ISBN:4044453039 文庫 榎木 洋子 角川書店 2004/10/29 ¥460
15歳の真夜は幼くして両親と死別、育て親の叔父も死に、生まれ故郷の英国を離れて、唯一の肉親である祖母を頼って日本へと来た。ようやく平穏な日々を手に入れたかに思えたが、死の影は再び真夜に牙をむいた。「私はもう逃げない」―真夜は自分を守る異界の騎士レイヴェンと共に、運命と闘う決意をする。真夜を狙う敵の正体は。そして真夜とレイヴェンの関係は!?榎木洋子が贈る、愛と宿命のドラマティック・ファンタジー。

投売りコーナーで発掘。表紙のリスカ少女に釣られてゲット。

身内を次々に失って来た少女は、叔父も失い独りとなる。産まれた直後に祖父と父と双子の姉を、5歳の時に母を、そして叔父もいなくなった。拾ってきた動物も全て死んでしまうという徹底した呪われっぷりに、葬儀の後、手渡されていた短剣で手首を切るのだが……。血とともに現れた、この世界のモノでは無い何か。黒の騎士と契約した少女は、祖母のいる日本へ向かう。

これ、シリーズ物なのか……。終盤で、呪いの正体は明かされるのだが、敵との決着はつかないまま。新古書店の投売りコーナーに続きがあれば良いのだが。

見えない誰かと

2008年10月1日 読書
ISBN:4396681194 単行本 瀬尾 まいこ 祥伝社 2006/12 ¥1,365
「以前の私は人見知りが激しく、他人と打ち解けるのに、とても時間がかかった。社会に出てからも、わざわざ親しくもない人と一緒に何かするくらいなら、一人でいたいというつまらない人間だった。でも、…」誰かとつながる。それは幸せなことだ…待望の初エッセイ。

「図書館の神様」の瀬尾まいこ、初エッセイ。結構、苦労していますね、この人。何回も何回も教員採用試験に落ちまくるのが凄いというか、それでも諦めないのが凄いというか……。司法試験じゃないのだから、そこまで落ちたりはしないだろうに、余程、要領が悪いのだろう。

下手なエッセイにありがちな垂れ流しの自慰的文章ではなく、原田宗典や群ようこみたいに徹底してエンタに走るでもなく、淡々と綴られる文章からさりげなく苦労の痕跡が滲み出ている。こういうのは、人生の苦味を知った人間にしか書けないし、余計な苦労を背負い込んできた人間にしか読み取れない気がする。背伸びしない文章で良かったよ。
ISBN:4163258302 単行本 北村 薫 文藝春秋 2007/04 ¥1,250

第137回直木賞候補作。

直木賞選考結果が出る前に、かなり絶賛されていて、結果予想をしている人のページでも受賞確実と豪語していたので期待したのだが、それほど凄くもなかった。きっと、何度も何度も候補となりながら受賞出来ない北村薫を受賞させたい信者だったに違いない。悪くは無いのだが、何かが足りない。これで受賞させるなら、真保や伊坂や白石や恩田や森見も受賞させないと不自然になるからね。

「街の灯」の続編。とは言っても短編の連なりなので、これ単品でも読める。今回も些細な事件をお嬢様が見極める。事件の真実には迫るのだが、解答を得るだけであって、別に事件を解決する訳ではないところが、名探偵物とは違うところ。

前回も殺人事件ネタがあったのだが、今回も同様に、些細な事件に混じってひとつだけ殺人ネタがある。それが表題となっている「玻璃の天」という短編。そして、この事件で謎の運転手ベッキーさんの過去がっ! この話が含まれているが故に、単品でも読めるとはいっても、やはり「街の灯」を読んでから本作を読み進めるのが正しい楽しみ方となるでしょう。

街の灯

2008年9月30日 読書
ISBN:4167586045 文庫 北村 薫 文藝春秋 2006/05 ¥500
昭和七年、士族出身の上流家庭・花村家にやってきた女性運転手別宮みつ子。令嬢の英子はサッカレーの『虚栄の市』のヒロインにちなみ、彼女をベッキーさんと呼ぶ。新聞に載った変死事件の謎を解く「虚栄の市」、英子の兄を悩ませる暗号の謎「銀座八丁」、映写会上映中の同席者の死を推理する「街の灯」の三篇を収録。

