ゼロの使い魔 10 イーヴァルディの勇者
2008年11月1日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840117667 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2006/12 ¥609
才人は使い魔として異世界ハルケギニアに『召喚』されてしまった高校生。トリステインとアルビオンの戦いの後、ご主人さまであるルイズとともに学院に戻った彼は、女王アンリエッタから騎士に任命される。誰かに必要とされることで、才人は次第に「こっちの世界でみんなの力になりたい」という思いを強くしていく。ルイズは、態度こそ今までどおりに邪険にしながらも、「サイトが一番幸せになる方法」を考え始めるが、敬愛するアンリエッタまでが才人を英雄視していることで、自分が才人に好かれているという自信が持てないでいた。一方、タバサは母を救い出そうと、単身母国ガリアへと向かい―。大人気の異世界使い魔ファンタジー、第10弾。
一人で敵に立ち向かうタバサ。だが、敵側に控えていたのは強力なエルフ。スクエアクラス魔法すら通用せず、先住魔法の前に敗れ去る。
魔法学校にいるサイト達の所へ、囚われたタバサの助けを求め、空から落ちてくる謎の裸娘。話し方が変なので、その正体は一瞬で判りますが。女王の許しを得られなかった一行は、強行突破して隣国へ潜入、今までで最強の敵と対峙するのであった。
だんだん、ギャグ部分が少なくなってまいりましたな。ここから先は、エルフも絡んできそうだけど、この物語では、エルフが砂漠に住んでいるので、違和感がある。諸国とエルフの敵対構図が、地球におけるイスラム帝国とキリスト教圏のせめぎあいを、エルフに置き換えただけなのも、似合わなくて妙な感じだ。
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ゼロの使い魔 9 双月の舞踏会
2008年11月1日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840117071 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2006/09 ¥609
才人は使い魔として異世界に『召還』されてしまった高校生。トリステインとアルビオンの戦いで、可愛い魔法使いのご主人様・ルイズと離ればなれになってしまったが、ようやく再開を果たした。前よりもお互いの距離が近くなったように感じ、ルイズは自分の気持ちに素直になりたいと思う。だが、才人を助けてくれた少女ティファニアやシエスタの存在が気になってぎくしゃくしてしまい、うまくいかない。そんなこんなで表面上は変化のない関係を保ちつつ、才人たちがトリステインに戻ると、今度は女王アンリエッタまでが才人を特別扱い!?大混戦の恋模様の一方、見えざる敵はじわじわと動き始め…。異世界使い魔ファンタジー、第9弾。
戦争を始めた神聖皇帝は滅びたが、より大きな陰謀を企てる者の手駒にすぎず、実は雑魚であった。ゼロの使い手は全部で四人いて、その使い魔も四人存在するらしい。そして、その敵はタバサとも因縁深かった。暗愚の振りをしてはいるが、実は強敵なのかもしれない。
その筋からの命令により、サイトと戦わなくてはならなくなるタバサ。ゼロの使い手として連れ去られかけるルイズ。政治経済面はいい加減な部分が多いけど、ストーリーは結構考えて組み立てているみたいである。
それにしても、ルイズとメイドだけでなく、女王まで絡んできて……。そんなモテモテなら、もう地球には戻らなくても良いのでは? 最後の方、あの人が出てくるね。生きてて良かった!
