茜坂学園2年生、相模司の家にとある事情で家出をしたクラスメートの一ノ瀬未緒が転がり込んで来ることに。未緒との共同生活を始める中、2人の関係は進んでいく。しかし、司を取り巻く環境―従姉の凪沙、かつての義理の妹・浅葉ののかにコンプレックスを感じ、自分の居場所を見失ってしまう未緒。そして、司が幼少から抱えていた病気の再発。卒業まで命が持たない―。タイムリミットが迫るなか、司の“大切なひとを守る”物語が始まる…。

うーむ……。思いっきりギャルゲー仕様な内容ですな。父は仕事の鬼で不在、母は他界で広い自宅に独り暮らしの主人公。そこに従姉がやってきて住み込む。住み込みじゃないけど、よく来る後輩は、一時期父が再婚してまた離婚した相手の娘なので、血が繋がらない妹。そして、ある事情で転がり込んでくる幼なじみ。

原作だと他にも出てくるようだが、三つ巴にすらならず、ほぼ幼なじみが当選確定。血が繋がらない妹最強伝説が崩れたか……。主人公が病気再発で死にそうなのに、幼なじみのために入院せず頑張るのが臭すぎる。一体、それに何の意味があるのか。

猫と針

2008年11月30日 読書
友人の葬式の帰り、久々に学生時代の仲間が集まった。噂によれば、仲間たちはみな、何らかの個人的事情を抱えているらしい。一見なごやかな宴だが、それぞれが諸事情で少しずつ席を外す間、残った人間は様々に憶測を巡らし、不在の人物について語り合う。やがて漂う不穏な空気―。噂はどこまで本当なのか?そして、この集まりの本当の意図とは?恩田陸“初戯曲”ついに書籍化。閉鎖空間で展開する、心理サスペンス会話劇。創作の舞台裏を綴った長文エッセイ、「『猫と針』日記」も書き下ろしで収録。

猫も針も関係ないような気がする、恩田陸の戯曲。実際に芝居を見たら面白いのかもしれないけれども、文章だけだといまいち乗り切れない。戯曲だと、どうしても本谷有希子と比較してしまう。やはり、本谷有希子のほうが面白い。

やはり、小説家が書くと小説っぽい戯曲に纏ってしまうのだろうか? もう少し、内容も登場人物も大げさに描いて良いと思うのだが。
みんなの顔が“のっぺらぼう”に見える―。息子がそう言ったとき、僕は20年前に姿を消した兄に連絡を取った。家族みんなで暮らした懐かしいパルプ町。桜咲く“サクラバ”や六角交番、タンカス山など、あの町で起こった不思議な事件の真相を兄が語り始める。懐かしさがこみ上げるメフィスト賞受賞作。

第29回メフィスト賞受賞作。

メフィスト賞なので、またゲテモノなのかなぁと思いつつ借りてきたのだが意外に良作。ノスタルジックな雰囲気漂う不思議な物語だった。

子供の1人が他人の顔がのっぺらぼうにしか見えなくなってしまう。20年前に姿を消した兄に「いつかおまえの周りで、誰かが『のっぺらぼう』を見るようになったら呼んでほしい」と言われていた男は、兄を探す事に。

出だしは弟なのだが、兄が現れた後は最後まで兄視点で物語が進む。自分たちが育った町で起こった出来事を兄が語り出す。急にのっぺらぼうが見えるようになってしまった兄。その後、次々に事件が起こる。仲良くしていた警官が拳銃で自殺したり、遊んでいた仲間が行方不明になったり、一見バラバラに思える出来事が次第に繋がっていく。

人知れず、正体不明の何かが戦っているというのは、恩田陸の「オセロ」っぽい。

 

2008年11月29日 ???

ISBN:4396208138 新書 伊坂 幸太郎 祥伝社 2006/05 ¥880
人間嘘発見器成瀬が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野は「幻の女」を探し、正確無比な“体内時計”の持ち主雪子は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリの久遠は殴打される中年男に―史上最強の天才強盗4人組が巻き込まれたバラバラな事件。だが、華麗なる銀行襲撃の裏に突如浮上した「社長令嬢誘拐事件」と奇妙な連鎖を始め…。絶品のプロット、会話、伏線が織りなす軽快サスペンス!伊坂ブームの起爆剤にして、映画化で話題の「陽気なギャング」ここに待望の復活。