直木賞候補作となった「玻璃の天」を読もうとしたら、これが前作である事を知り、慌てて借りてきた。シリーズ物でも、見た目で判別出来ないのが多いから困る。「街の灯」→「瑠璃の天」です。

昭和初期、女子学習院に通う上流階級のお嬢様、花村英子が主人公。周辺で起こるちょっとした事件を、お嬢様が謎解きする。飢えで苦しむ人間がいる時代、優雅に暮らす人々の物語なのが萎え気味になるけれども、世間知らずの馬鹿娘ではなく、頭の回転が速いので許容範囲。主人公よりも、運転手兼ボディガード役のベッキーさんのほうが気になる。女でありながら運転手に抜擢され、剣技にも秀で、拳銃まで的に命中させてしまうという謎の人。

イルカの島

2008年9月28日 SF特集
ISBN:4488611036 文庫 小野田 和子 東京創元社 1994/02 ¥504
密航したホヴァーシップが沈み、ただひとり海上にとり残された家出少年のジョニー。彼を救ったのは、なんと一群のイルカたちだった。彼らに運ばれていった先の孤島では、科学者たちがイルカ研究のために暮らしていた。しかも、所長はイルカ語を解し、このイルカたちも人間と意思を通わせることができたのだ。名匠が、大海原の神秘と景観をあますところなく描いた海洋SFの傑作。

アーサー・C・クラークだから読んでみたが、どうもあんまりSFを読んでいる気がしない。イルカとコミュニケーションを取る部分で、イルカ族の語り部に伝わる、古代に宇宙船が水没したらしき伝承は出てくるものの、それ以外は、イルカと少年のふれあいを描いたジュブナイル小説にしか思えませんが……。SFはSFでも、少し不思議SFなのかもしれない。もっと派手なのが好きなのだが。あまりにも優等生的な内容なのが、ちょっと肌に合わなかったのかもしれない。
ISBN:4198622469 単行本 Echan Deravy 徳間書店 2006/10 ¥1,890
エチオピアの伝説のアーク探究、古代地図と海底遺跡、現代文明のカルマ…。超古代文明から超意識世界=スーパーナチュラルへ。エハン・デラヴィとの対談による謎と神秘の探求の果て、ハンコックが得た驚異の結論とは?

とりあえず、題名が長すぎっ! もうちょっとシンプルにしろよな。題名を見て、とうとうハンコックもオカルトに逝ってしまったかと思った。初期の著書はまだ、結果が得られない水曜スペシャル取材班みたいな歯切れの悪さはあったものの、真摯に失われた古代の遺産を追い求める姿勢があったのだが。

本書ではオカルト要素急上昇、いかにも徳間書店的な奇書に仕上がってしまった。幻覚作用のあるアヤワスカを服用して得られる世界を異次元とか論じられても……。意外に評価は高いのだが、エハン・デラヴィとの対談形式で内容もイマイチ、しかもオカルトだし、オカルト雑誌のノリが好きな人ならOKかもしれないけど、現代科学で実証出来ない事象を真摯に追い求めていくノンフィクションを期待するならNGである。
ISBN:4797469943 単行本 木村 卯月 新風舎 2005/11 ¥998
私立白椿高等学園に通う美紀は、優しいボーイフレンド正人とラブラブ同棲中。しかし、クラスメイトで学園のアイドル理恵に窮地を助けられて以来、理恵のことが気になって仕方がない。理恵の家に泊まったある夜、突然理恵が美紀の身体を抱き寄せて―!?美少女二人が繰り広げるドッキドキ・ガールズラブストーリー。

コミックじゃないんだね……。思いっきり、シロガネヒナ表紙に騙されました。百合物という事ですが、中身は女子高生が書いたようなネット小説クオリティで、文章は上手くないし、物語の展開はいきあたりばったりな感じで、非常にイケてないデス。

百合がウリなのにも関わらず、片方が男と同棲している点も問題となっている。全国1000万のゆりちゃんからブーイングの嵐が殺到したに違いない。
 
 
このラノベは、シロガネヒナの表紙が全てデス。

ISBN:434401295X 単行本 松井 今朝子 幻冬舎 2007/03 ¥1,680
なぜ、吉原一の花魁葛城は、忽然と姿を消したのか? 遣手、幇間、女衒ーー人々の口から語られる廓の表と裏。やがて隠されていた真実が少しずつ明らかになっていく……。吉原を鮮やかに浮かび上がらせた、時代小説のあらたな傑作!