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ゼロの使い魔 8 望郷の小夜曲(セレナーデ)
2008年10月31日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840115427 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2006/06 ¥609
才人はある日突然使い魔として異世界に『召喚』されてしまった高校生。魔法使いの可愛いご主人様・ルイズが従軍したアルビオンとの戦いで、ルイズを逃がすために戦った才人は、大怪我をして意識を失ってしまう。倒れていたところを金髪の美しい少女に助けられ、なんとか一命をとりとめた。少女の名はティファニア。森の中で隠れるように暮らしている彼女は、特殊な生い立ち故に臆病で恥ずかしがり屋だが、献身的に才人の世話をしてくれる。一方、学院に戻ったルイズとシエスタたちは、才人が死んでしまったのではないかという不安と哀しみにとらわれていた―。二人の運命はいかに!?大人気の異世界使い魔ファンタジー、第8弾。
七万の敵を相手に特攻したサイト。周囲は彼の死を疑わず、ルイズは自室に閉じこもったまま。新たな使い魔が召喚出来なければ、まだサイトがどこかで生きている証拠になるので、契約の魔法を発動するのだが、使い魔を通すための扉が開いてしまい、泣き崩れるルイズ。
一方、実は死んでいなかったサイトは、一度死にかけた影響で、契約の刻印が消滅してしまい、ただの人間に戻ってしまっていた。もはや力が使えないので、自分が死んだ事にしようとするサイトだったが……。
それにしても、夢見部分で20ページ以上とか、ちょっとやりすぎなのでは? 何だかページ稼ぎしているように思えて仕方がない。コメディ部分も減ってきて、戦争とか政争とか陰謀が多くなったな。サイトの命を救ったのは、美少女エルフ。しかも、或る意味において最強デス……。
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ゼロの使い魔 7 銀の降臨祭
2008年10月31日 このライトノベルがすごい?ISBN:484011501X 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2006/02/24 ¥609
才人がある日突然『召還』されてしまった異世界ハルケギニア。使い魔として、ご主人様のルイズとともに参戦したアルビオンとの戦いは、ひとまず連合軍―ルイズたちが勝利を収める。すっかり戦勝ムードでアルビオンとの決戦に備える連合軍だが、才人は先日の戦闘のことを引きずって元気がない。ルイズは才人を励まそうと、ちょっぴり大胆な振る舞いもしてみるが、才人は上の空。ルイズは拗ねてしまい、そんな彼女に才人は「俺ふられた!」と思いこみ、またも関係はこじれてしまう。そこへ、超美少年のロマリアの神官が現れる。ルイズは才人への反発から神官に思わせぶりな態度をとりはじめ…。異世界使い魔ファンタジー、波乱の第7弾。
虚無の魔法による陽動作戦で、浮遊するアルビオンに橋頭堡を築いた連合軍。制空権を失った敵軍は、またしても薄汚い作戦を展開する。とことん悪役に徹してくれますな。
新たな美形キャラ登場で、二人の間も溝が深まり、お互い腹を立てたままケンカモードに。ルイズにはロマリアの美形神官、サイトには店ごとやって来たシエスタが絡んで来る。ギャルゲーみたいに同格じゃなくて、御主人様と使い魔状態だから、シエスタは当て馬だというのがすでに確定しているのだろうけど、個人的にはシエスタのほうがお勧め物件だろう。料理洗濯掃除が出来て胸も大きい。ルイズの特典は身分が高いだけだからな。身分狙いなら、むしろアンリエッタ女王の方が胸も……。
それにしても、敵ボスが実は……だったり、意外なところで第三勢力が介入したり、突然の反乱で侵攻作戦失敗、ルイズが死にも等しい殿(しんがり)を命じられたり、それを助けるために使い魔がバンザイアタックと、何かと起伏が多い転換点となっている。
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ISBN:4163200509 単行本 佐藤 哲也 文藝春秋 2001/05 ¥1,700
ある日、突然、妻がとかげに変身? 死神と妻が交した取り引きとは? 可笑しくて不条理でしんみりする、摩訶不思議な"愛妻小説"全13篇
長門有希の4冊目
長門有希の100冊No.06
なんか不条理で意味不明系な話ばかりで、ちょっと疲れる。山の中で出会った巨大キリギリスがチェーンソー持って襲い掛かってきてオチは無しとか、伯父が巨大な何かに押し潰されて圧死したので家に行くと、天井を歩く巨大なヤモリカバがいたり、そんなのばかり13編。
こういうオチが無かったり、誰かが見ている夢の話みたいに理路整然としていない意味不明なのは好きじゃないのだが、それでも平山夢明作品を読んだときの様な不快感は残らない。登場人物があまり悲惨な目に遭ったり、意味も無く痛い目に遭ったりはしないからだろう。むしろ、途方に暮れる脱力系の終わり方なので、唖然としてしまう事はあっても、胃にムカつきを覚えたりはしないのだ。
それにしても、男による一人語り系の話が結構あって、妻の話がよく出てくるのだが、どうしても“妻”で佐藤亜紀を連想してしまう。別に、登場する私=佐藤哲也ではないのだけど。
長門さん、こういう意味不明系統のも好きなんでしょうか?