四人組再び! 伊坂作品には珍しいシリーズ物。他の作品もちょっとずつ繋がってはいるが、恩田陸みたいに思いっきり何かの続編だったりはしない。

しかし、前作ほど楽しめなかったのは残念。きっと、今回の獲物が金ではなくて、人助けになってしまったからだろう。やはりギャングはお金目当てで動いて欲しい。ラスボスも違法カジノのオーナーなのだから、カジノにあるお金を強奪して、華麗に逃げ去って欲しかった。

最初は普通の短編だったらしく、四人それぞれが主人公の話の後で、それが纏められた話に繋がるので、ちょっと違和感もある。前作と比べたら、少し落ちた感じがしてしまうけど、それでも他の二流作家と比べたら文句の無い出来栄え。
ISBN:4396207557 新書 伊坂 幸太郎 祥伝社 2003/02 ¥880
確実に他人の嘘を見抜くリーダーを筆頭に、正確な体内時計の持ち主、演説の達人、天才スリという面々で組織されたギャング団が活躍する長編サスペンス。著者は、言葉を話すカカシ「優午」が殺されるという奇想天外なミステリー『オーデュボンの祈り』や、レイプという犯罪の末に誕生した主人公「春」の苦悩を爽快なタッチで描いた『重力ピエロ』など、作品ごとに個性的なキャラクターを生み出してきた伊坂幸太郎。特異な才能を持つ4人の男女が、思わぬ事態に巻きこまれていく本書は、その真骨頂ともいえる痛快クライム・ノベルだ。

四人組が銀行を襲撃する。人間嘘発見器、天才スリ師、演説の達人、体内時計内蔵女、個性的なメンバーによる銀行強盗はアッサリと成功するのだが、逃走中に暴走車と衝突しそうになる。相手は、同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯人であり、四人の車は強奪した現金ごと、その犯人達に奪われてしまう。

さすが伊坂幸太郎、読ませます。奪った現金がさらに奪われてしまうという、偶然にしては出来すぎな展開。勿論、それは偶然などではなく、何者かの意図が絡んでいるのである。奪われた金を別の犯行グループから取り戻すために行動を開始する四人だったが……。
力量が無い作家がやると物語が散らかるだけの、各キャラによる脱線も、伊坂だから楽しい。ラストは映画のワンシーンみたいだ。映画みたいな物語だと思ったら、本当に映画になってしまった。

 

2008年11月27日 映画





ISBN:4048737449 単行本 森見 登美彦 角川書店 2006/11/29 ¥1,575
私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

第137回直木賞候補作。

直木賞は、この回もつまらない結果に終わりました。まず選考委員をどうにかしないと駄目だな。

夜の京都を歩く黒髪乙女。その後を追う一人の先輩。だが、数々の障害が待ち構えており、先輩は乙女に追いつく事が出来ない。乙女の後姿に恋する一人の男がいるなどとは露ほども思わない彼女は、お得意の二足歩行ロボのパフォーマンスとともに、夜の京都河原町へと消える。この乙女がまた、酒豪というかウワバミというか、恐ろしいほどの飲みっぷり。行く先々で出会った人々と酒を飲み交わす。最後は、三階建て電車みたいな乗り物で現れる仙人みたいな爺さん相手に、ニセ電気ブランで勝負。

夜の物語は最初の一話だけだが、短編ではなく登場人物そのままで、季節が移り変わる。夏になれば古本市で、無くしてしまった絵本を探す黒髪乙女。そして、出会いを求める先輩は、絵本を賭けて地獄の激辛鍋勝負! 秋になれば、妙なやつらが出没しまくりの学園祭で、ゲリラ的に劇を敢行する人々に担ぎ出されて主役を演じる黒髪乙女。それを追いかける一人の先輩。冬になれば李白風邪という流行り病で倒れる人々に取り残され、一人元気な黒髪乙女。
ISBN:4104689033 単行本 荻原 浩 新潮社 2006/09/28 ¥1,890
人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?『明日の記憶』の著者が描く、今ここにいることの奇跡。感動青春大作。17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。

第136回直木賞候補作。

父親を持たない少年が主人公。死別や離婚ではなくて、最初から存在しない。他の子供とどこか違うと感じた少年は、シベリアの凍土から発見されたクロマニヨン人“アイスマン”が自分の父親だと思い始める。たった一人のクロマニヨン人として、道具を作り、狩りの練習をする少年。

周囲の登場人物が、腐敗した奴らばかりで、読み進めるとウンザリしてくる。こういう、どこにも行けない閉塞感タップリの物語は、読むと憂鬱な気分に浸れる。不良少年な友人と、小学時代に出会った女の子の存在で、多少は救われる物語になっているものの、やはり重苦しい。どうせなら、本当にクロマニヨン遺伝子を受け継いでいたら良かったのだが……。