第137回直木賞受賞作。

この回は、まだ全部は読めていないのだが、この作品が受賞しているのは妥当だと思う。

吉原一番の花魁、葛城が客と共に失踪してしまうという事件が起こるのだが、物語の中心人物でありながら、葛城は一度も登場しない。事件の謎を解くために若い男が吉原に関わった人物に聞き込み調査を行うという形式で話が進んでいく。その全てが、誰某の弁といった感じで、葛城について聞かれた人物の独り語りとなっている。

ちょっと変わった形式で書かれているので、慣れてくるまでは読み難いのだが、事件の真相に迫るにつれ、どんどん物語に引き込まれて行く。読み終えた時、一体何が起こったのか、明らかとなるだろう。
ISBN:456955847X 単行本(ソフトカバー) 中島 義道 PHP研究所 1997/10 ¥693
「何か質問は?」―教師が語りかけても沈黙を続ける学生たち。街中に溢れる「アアしましょう、コウしてはいけません」という放送・看板etc.なぜ、この国の人々は、個人同士が正面から向き合う「対話」を避けるのか?そしてかくも無意味で暴力的な言葉の氾濫に耐えているのか?著者は、日本的思いやり・優しさこそが、「対話」を妨げていると指摘。誰からも言葉を奪うことのない、風通しよい社会の実現を願って、現代日本の精神風土の「根」に迫った一冊である。

この人、ただのダメなおじさんじゃなかったんだね。ここまで自分にとって直接利益の無い事で憤り、無駄とも思える行動をするなんて……。しかし、欧米には対話が存在するのだろうかという疑問も沸く。日本がダメなのは判るけど、対話のある社会が具体的にどのような世界となるのか示されていないのが残念。

授業中や他人が発言している時に私語をするヤツはおかしいと思うし、黙らせるべきだとは思うけど、本来は最高頭脳が集結して然るべき国会ですら出来ていないからねぇ……。国政を担う人々ですら出来ない事を、小学生や大学生が実践出来るとも思えないのだけど。

 

2008年9月23日 芥川賞・直木賞

ISBN:4062758261 文庫 本谷 有希子 講談社 2007/08/11 ¥420
引き籠もりの少女・江利子と“絶対”と名付けられた犬のコンビが繰り広げるぬるい日常を、姉の視線から描く表題作『江利子と絶対』。頭髪に問題を抱えた中年男・多田と、その隣人の帰宅を生垣に潜んで待つ女、アキ子。ふたりの悲惨な愛の姿を過剰なまでのスケールで描き出した『生垣の女』。問題児でいじめっ子の波多野君と、その手下の僕と吉見君。3人の小学生が迷い込んだ、窓のない屋敷は……。手に汗握る殺人鬼との攻防を描く、ホラー傑作『暗狩』の3編を収録。

帯にこう書いてある。
悪意、ユーモア、溢れる想像力。
やっぱり、おもしろくなければ文学じゃない!