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ゼロの使い魔 6 贖罪の炎赤石(ルビー)
2008年10月30日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840114498 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2005/11 ¥609
才人はある日突然異世界ハルケギニアに『召還』されてしまった高校生。元の世界に戻る方法を探しつつ、美少女魔法使い・ルイズのもとで使い魔として暮らしている。ルイズの通うトリステイン魔法学院は夏休みが終わり、下町でアルバイトしていた才人たちも学校に戻った。だが、アルビオンとの戦いが本格化するのにそなえて、生徒たちは多くが従軍することになり、ルイズは従軍の許可を得るために才人をつれて帰郷する。だが、許しがもらえないどころか、ルイズが身分違いの者に恋していると知った実家は大騒ぎに…。ルイズと才人は、そしてトリステインの明日はどうなる!?大人気の異世界ドラマティックラブコメ、いよいよ新展開。
冒頭からいきなり、学園のメイドと馬車の中でラブラブモード。御主人様はどこに行ったのかと思いきや、その後ろを走る貴族用の馬車から、二人の様子に激怒して魔法攻撃っ!ルイズの実家へ行く用事が出来、二人も一緒に連れて来られたのである。
敵を倒すためのアルビオン侵攻作戦に対し、反対を表明する公爵。娘の出陣にも首を縦に振らず、軟禁の上、どこかの貴族と結婚させようと考えるので、堪らず逃亡する事になるルイズ。自領から軍も出さないし、女王の勅令に反対するのは、改易対象になるよね!?
だんだん物語もキナ臭くなって来て、二人も遠征艦隊に加わる事に。一方、相手方もそれを阻止しようと、学園を狙い、貴族の子息女を人質にしようと画策する。
それにしても、敵方が共和国で親玉が神聖皇帝というのは変じゃないのか? 王と皇帝の違いを混同していたり、共和制と君主制がごっちゃになっていたり、ワザとやってるの? 政治経済面において、設定があまりにも適当すぎます。
共和制(きょうわせい、英:republic)は、国家に君主を置かない政体のことで、君主制に対置される概念である。共和政とも言う。共和制を取る国家のことを共和国という。また、共和制を国家のあるべき姿だとする思想のことを共和主義という。日本において共和主義は天皇制廃止論とほぼ同義。一般に共和制では、国家の元首は君主ではなく、国民により選出される。(wikiより抜粋)
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ゼロの使い魔 5 トリスタニアの休日
2008年10月30日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840112908 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2005/07/22 ¥609
才人はある日突然異世界ハルケギニアに『召還』されてしまった高校生。元の世界に戻る方法を探しつつ、美少女魔法使い・ルイズのもとで使い魔として暮らしている。顔は可愛くても高飛車で意地っ張りなルイズとは、いつからかお互いを意識するようになったものの、すれ違ってばかり。そんな状態で迎えた夏休み、アンリエッタ女王に町の偵察を頼まれた才人とルイズは、下町の酒場で住み込みのアルバイトをはじめる。ルイズはプライドの高さから客を怒らせてばかりだが、店では客からもらうチップを競う「チップレース」が行われることに…(第一話)。今回は夏休みを舞台にした短編集。大人気のキュルケ&タバサの出会い編も収録。
女王の命により、間諜活動をする事になったルイズだが、支給された金じゃ馬が買えない、良い所に泊まれないと文句垂れた挙句、ギャンブルで全額失ってしまう。しかも、サイトの持ち金まで「使い魔のお金は御主人様のお金」というジャイアニズムで奪い取り、全額がギャンブルで……。軍資金ゼロの使い魔という洒落か!?
