四コマ漫画―北斎から「萌え」まで(岩波新書新赤版1203)
2009年12月30日 読書現代日本は漫画大国といわれるが、これは今に始まったことではない。江戸時代も同じで、あの『北斎漫画』には四コマ漫画の原点ともいうべき作品がある。以来、今日の「萌え」四コマまで、時代の世相・風俗を記録する四コマ漫画が描かれてきた。「サザエさん」「らき☆すた」など名作・話題作七六点を取り上げ、一九〇年の歴史をたどる。
最初のカラー部分が「サザエさん」で、ページを捲ると、いきなり「らき☆すた」だったから笑った。
江戸時代の「北斎漫画」から現代の「らき☆すた」まで、扱っている範囲が広い。古い時代のものから順番に並んでいるので、四コマ漫画の変遷が分かって面白い。初めはコマが四つに確定しておらず、六コマとかもある。日本では次第に四コマになって行くのだが、世界共通という訳でもないようだ。三コマとかも結構ある。
最初のほうは、やたらと文字が多い。絵そのもので表現するのではなくて、挿絵程度にしかなっていない気がする。数多くの具体例が紹介されているのだが、著作権者から使用許可を取るの大変だっただろうな。
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貨幣とは何だろうか(ちくま新書001)
2009年12月29日 読書貨幣を経済学の封じこめから解き放ち、人間の根源的なあり方の条件から光をあてて考察する貨幣の社会哲学。世界の名作を“貨幣小説”として読むなど冒険的試みに満ちたスリリングな論考。貨幣を人間関係の結晶化と見、自由と秩序をつくりだす媒介者としての重要性を説く。貨幣なき空間は死とカオスと暴力の世界に変貌するからだ。貨幣への新たな視線を獲得することを学ぶための必読の書。
悪書ではないのだろうけど、新書としては難解すぎる高度な内容。しかも、題名と中身が合っていない。この題名だと、貨幣そのものを定義する経済書のような内容を期待してしまう。
実際は、「貨幣」というテーマで論じた哲学書に近いので、経済や歴史に絡んだ内容を期待して手に取ると、大きく裏切られる。哲学、文学、歴史、経済と、幅広い知識を読み手に要求しており、最近のペラい新書と同じ感覚で読み始めると、中身について行けず涙目になる。とりあえず、哲学知識が無いと、狐狸に化かされた後のような脱力感しか残らない。
結局、貨幣って何なの?
それ美味しいの?
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国会議員(平凡社新書006)
2009年12月28日 読書野党の論客議員として24年のキャリアをもつ著者が自らの軌跡をドキュメントタッチでつづりながら、国会議員の仕事とは何か、国会は何をすべき場所なのかを痛烈にただす。
国会議員という得体の知れない人々が、一体何をやっているのかが垣間見える。もっとも、書いている人が共産党議員だけに、その暗部までは見えてこないが(笑)。
それにしても、自民党の金権腐敗ぶりは物凄いですな。「自民党汚職史」という内容で、もう一冊書けそうだよね。自分だけが知っているネタで株を購入したらインサイダー取引になるのに、一国の総理が国策で値上がりさせる予定の土地を先に買い占め、自作自演的土地転がしで儲けるのはOKなんですか?
さすが小日本帝国だけあって、やっている事が東南アジアやアフリカの独裁国家に似ていますね。本書では「ルールなき資本主義」と呼ばれているが、他の資本主義国家と比べて明らかに異質だと思う。まあ、民度が低い国民は、自分達に見合った程度の政府しか持てないという具体例ではあるよね。
あらゆる分野で中国にも抜かされ始めたし、もう日本が世界一として誇れるモノは、労働時間と過労死者数くらいになってしまった(苦笑)。ご愁傷様。あとは、自殺率と自殺者数と奴隷者数も頑張れば世界一になれそうな気がする。頑張れニッポン!
※1
我が日本の年間労働時間はァァァァァァァアアア 世界一ィィィイイイイ!
我が日本の過労死者数はァァァァァァァアアア 世界一ィィィイイイイ!