激しく同意。昨今の糞面白くない芥川賞系統作品は、単なる自慰行為である。読まされて「だから何?」という感想しか出てこない本なんて糞食らえ! である。

題名が変だから面白くなさそうだと思っていたのだが、三篇全てが凄い。表題作は、ちょっと頭がおかしい江利子という引き篭もり人間な妹が主人公で、絶対というのは虐められて身体がおかしくなった犬の名前だった。

二番目の「生垣の女」は頭がおかしいストーカー女が転がり込んでくる話で、座敷女みたいに強烈なキモキャラである。しかし、主人公がストーカーされているのではない。生垣女は別の男を追いかけているのだが、あまりにもモテナイ君なので、座敷女級の相手にさえ依存してしまうのである。二人ともキモすぎる。

最後の「暗狩」はちょっとなぁ……。駄目じゃないけど、連続殺人鬼のキチガイが出てくる話なので、個人的には受け付けない。出てきた人間がほとんど殺されてしまう、徹底して救いの無い話だ。暗黒乙一作品を、極限まで暗黒度数と不快指数を高めたような作品である。
ISBN:4309018084 単行本 青山 七恵 河出書房新社 2007/02/16 ¥1,260
人っていやね......人は去っていくからね。20歳の知寿が居候することになったのは、 母の知り合いである71歳・吟子さんの家。駅のホームが見える小さな平屋で暮らし始めた私は、キオスクで働き、恋をし、吟子さんとホースケさんの恋にあてられ、少しずつ成長していく。選考委員が絶賛した第136回芥川賞受賞作。

第136回芥川賞受賞作。

東京に出てきた平凡な女が、血縁の老人宅へ居候しながら勉強しないでバイトしたり恋愛したり失恋したり失恋したりする凡庸な物語。ちっとも盛り上がらないのだけど、酷すぎる芥川賞関連の自慰行為作品ばかり読まされるから、凡庸ではあってもちゃんと物語になっている、ちゃんと日本語になっている、ちゃんと文章作法が守られている、ただそれだけで許したくなってしまうのは何故だろう。

この回は、比較的まともな作品が多かったが、やはりどれもこれも面白くない。全部面白くないのならば、若いというだけで、青山七恵が有利になるのは当然だろう。しかし、このレベルの盛り上がりに欠ける作風で受賞ならば、同じような感じの島本理生にもあげて良い気がするのだが。

とりあえず、「窓の灯」よりは向上した。モッサリした感じのモテそうにない女が主人公だ。このモッサリ感は多分、綿矢や金原みたいにモテそうな女では出せない。島本理生もモッサリ系の主人公を描くから、同じような匂いがするのだけれども、気のせいだろうか。それにしても、短い物語の中で二回も失恋してしまうとは、少し哀れである。
ISBN:4334740154 文庫 梶尾 真治 光文社 2006/02/09 ¥500
全宇宙のスーパー・ヒーローが集結した「超人サミット」会場が、爆弾テロに襲われた!奇跡的に生き残ったのは、アルバイト青年の脳のみ。バラバラになった48超人のパーツがツギハギされ、ここに気弱な最強ヒーロー・怪傑ミイラ男が誕生した!美少女天才科学者と共に、彼は日夜、宇宙の平和のために闘うのだった。読めば元気が湧く爆笑スペースオペラ。

ちょっと気になっていたのだが、ここまでおバカな作品だとは……。作品紹介ではスペースオペラという区分になってはいるけれども、限りなくラノベっぽい。これをそのままSFに分類してしまって良いものか、迷ってしまう。

ズヴゥフル総合大学で学ぼうとしたものの、不合格となりヤミナベ・ポリスでフリーター状態の浪人生カズヒコ。ある日、テロに巻き込まれてしまうのだが、気がつけば、テロで死亡した各種超人達の残骸をつぎはぎしたミイラ男に改造されてしまっていた。とっても馬鹿っぽいヒーローの誕生である。かくして、本人の意思など関係なく、強引に悪の組織パンドラと戦わされる事に。

無理やりヒーローにされてしまったカズヒコも馬鹿っぽいが、敵方の構成員も馬鹿っぽいのばかり。作者のお遊び満載なので、好き嫌いが分かれるだろう。最後には、世界の危機が迫り、上方世界から“神”が降臨して終末を迎えてしまう。ある意味、究極の反則技である。
ISBN:4829163402 文庫 早見 裕司 富士見書房 2006/02/10 ¥588
公認カップル制度の危機が!? 好評シリーズ第二弾。男女の比率が1:30という女の子だらけの学園。そんな中で「学園の逆マドンナ」と呼ばれる圭介の、彼女の座を射止めた夏樹に対する風当たりは強い!圭介を狙う生徒会長・公佳からはた迷惑な推理勝負を挑まれてしまう。