途方に暮れたところを、怪しげな人物に拾われて、お店で働く事に。二人を拾ったのは、オカマ言葉の変なオッサンだが、「魅惑の妖精亭」という店のマスターなのであった。かくして、ルイズはウェイトレス、サイトは皿洗いとして働くのだが、お客と喧嘩するし、皿は割れるしで、ちっとも儲からない哀れな二人。こんなでは、間諜どころではありませぬ。学友にまでバレて、タダ飯たかられる始末。
そんなところに、女王が逃げ出してやって来る。実は、裏切り者をあぶり出すために、自分自身で行方不明状態を演出しているのであった。今回も、最後だけがバトルか。
今回は、軍資金ゼロの使い魔……。
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ISBN:4150107467 文庫 Orson Scott Card 早川書房 1987/11 ¥924
長門有希の3冊目
長門有希の100冊No.71
人類が昆虫型異星人バガーによる二度の侵攻を退け、第三次侵攻に備えている時代。敵とは全く意思疎通が出来ず、捕らえられた人類は容赦なく殺戮されてしまう。何故、こいつと全く意思の疎通がとれないかについては、最後に明らかになるのだが。とにかくコミュニケーションの手段が無いので、どちらかが滅びるまで戦うしかないという状況。
敵の侵攻に備えて優秀な司令官を育成するためにバトル・スクールが設立され、主人公のエンダー少年はそこの生徒です。エンダーはここでのあらゆる訓練で最優秀の成績をおさめる天才少年なんだけど、訓練ばかりでちっとも実戦が始まらない。異星人と戦う前に終わりそうで、焦っていたら、意外な展開と結末にやられてしまいました。
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ゼロの使い魔4 誓約の水精霊
2008年10月29日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840112363 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2005/03 ¥609
異世界ハルケギニアに使い魔として「召喚」された才人は、相変わらずご主人様であるルイズに犬扱いされていた。ある日、ルイズは敵軍を撃退した件で、王女アンリエッタに呼び出される。ルイズが伝説の『虚無』の使い手として知れ渡り、敵に狙われることがないよう、心を砕いてくれる王女。そんな彼女に改めて忠誠を誓うルイズと、ルイズを助けることを約束させられる才人。だが、全てがうまく収まったように見える裏で、アンリエッタは好きだった亡きウェールズ王子を想って沈んでいた。そんな彼女の心につけいるように、敵軍レコン・キスタの策略が動きはじめ…異世界を舞台にしたラブ&ドラマティックストーリー、第4弾。
序盤はツンデレなラブコメで、最後だけがシリアス路線でバトルという展開は健在。というか、いつもこのパターンで行くつもりですかね? 個人的には、全部ラブコメで行くか、全部シリアス路線のハードファンタジーに統一されている方が好みなのだが、そこは読者対象が中高生なので仕方がないだろう。
ツンデレ時には犬扱いの情けない主人公。学院のメイドに買って来た水兵服を着せて萌えている事が御主人様ルイズにバレてしまい、大変な事に。身の危険を感じて逃げ出したサイトを追いかけたルイズだが、モンモランシーが作った媚薬を飲んでしまい、デレデレ全開にっ!
それにしても、異世界が舞台なのに、判りやすくするためか、やたら地球と同じ衣類が出てきますな。しかし、コルセットやドロワーズがあるのに、アレが存在しないという謎。
後半は、死者を操る魔法で復活した隣国の王子が、女王に即位したアンリエッタを狙い、一行と戦いになるのだが……。ラブコメ80%でバトルは20%位しかない気がする。こんな所で80:20の法則を適用中か!?
メインキャラでありながら、無口なために存在感が薄い感じのタバサだが、この巻でその本名と正体が明らかとなる。他、気になる部分。設定に関しては先帝が先王に変わっているが、背景世界の作り込みが適当なのが、この物語の荒い点。戦争に関する記述も、結構ウソ臭い部分が多い。政治経済や、軍事面に関しては不得手なんでしょうか?
