならなければ、自分自身で“正義”を貫くしかないだろう。

対話篇

2008年12月16日 読書
本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうから―。最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。愛する者を失い、孤独に沈む者たちが語る切なくも希望に満ちたストーリーたち。真摯な対話を通して見出されてゆく真実の言葉の数々を描いた傑作中編集。

死と隣り合わせになった恋愛ばかり三編。

恋愛小説
死神に魅入られたかのように、周囲にいる人々が死んでいく少年は、誰とも関わらずに生きているが、ある日、階段から彼女が落ちてきて「親方~、階段から女の子が~!」
恋に堕ちる。しかし、呪われた運命が発動してしまう。


永遠の円環
末期患者となった主人公が、彼女を死に追いやった教授を殺そうと画策するが、もはや体力が残されていないので、誰かに手伝ってもらおうとするのだが……。これは、長編の「SPEED」とリンクしてるのか!


いきなり病に倒れた青年は、退職を余儀なくされるが、死と向かい合うことなく、頭に爆弾を抱えたまま、目をそむけて生きている。そんな彼が、九州まで車で旅行するというアルバイトを引き受ける事に。依頼主は長年戦った冤罪事件で勝利を勝ち取った弁護士。目的地は、別れた妻の遺品があるホスピス。
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法は―難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること!果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!?革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾。

これがゾンビーズの最初になるのか。別の物語を先に読んでしまったので、まだヒロシが生きている話があって、この先に起こる結末を知っているだけに……。やはり読む順番間違えてるし。

SPEEDで謎だった部分はスッキリした。レヴォリューションNo.3→SPEEDの絡みはあるけど、当然ではあるが逆の流れは無い。これを出した時点で、SPEEDに至る伏線が入っていたら神なのになぁ。

 

2008年12月15日 読書

ティンカー

2008年12月15日 SF特集
21世紀末、中国が開発した異次元間転移装置ハイパーフェーズにより、異世界への道が開かれた。だがその装置は未完成で、なぜかピッツバーグだけが魔法が支配するエルフホームに転移してしまった。ティンカーは、そのピッツバーグでスクラップ業を営む、18歳の天才少女。ある日、魔法の狛犬に襲われた一人のエルフを助けたことから、地球・エルフホーム・オニヒダの三世界にまたがる奇想天外な大事件に巻きこまれることに。サファイア賞受賞作。

中国が開発した異次元間転移装置ハイパーフェーズが不完全だったため、異次元への回廊が開いてしまったという、SFとファンタジーが融合した設定。異次元間転移装置の影響で、ピッツバーグだけがエルフホームに飛ばされてしまったのだが、完全に異世界に行ってしまったのではなく、月に一度は地球に戻るので、行き来が出来てしまうのだ。

ピッツバーグに住んでいる天才少女ティンカーが主人公。ある日、狛犬に襲われていたエルフを助けた事から、とんでもない事件に巻き込まれて行く。実は、地球、エルフホーム以外にもうひとつ、オニヒダという世界があって、かつては三世界が繋がっていたのだ。
普通、科学と魔法が出てくる物語は、双方が対立する概念になっているのだが、この話では魔法も科学の中に組み込まれている。エルフは妖精でなく宇宙人扱いだし、寿命が長いのは、やはりテロメアを伸ばしていたからですか……。

一応、SF文庫から出てはいるけれども、ファンタジーとも融合している分、中途半端な感じである。程度の高いラノベ的な扱いをされてしまっているなぁ。

ISBN:4757735944 文庫 とりしも エンターブレイン 2007/06/30 ¥609
解体の危機を乗り越え、新くんとハッピーエンド……のはずだった旧校舎。でも現実には、私たちの恋には問題が山積みです。初デートはうまくいかないし、新くんは私に隠し事をしてるし、おまけにすっごく色っぽい保護者(代理)まで押しかけて来て、む、胸は触るし唇は奪うし、テストと称して新くんを誘惑する……。そのせいで私は、ついに新くんと初めての喧嘩をしてしまったんです――!第8回えんため大賞優秀賞受賞の瑞々しい初恋の物語第2弾!

前作が綺麗に終わってるから、無理にシリーズ化しなくても良かったのではないかと思うが、力技で続編にしたにしては、それなりに出来上がっているので良しとするか。売れそうな作品の場合、やはり出版社としては二匹目の泥鰌を狙いたくなるもんですかね!?

取り壊される寸前だった旧校舎も、百鬼夜行に出かけた副産物で、一部が残る事になったので、付喪神も消えずに済んだ。ハッピーエンドで終わったかと思ったら、その続編。あまり波乱万丈な展開にはならないけどね。

今回は、基本的にバカップル状態で、喧嘩したりするだけのラブコメなのだが、諍いの原因になるのが別の付喪神。こいつがトラブルメーカーで、余計な事ばかりするから二人の仲がギクシャクしてしまうのである。

旧校舎も良いが、付喪神の着せ替え人形状態なリアンも捨て難い。
ISBN:4757733275 文庫 とりしも エンターブレイン 2007/01/29 ¥609
第8回えんため大賞優秀賞受賞作!! もう使われない旧校舎。それを探検に来た少年を、「私」はワクワクと見守っていた。何せ旧校舎って退屈なのだ。けれど……。危険な場所に踏み込む彼を、咄嗟に助けてしまった時、108年で初めてのその物語は始まった!! ヒロイン=「学校」!? 人と人ならぬモノの初恋を描くピュアなラブストーリー誕生!

「海が見たい」と、少女は言った。
少年は、彼女の願いを叶えるため、百鬼夜行を使って校舎を海岸まで歩かせようとする。

犬や猫や狐や鶴やロボットが女の子というパターンはやり尽くされ、最近はパソコンとか携帯電話とか爆弾が女の子になってしまうという変則攻撃が増えてきたが、ここまで来るとは……。

閉鎖された取り壊し間近の旧校舎で、少年は謎の少女に出会う。彼は、彼女を事故死した少女の幽霊だと思うのだが、その正体は……。12歳の少年と108歳の少女で、ボーイ・ミーツ・ガールか……。エルフでもないのに108歳の少女という設定が凄いな。しかも、厳密には生命体じゃないし。

学校の旧校舎が付喪神になり意思を持つという物語。しかも、少年と恋に堕ちる。旧校舎と恋愛するというのは、マニアというか、ヘビーというか……。なんかもう、何でもアリですね。ちょっと力技な設定だけど、意外に読めた。ファミ通文庫にしては、結構出来が良いのでは? ちなみに、旧校舎の方が主人公なので、少年ではなく少女視点です。

旧校舎も良いが、少年の不法侵入を阻もうとする金髪美少女の生徒会副会長リアンも捨て難い。

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