何故か絵師が変わった。この絵の方が、主人公も可愛いではないか。朝香夏樹を慕う中等部の後輩や、ヤン姉系の先輩も加わり、登場人物も豊かになってきた。

しかし、この巻で終了。一体、何があったのか。「大人の事情」という誤魔化しはしたくないが、立場上書けなくて悔しいと書いてある。他社の新刊を宣伝していたりするし、富士見に切り捨てられたのかね? 富士見って新興レーベルに追い上げられて凋落しつつあるし(すでにメディアファクトリーには負けている)、何らかの「大人の事情」があったんでしょうね。

今回は、成績優秀で東大を狙う三年生が、赤いハイヒールを履いて登校するという事件が起こる。本人は、夢のお告げだから、女性物の靴で一週間登校しないと駄目だと言い張る。学園支配を狙う悪の教頭も、相手の成績が良いので強気で出られず。こいつは、人間を成績で判断する糞教師である。

実際のところ、赤い靴事件は本人の受験ノイローゼとかではなく、別の意図が隠されていたのであるが。そこで愛の探偵双葉圭介の推理が始まる。

前作の最後でちらりと出てきた妙なモノが、今回は派手に登場。最後の最後がそんな人智を超えた力押しで良いのだろうか(笑)。まあ、大人の事情だから、作品をちゃんと終わらすためには仕方が無かったのだろう。終わり切れなくて途中で投げるジャ●プ漫画と比べたら許容範囲。(このラノベは、大人の事情で終了です。)
ISBN:4829163151 文庫 早見 裕司 富士見書房 2005/08/10 ¥588
私立小平白百合学園には、ある風変わりな校則があった。それが『公認カップル制度』だ!両思いで、学園の審査委員会が認めた男女は、学校に届けを出して『公認カップル証』という証明書をもらう。ところが…。(学校公認なんて、はかないものよねえ…)公認カップル証を持つ朝香夏樹には大問題があった。恋人の双葉圭介がもてすぎて、なかなかふたりっきりになれないのだ!もちろん圭介の愛は夏樹に向いている。それでも彼に近づく女の子たちがいっぱい!!圭介は女の子たちに、大事な彼女がいるからと言ってくれるけど―。やっぱり夏樹は面白くない!!そんな夏樹がもくろんだのは、ふたりっきりの空間・映画鑑賞クラブ立ち上げだった!開かずの部屋の秘密を解き明かし部室ゲットなるか!?『Mr.サイレント』シリーズの著者が新たに送り出す、学園ピュアらぶラブ・ミステリー。

公認カップル制度がある妙な学校が舞台となるのだが、開かずの間を歩く足音がした事から事件の匂いが!? 普段は寝てばかりの少年双葉圭介は、メガネをかけると頭脳明晰な愛の名探偵に!? うーむ、メガネ属性か、しかも男子……。いろんな属性があるけれども、メガネ属性だけは何が良いのか理解出来ん。

圭介と公認カップルになった主人公の朝香夏樹はメガネ属性のある、長身の美人。融通の利かない生徒会長に取り入った敵と、開かずの間問題で推理戦を展開する事に。

人が死なない爽やか系ミステリーなのは良いのだが、最後の最後で人智を超えた妙なモノがちらりと見えるのはちょっとなぁ……。(最後に変なのが出てくるよ。)
ISBN:4104608017 単行本 西澤 保彦 新潮社 2003/06 ¥1,365
怪獣! 宇宙人! そして改造人間! 次々と出現する、人知を超えた謎、謎、謎。特撮のヒーローの名前など、特撮もののファンはクスリと笑ってしまう本格特撮ミステリ小説。『小説新潮』「大密室」に掲載された作品を収録。

しまった……。
喜国雅彦な表紙に騙されて借りてきてしまったけど、最悪っ!