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ゼロの使い魔3 始祖の祈祷書
2008年10月29日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840111960 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2004/12 ¥609
異世界・ハルケギニアに使い魔として「召喚」されてしまった才人。可愛いけれど魔法の才能はゼロのご主人様・ルイズとともに、アンリエッタ王女から頼まれた任務を無事果たした。ルイズは自分を守るために戦ってくれた才人を意識しはじめ、着替えや洗濯を自分でやったりして、ちょっぴり優しく接するようになる。だが、才人は急に変わったルイズの態度に「嫌われて警戒されてる…」と勘違いして卑屈になってしまい、全然かみ合わない毎日が続いていた。そんな折、ルイズはアンリエッタの結婚式の巫女役を仰せつかる。巫女は『始祖の祈祷書』を持って詔をとなえるのが役目で、ルイズは学院長から『始祖の祈祷書』を預かるが…。
またしても、基本はツンデレ。でも犬扱いから昇格した。某人物が本命から圏外へと脱落していったから。使い魔君に命を助けられたルイズは、もはや骨抜きモードか!? 学園に勤めるメイドと才人(使い魔)の関係を疑ったルイズは激怒して部屋から追い出してしまい、泣きが入る。一方、追い出された才人はやさぐれて酒を飲み、学園敷地内の隅でテント暮らしの酔っ払い。そんな才人の所にルイズのライバル、キュルケがやってきて、宝探しに行く事に。
宝探しは本筋からの脱線に思えたのだが、メイド娘シエスタの村にあるという宝が……。某帝国が使っていたアレじゃないですか! うーん、そう来たか。どんなお宝なのかは、題名から推測してみて下さい。
そんな訳で、某帝国のお宝が出たからには戦争だろう。不可侵条約をアッサリと破った騙し討ちにより、トリステインは艦隊全滅。国家存亡の危機に陥る。それにしても、両軍共に有り得ない程兵力が少ない。尾張統一前の信長にも劣るような兵力しか準備出来ないなんて、トリステイン王国って尾張国よりも弱小なのだろうかという疑問が湧く。その程度ではせいぜい男爵領あたりが相応だろうに。きっと、背景世界についてはあまり考えずに書いているからだろうけど。
それにしても、某帝国のお宝は竜より強いぞ! そして、このシーンで御主人様もご都合主義的な事が起こり、華麗なる成長を遂げる。こういう展開は、やはり王道だなぁ。
こちらでは遺物のアレが超新兵器……。
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たったひとつの冴えたやりかた
2008年10月28日 長門有希の100冊ISBN:4150107394 文庫 浅倉 久志 早川書房 ¥756
やった!これでようやく宇宙に行ける!16歳の誕生日に両親からプレゼントされた小型スペースクーペを改造し、連邦基地のチェックもすり抜けて、そばかす娘コーティーはあこがれの星空へ飛びたった。だが冷凍睡眠から覚めた彼女を、意外な驚きが待っていた。頭の中に、イーアというエイリアンが住みついてしまったのだ!ふたりは意気投合して〈失われた植民地〉探険にのりだすが、この脳寄生体には恐ろしい秘密があった…。元気少女の愛と勇気と友情をえがいて読者をさわやかな感動にいざなう表題作ほか、星のきらめく大宇宙にくり広げられる壮大なドラマ全3篇を結集!
長門有希の2冊目
長門有希の100冊No.72
お勧めのSF作品として取り上げられる事が多いので、名前だけは知っていたのだが、今まで未読だった。途中まではコーティと寄生エイリアンの友情を描いたジュヴナイル小説かと思っていたら、衝撃的な結末を迎えてしまいました。なんだか救いが無いよなぁ。それが「たったひとつの冴えたやりかた」だとしても、ちょっと悲しすぎる。この衝撃の前に、ハードボイルド風味の第二話と、星間戦争を危うく回避した第三話が霞んでしまいました。
作者が実は女性で、寝たきりの夫を射殺した後に自らも自殺しているという衝撃の結末にも驚いた。かねてから自殺の取り決めがあったらしいので殺人事件というよりは心中と捉えるのが妥当かもしれない。
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ゼロの使い魔2 風のアルビオン
2008年10月28日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840111448 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2004/09/25 ¥609