GO

2008年11月25日 芥川賞・直木賞
ISBN:4043852010 文庫 金城一紀 角川書店 2007/06 ¥460
広い世界を見るんだ―。僕は“在日朝鮮人”から“在日韓国人”に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった―。感動の青春恋愛小説、待望の新装完全版登場!第123回直木賞受賞作。

第123回直木賞受賞作。

分類としては青春恋愛小説という事になっている様だ。しかし、主人公が在日であるために差別が絡んできて重い内容になっている。民族学校での洗脳教育、分断された祖国を反映した同じ民族同士での反目、そういう世界から飛び出したくて普通の高校を受験すると裏切り者扱いされてしまう。

高校でも日々挑戦者が現れ、相手を叩き潰す毎日。ある日、数少ない友人となった組長の息子が主催するパーティーで、1人の少女に出会う。次第に惹かれて行くのだが、自分が在日であるという事が重荷となって行く。

さすが、いきなり受賞してしまうだけあって上手い。ただの恋愛小説で貰っている人もいるのだから、このテーマを絡めての受賞は妥当だと思う。
ISBN:4840235937 文庫 相原 あきら メディアワークス 2006/10 ¥599
“ウチダ・マコトは悪魔である”という情報が伝わってきた。いそうでいない悪魔が身近に現れたとなれば、いろいろと聞いたり試したりしてみたいのがオカルト研究会。そんなわけでオカルト研究会の精鋭(当然、女の子です)たちはマコトが悪魔である証拠=マコトの尻尾の有無を確認するべく、あの手この手(まぁ、色仕掛けです)でマコトのズボンを脱がそうとして…。一方、正義の味方の天使も、お泊まりセット片手にマコト宅に乱入し…!マコトの貞操、大ピーンチ!?脅迫から始まるラブコメディ第2弾。

なんだかライバルが増えて、ギャルゲーみたいになってきたぞ。主人公の周囲で怪しい出来事が起こるので、きっと少年が悪魔なのに違いないと勘繰るオカルト研究会の面々。尻尾の有無を確認するために、オカ研の少女サトミが生贄として色仕掛けを試みるのだが、いつの間にか本気で好きになってしまう。

相変わらずなツンデレ悪魔は、家まで押しかけ料理を作ろうとするのだが、行ってみると何故か天使少女が押しかけてきていて、正義に導くために一緒に居なければならないと言い張る。かくして少年は強引に天使と同棲させられる羽目に。三角関係どころか女三人で火花を散らすややこしい状態に。果たして、天使と悪魔と人間、どのフラグが立つのか!?

などと思っていたら、正体不明のイケメンに少年が誘拐され、助け出そうと各自が暴走した結果、とんでもない事に!

前作よりもストーリー性は出てきたのだが、主語が欠落しているがために誰による行為なのか不明だったり(読み進めたら後で書いてあったが)、“ドーン!”とか“ドシーン。”とか“バーン!”とか、擬音で地の文章がぶつ切りされていて読みにくい。文章の中に織り込むならともかく、妙な体言止めみたいに、下手な使い方されるのは……。
ISBN:4840234930 文庫 相原 あきら メディアワークス 2006/07 ¥536

世界に天使と悪魔が転生してくるようになった時代、という設定。同じ世界に天使と悪魔と人間がいるって、なんだかエミルクロニクル・オンラインをパクったような設定だな。

ヒロインは悪魔なのだが、何故か男子トイレの個室で鍵もかけずにパンツ丸出し状態、尻尾も丸出し状態なのを、主人公の少年に見られてしまう。悪魔だとバラされたくないから何でも言う事を聞く、いや、聞いてあげる。ほら、命令しなさいよ! みたいな感じで、恐喝されてるんだか、恐喝して欲しいんだか判らない事に。

そのまま、とことん突っ走って、お弁当を作らされたり(本当は自分が作りたい)、デートしろと命令しなさいよとか、キスしろと命令しなさいよとか、何このツンデレは!? というところまで行ってしまう。

そうなると、実は男子トイレで尻尾丸出しだったのも、少年に見られるためのトラップだったという事でしょうね。徹頭徹尾、ちょいエロとツンデレとヒロインの暴走しかなく、内容は無い様系。絵師に関してはそこそこイケてるんだけど、ツンデレが全てですと言い切っても良い程の出来具合は……。
ISBN:4062142546 書籍 海堂尊 新潮社 2007/9/21 ¥1680
外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