クソ面白くないというわけではないのだけれども、クソくだらないのは確かだ。ナンパ三人組が女遊びしようとする度に、物語の進行とは何の脈絡もなく突如、怪獣だの宇宙人だの幽霊だのが出てくる。しかも、強引に割り込んでくるのに、結末とは何の関係も無いのが多い。

キテレツぅ〜、この本ダメなり……。
ISBN:4569553397 単行本(ソフトカバー) 山中 康裕 PHP研究所 1996/10 ¥693
人には誰でも「生きられなかった人生の半分」がある。その影の部分に光をあてて、「自己」を実現して生きることが人生の真の目的であると、心の医者・ユングは考えた。著者は、自らの臨床経験を踏まえて、ユング心理学における無意識・夢・自己実現、クライアントたちとの心のドラマ、河合隼雄氏との出会い等を、平易な語り口で解き明かしていく。本書で語られる「臨床ユング心理学」は、これまで気づくことのなかった人生の豊かな可能性を教えてくれる、新しい心理学である。

題名からして、難解な内容であると覚悟したのだが、予想に反して平易で読みやすく良い。実際に携わった臨床例の他、ユングやフロイトに関する記述もあり、これが彼らの人生を知るのに役立つ。
ISBN:4569555667 単行本(ソフトカバー) 加藤 寛 PHP研究所 1997/02 ¥693
その生涯を通して「官」と戦い、「民」の思想を築いた福沢諭吉。官僚主導の弊害と、行革・規制緩和の推進が叫ばれる今日を彼ならどう見るか。閉塞状況にある現代日本の処方箋を探る。

紙切れになっている福沢諭吉はともかく、本人自体はあまり好きでは無い。諭吉本人ではなく、加藤寛という著者が成りかわって現代日本の問題点を論じるという構図もどうかと思う。しかも中途半端になっているし……。だが、福沢諭吉に関する知識が増えたのは有難い。
ISBN:4569556760 単行本(ソフトカバー) 畑山 博 PHP研究所 1997/08 ¥690
世界の大ベストセラー『星の王子さま』をはじめとする魅力的な作品群を残し、四十四歳の若さでこの世を去ったサン=テグジュペリ。彼の実生活における成功と挫折、思想や人間観は、どのような形で作品に現れ、その深い孤独はいかにして『星の王子さま』へと昇華されていったか。本書では、もう一人の“星空詩人”宮沢賢治との類似性を挙げながら、サン=テグジュペリの生涯と物語世界の魅力を余すことなく語り尽くす。

パイロットであり、作家でもあったサン=テグジュペリの人生と心の葛藤が見えてくる。「星の王子様」があまりにも有名だが、他の作品も飛行士を描いた力作揃いだ。著書に触れていなくても、本書で作品がどのような内容であるか見えてくるのが有難い。墜落する話が多い気がするのだが、サン=テグジュペリ自らの運命も、著書と同じ結末を迎えてしまうのが悲劇的である。夜空に消えたままであれば、遺された人々にとってはファンタジーかもしれないが、本人にとっては災難以外の何物でもない。結局、飛行機の残骸が発見されてしまった事で、人々の夢も潰えてしまったし……。

虹の星

2008年9月11日 読書
ISBN:4093941300 単行本 高砂 淳二 小学館 2008/6/11 ¥3,150
高砂淳二が世界中で出会った、虹だけの写真集。世界で「幸運の象徴」と言われる虹。高砂氏が「夜の虹」に出会ってから、世界中を巡って撮り続けた虹を全ページに掲載。「私たちは美しい虹の星に住んでいる」というメッセージを持った、祝福の写真集です。

虹ばかり集めた写真集。どれも幻想的な光景で素晴らしい。アフリカの大地や大きな滝に浮かび上がる虹。通常では見る事が出来ない、上空から見下ろした虹まであって楽しめる。夜空に浮かぶものや、月とセットになったものも、なかなかお目にかかれない。人類に汚された文明圏でさえ、空に浮かぶ虹だけは変わらず美しい。

それにしても、動物と虹がセットになっているものが結構あるのだが、シマウマやアザラシは見向きもしない(笑)。虹を見る生き物なんて、毛の抜けた直立歩行猿しかいないのかもしれない。

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