パーティでルイズと近づけた気がした才人だが、ルイズは相変わらず才人を下僕扱い。納得いかない才人は、ルイズとケンカばかりしていた。そんなある日、トリステインの王女アンリエッタが、フーケを捕らえたルイズたちの力を見込んで頼みごとを持ちかけてきた。隣国アルビオンの皇太子から、手紙を返してもらってほしいという。その手紙は決して他人に見られてはならないものらしい。引き受けた才人たちは、護衛のワルド子爵とともに出かけることに。このワルド、なんとルイズの婚約者で、ルイズの満更でもない様子が才人は気に食わない。ワルドに惚れたキュルケやタバサも加わって、旅が始まるが―!?大人気の使い魔コメディ第2弾。
基本的に御主人様と使い魔のツンデレラブコメみたいな感じなのだが、世界がキナ臭くなって、陰謀や戦乱に巻き込まれたりもしてしまう。ただの使い魔では終わらない。基本的には犬扱いなのであるが、伝説の使い魔ガンダールヴの能力を手に入れてしまうというご都合主義設定により、滅法強くなるのだ。
隣国アルビオン(というか、隣接していない場所にあるから隣国じゃないですね)の戦乱が、トリステインにも影響を及ぼし始めるのだが、なんだか胡散臭い人物が出てきたと思ったら、見事に敵になってしまったりと、予想出来てしまうあたりが、やはり王道ラノベ。確かに捻りは無い。
それにしても、背景世界の設定は地球世界からの名前をそのまま取っていて、どこかの国を連想してしまう。敵ボスの名前なんて、そのままじゃないか! トリステインは王国なのに、前の支配者の事を先帝と言っていたり、現在の国王がいない状態だったり、どうやら一人娘っぽい王女が隣国との同盟のために婚姻する計画があったりと、政治や体制面での設定は、結構適当だな。普通、先帝なら王国じゃないでしょ? 王がいなければ姫は女王昇格でしょ? 一人娘なら、合併して同君連合という例外はあるにせよ、普通は嫁がないでしょ? このラノベは、人物設定は良いのだが、世界設定は難アリだね。
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ゼロの使い魔
2008年10月28日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840111057 文庫 兎塚 エイジ メディアファクトリー 2004/06 ¥609
「あんた誰?」―才人が目を覚ますと、可愛い女の子が才人を覗きこんでいた。見回すとあたりは見知らぬ場所で、魔法使いみたいな格好をしたやつらが、才人と女の子を取り囲んでいた。その女の子・ルイズが才人を使い魔として別の世界へ「召喚」したらしい。訳がわからず面くらう才人に、ルイズは契約だと言って、いきなりキスしてきた。俺のファーストキス!と怒る間もなく、手の甲にヘンな文字が浮かび、才人は使い魔にされてしまう。仕方なく、ルイズとともに暮らしながら、元の世界に戻る方法を探すことにした才人だが…。才人の使い魔生活コメディ。
題名と表紙からして、魔法使い系統だとは思ったが、主人公が使い魔だとは思いもしなかった。平凡な高校生だったはずの少年が、気づいてみれば異世界へ呼び出され、人間であるにも関わらず規則により使い魔とされてしまう。御主人様は貴族の娘ルイズで、失敗だらけでまともに魔法が使えないからゼロ呼ばわりされている。その失敗の一例として、普通の使い魔を呼び出すつもりが、何故か異世界の高校生を呼び出してしまった訳であるが。
使い古された設定、捻りが無い、ツンデレヒロイン、しかも御主人様の絵はハーマイオニーのパクリじゃないか! とまで言われてしまっているが、無難な王道作品に仕上がっているよ。難解な設定の物を読みたければ、ラノベではなくSFでも読めば良いと思う。
下手に難解な設定弄繰り回した挙句、捻るどころか足首捻ってそのまま転がっていくラノベが多すぎるので、型に嵌っていても良いと思う。これは、計算されて意図的にしているのであるから。作者の目論見は見事に成功しているね。かなり儲かったと思う。ラノベ入門書という意見には賛成したい。
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ISBN:4062146436 単行本 諏訪 哲史 講談社 2008/4/26 ¥1680
芥川賞受賞後第一作、待望の長篇小説刊行 小説とは、言葉とは、小説を書くという行為とは。様々な創作の問いを、リズミカルな兄妹の会話に、そしてささやかで切ない物語として描く、芥川賞受賞後第一作。
『アサッテな人』ほど斜に構えた小説ではなかった。だが、従来の小説に対する攻撃的な挑戦はヒシヒシと伝わってくる。いろんな意味で、普通じゃない。新しいモノを書きたいのなら、山崎ナオコーラもこの位はやらないと駄目だろう。
冒頭からいきなり、訳の判らない会話文! そして、地の文が無いままに、延々と会話だけが続いていく。あまりにも意味不明なので、最初から投げたくなって来たが、我慢して読み進める。
どうやら、兄と妹の二人による会話らしい。場所は病室、妹は難病で死にかけている様である。途中まで、この二人のしょうもない会話が続いていくのだが、隣にいる女性が盗み聞きをして、二人を登場人物として小説にしてしまっているという事が発覚!