海堂尊をもう一冊。バブル経済が崩壊して日本が奈落の底まで落ちていく寸前、絶頂を極めて奢り高ぶっていた頃。主人公、世良雅志はまだ国家試験の合否判定すら出る前の駆け出し研修医である。これって、チームバチスタの番外編? 本編が予約埋まっていて読めないのですが……。

腕は良いけどクセのある医者がたくさん出てくる。手術前後の描写はリアル、素人にはここまで書けないだろう。医者同士のプライドを賭けたせめぎ合い、学内の権力抗争も絡むが、患者の生命さえ手のひらで躍らせるのは如何なものか。一番大切なのは患者を救う事であり、この点が欠落してした医者は、どんなに技術を持っていても失格だと思う。

運河の果て

2008年11月23日 SF特集
ISBN:4894569280 単行本 平谷 美樹 角川春樹事務所 2001/06 ¥1995
29世紀。アニス・ソーヤーは、男女の性の決定を自ら選択するため火星運河へと旅立つが、その途上、原火星文明にかかわる衝撃の事実を知る。広大な宇宙と未来のヴィジョンを通じて生命の無常と文明の儚さを謳い上げる。

読んでから時間が経っているのであやふやなのだが、確かエンデュミオン・エンデュミオンのシリーズと世界は同じだったと思う。テラフォーミングにより緑化した29世紀の火星が舞台となる。

主人公は、モラトリアムの若者。従来の意味ではなくて、性別を決定していない者がモラトリアムと呼ばれる存在となっている。全員がそうなっているのではなく、誕生前に操作されたものだけが、生後に自分の決定で性を選択する機会が与えられるのだが、決定する際、若者は師匠を二人選ぶ事になっている。

外惑星連合の政治家と、火星の考古学者が師匠となるのだが、地球・火星連合と外惑星連合の対立が絡んできて……。

ジーン・ワルツ

2008年11月23日 読書
ISBN:4103065710 書籍 海堂尊 新潮社 2008/03 ¥1365
産婦人科医・理恵――人呼んでクール・ウィッチ。医者がヒトの生命を操ることは許されているのか? 現役医師作家が挑む、現代日本最大の医療問題。『チーム・バチスタの栄光』を超える強烈なキャラクターとスリリングな展開に目が離せません!

チーム・バチスタが売れまくりで人気爆発、いつも図書館に無いので東野司よりも攻略し難い海堂尊。とりあえずこれが返却されていたので借りてきた。チーム・バチスタは未だに予約が入っているので当分は無理だろうな。

帝華大学の医学部で教える美貌の産婦人科医、曽根崎理恵。人呼んで冷徹な魔女(クールウィッチ)。白い巨塔の権力そのものである教授の圧力にも屈せず、言いたい放題なのが心地良い。役立たずな厚生労働省にも痛烈な批判を加えるが、正義の味方と言うわけでも無いようだ。

自身がやっている事も法律スレスレ、或いは違法行為か!? 最後は大学を辞めて華麗なる転進。まあ、これくらいやってしまう人がいないと、高級官僚がズタボロに壊してしまった現在の医療制度が立ち直るとも思えないだけに、ちょっとやりすぎではあっても気分が良い。
ISBN:4334926010 書籍 三崎亜記 光文社 2008/3/20 ¥1470
戦後最大規模の鼓笛隊が襲い来る夜を、義母とすごすことになった園子の一家。避難もせず、防音スタジオも持たないが、果たして無事にのりきることができるのか――。
表題作ほか書下ろし1編を含む全9編。眩いほどに不安定で鮮やかな世界を見せ付ける、贅沢な傑作短編集。

第139回直木賞候補作。

長編かと思ったら、9編入った短編だった。表題作だけでなく、どれもこれも有り得ない設定のズレた話ばかりである。この作家は、実際には有り得ない妙な物語を書くのが好きだな。

表題作は、台風みたいな感じで鼓笛隊が上陸して各地に被害をもたらすというもの。他にも、「失われた町」みたいな感じで電車が忽然と消滅してしまった後に残された人々の話や、隣町に住んでいるカップルなのに、片方が上空の都市に住んでいるので数ヶ月に一回しか逢えない話など、全てが有り得ない物語となっている。

淡々として盛り上がりに欠ける作風なので、長編だと疲れるのだが、短編は妙な物語のエッセンスだけ楽しめば良いので読みやすい。有り得ない設定に関しては、難癖つけるのではなく、ファンタジーの一種だと思って読めば良いと思う。

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