この辺りから、小説部分で地の文も入ってくる。しかし、すでに兄妹の変な会話に洗脳されているので、普通に書かれている部分が邪魔に感じて仕方が無い。会話じゃない部分だけが、妙に浮いてしまい、凄く面白くない。無論、地の文章がクソ面白くないのは意図的である。これは、自慰行為的な芥川賞系統の作品に対する皮肉のつもりなのだろうか!?
最後がボカされているのだが、これってバッドエンドな気がする。
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ISBN:4062142147 単行本 諏訪 哲史 講談社 2007/07/21 ¥1,575
村上龍以来、約30年ぶりの快挙! 第50回群像新人賞、第137回芥川賞をダブル受賞した小説「アサッテの人」が刊行となりました。群像新人賞では選考委員各氏が絶賛し、芥川賞では、小川洋子氏、川上弘美氏、黒井千次氏ほかの支持を得ての受賞となりました。下記に各氏の選評を紹介します。
第137回芥川賞受賞作。
またしても作者のオナニーだったか……。小説というよりも、「アサッテの人」という小説を解説した評論文といった形式の小説になっている。物語の構造に凝るよりも、もっと内容自体を面白くして頂きたい。冒頭から、やたらと長い文章。所々、文章作法も意図的に無視。こういう技巧的な文章に凝りたがる実験作が多すぎる。そして、そういうのをもてはやす選考委員も多すぎる。同じ出版社でも、ラノベでやったら、文章の基本も押さえてないダメな人として弾かれて落選するだろ? 何で純文学だけが許されるのか。不可解だ。
選考委員が妙なものばかり選びたがるから、勢い、狙う人間もゲテモノばかり書くようになる。だが、ゲテモノばかり読まされる立場となる読者は堪らない。もっと普通に美味しい物語が読みたいです。変なものばかり読まされると、消化不良になる。
ワタクシワタクシキチガイ小説よりインパクトが劣るけど、文章作法無視の度合いはまだ低めで許せる範囲内か……。とりあえず、「介護入門」よりはマシだったけど、文章作法を無視しているから減点。受賞時の言動も社会人として不適切。
とにかく、読者の方ではなくアサッテの方向を向いている事だけはガチ!
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ISBN:4062758571 文庫 綾辻 行人 講談社 2007/10 ¥730
半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の7人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生きて残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。
長門有希の1冊目
長門有希の100冊No.25
お勧めされたので借りてみた。推理物は苦手なので、あまり読まないのだけど、これはなかなか面白かった。無人島で推理小説好きな同好会の若者が、何者かに殺されていく。登場人物の名前が本名じゃなくて、エラリイとかアガサとか、著名な作家から取ったハンドル・ネームみたいなもので呼ばれているから、最初はちょっと馴染めなかったが、途中からそれも気にならないくらいに集中して一気に読み終えた。推理主体だから、登場人物の描写はアッサリ風味だが、仕掛けはとても上手い。雰囲気が、ちょっとアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」っぽくて良かったよ。
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いもうとレッスン
2008年10月26日 このライトノベルがすごい?ISBN:4829657472 文庫 山口 昇一 フランス書院 2005/03 ¥680
「私、あなたのことが好き!」清楚な美貌を赤らめる遙。想いを寄せていたクラスメイトの告白にカオルは戸惑った。(だって、今のボクは女の子なんだから)女形修業のため、女子校に通う少年を待っていたのは、魅惑の花園生活?…英語教師の素子から初体験レッスンを受け、イジメッ子お嬢様にはエッチな制裁を加える毎日。(ボクは、本当は誰のことがイチバン好きなんだろう?)悩むカオルの前に、もう一人、禁じられた恋に苦しむ少女が現われる。誰よりも自分を守ってくれていた実の妹・瑞希。…お兄さまに本当の“女”を教えてあげる。
女形の修行として、妹が通う女子高へ転校させられてしまう香月カオル。それ、何て菊之助? すごくありがち設定だな。ジャンルとしては女装少年萌えでしょうか? 転入先で初日から先生を押し倒し、男なのがバレて口封じにツンデレキャラを押し倒し、百合キャラも押し倒し、挙句の果てには血の繋がった妹まで……。全て王道というか、どこかで聞いたような話ばかりで目新しくも何とも無い凡庸作品。
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べるとりる☆べる
2008年10月26日 このライトノベルがすごい?ISBN:4086301040 文庫 秋 史恭 集英社 2002/11 ¥540
馘…って、どういうことですかぁっ!?住みこみバイト先の喫茶店が突然閉店して、住所不定無職の運命をつきつけられた悠司。マスターは一通の紹介状を残し姿を消した。そんな彼を拾ったのはファミレス“べるとりる”。入社当日、悠司はどういうわけか社長から「店長」として皆に紹介されて…。元彼女・えりか、社長の愛娘・舞との恋模様と共に綴られてゆくウインター・ラヴストーリー。
ちょっと表紙の絵が微妙だし、題名もひらがなだから微妙だけど、意外に読めた。ラノベにしては雰囲気や気分や勢いだけではなく、ちゃんとファミレスの内部が再現されているし、ビジネスの厳しさも描かれていて良かった。さらに、その厳しさに押し潰されず、果敢に挑戦する主人公青年。ラノベにしては珍しくヘタレじゃなかったのも意外。ラノベの主役って大抵ヘタレだからな。
住み込みでバイトしていた喫茶店が突如閉店し、住所不定無職となってしまう主人公。消え去った喫茶店マスターが残した紹介状を頼りに向かった先は、ファミレスべるとりるだった。何故か元彼女えりかも働くことになり、べるとりる社長の娘との間でなんとなく三角関係。意外に読めはしたのだけど、売れなかったのか、一発屋で終わってるっぽいのが残念。そう悪くはないと思うんだが。
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ISBN:4104645028 単行本 森見 登美彦 新潮社 2006/10/28 ¥1,470
京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。
ちょっと不思議系の四編で、結末が曖昧なのばかりだから微妙。まるで、恩田陸の煙に巻くスタイルみたいだ。他作品のような毒舌っぷりもないから小さく纏ってしまっている。趣向が違うという事だから、どれを読んでも同じ物ばかりと言った金太郎飴型作家よりは断然良いとは思うが。ストーリーよりも雰囲気重視な作品だから、コメントするのが難しい。意表を衝くような展開、結末が待ち構えている訳では無いから、読後も印象が薄いし。まあ、「太陽の塔」よりは面白かったよ。
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新釈 走れメロス 他四篇
2008年10月24日 読書ISBN:4396632797 単行本 森見 登美彦 祥伝社 2007/03/13 ¥1,470
あの名作が、京の都に甦る!?暴走する恋と友情――若き文士・森見登美彦の近代文学リミックス集!その時、彼の腕を通りすがりの女性が必死で掴み、「ちょっとすいません!」と叫んだ。思わず見返した相手は驚くほどに可憐な乙女であり、目に涙を溜めている。芽野は決して女性に腕を掴まれたぐらいでのぼせ上がるような人間ではないけれども、理由を聞く前から彼女の涙にもらい泣きしていた。(「走れメロス」より)異様なテンションで京都の街を突っ走る表題作をはじめ、先達への敬意(リスペクト)が切なさと笑いをさそう、五つの傑作短編。 山月記/薮の中/走れメロス/桜の森の満開の下/百物語を収録。
他人の褌で相撲を取りやがって……。そう思いながら読み始めたものの、ちょっと似ていたり、似ていなかったり、すごくふざけた内容に変貌していたりして、これはこれで面白い。特徴的な森見ワールドが展開されている。全て別個の話のようでありながら、登場人物や背景設定が微妙に繋がっているので、思わず読み返してしまった。
やはり表題のメロスが素晴らしい。本物とはかけ離れたダメ男なメロスが良い味出しています。こんなのもう、メロスじゃないや(笑)。
文学史に残る作品を、現代風に、かつゲテモノ風味にアレンジ。何度も同じ手を使ったら萎えるかもしれないけど、この一作だけで終わるならば良いんじゃないでしょうか。
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