(※1)年間労働時間等について、中国が日本を超えているという意見もありましたが、具体的な数値が掲載されていなかったので、今回は対象外とします。研修生という名の中国人奴隷が逃げ出してシェルターに保護されたりする現状、中国に負けているとは思えないけどね。だって、中国よりも労働条件がマシだったら、逃亡したりしないだろうし。北朝鮮の拉致問題より先に、自国内の隠れ奴隷制度をどうにかしないと、説得力が無いと思うのだが。
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ユーロは世界を変える(平凡社新書005)
2009年12月27日 読書ついに発足した欧州統合通貨ユーロ。しかしそれはほんの始まりにすぎない。ドルとの対決、日本への影響、政治統合のゆくえ……。ユーロは世界をどんな姿に変えていくのか?
書かれたのが99年なので、データとしては古く、過去の出来事と化しているが、今でも一読するだけの価値はあると思う。
通貨統合という人類史上稀有の壮大な実験が、いかにして成し遂げられたのかを知る事が出来る。まだ結果が出ていない時代に書かれているので、通貨としてのユーロを見る目は半信半疑と言った感じ。その後の動向を見れば、ユーロが世界を変えたかどうかは一目瞭然であるが。
今後は、ドル、ユーロ、元の三極構造になって行くのだろう。何もかもが駄目になって没落の一途をたどる何処かの島国で使われている円は、ただの地域通貨に過ぎなくなるのだろう。最悪、膨れ上がった借金の重みで自壊し、デフォルトにより紙切れと化す可能性もあるけどね。
「こんなものまで持っていやがったぜ! 今じゃあケツをふく紙にもなりゃしねってのによぉ!」(Zのメンバー)
つまりこうなる訳ですねわかります!
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人生に意味はあるか(講談社現代新書1787)
2009年12月26日 読書人生の「目的と意味」は何か?本気で考え始めると、抜け出られなくなってしまいそうで、何となく、怖い。そんな気がして、あまり考えないようにしてきた、という方も、少なくないようです。そんなあなたがこの問題について真剣に考え抜き、そして、心の底から納得できる「人生のほんとうの意味と目的」を探し求める旅に出るための、ガイドブックのような本です。
誰も永久に正解を出す事など出来ない究極の問いであるが、哲学や宗教による観点から分析している部分は評価出来る。しかし、著者の個人的な体験談は眉唾物である。科学でも哲学でも宗教でも答えが出せないと、やはり最後はオカルトに走るしかないのだろうか。
結局、人生なんて生きている間の自己満足にすぎないと思うけど。つまり、最終的には意味なんて存在しない。神と同じで、在ると思う人の心の中にだけ、擬似的に存在する夢幻だと思う。生きている間に自己満足出来るような満たされた人は意味があると思えるかもしれないが、負け組にとって、人生の意味など考えても何の価値も無い。
せめてもの救いは、どんなに幸福な人生を過ごせた勝者であっても、死んでしまえば何も残らないという点だろう。この不浄の世界に満足出来なかった者にとっては、人生の意味などあっては困るのだ。
人生なんて、一度もセーブデータを取らずにプレイするドラクエと同じだろう!? レベル1で終わってしまったやつも、レベル99まで上げてレアアイテム全部集めたやつも、死という名のリセットボタンを押されたら、リアル人生ゲームRPGから完全クリア(笑)。セーブデータどころか、プレイしたという自己満足の記憶すら残らない行為に、意味はあるのか?
誰かの記憶に残れば自分の人生に意味はあるという詭弁もあるけれども、自分を覚えてくれている人だって、100年もたずに死にますからね。さらに、人類という種自体も未来のある時点で滅びるし、地球も赤色巨星と化した太陽に飲み込まれて滅びるし、銀河系だって中央にあるビッグマザー(中心核となる巨大質量ブラックホール)が銀河団質量まで成長して滅びてしまう。宇宙そのものだって、収縮に転じて終わってしまうか、あるいは永遠に膨張して熱死するかの二択で、どちらに転んでも未来は無い。
人生に意味があるなどと戯言をほざくのは、人生の勝者だけだと思う。たまたま人生の当たりクジを引いただけで偉そうな事を言う奴等には、死の宣告と臭い息とチョコボックルとみんなのうらみを、同時攻撃で喰らわせたいところである。
なんだこのリアル人生RPGは! いくら戦っても、しあわせの靴どころか、ひのきのぼうすら落ちないじゃないか!!!1
とりあえず、私の人生にもエリクサーくれよっ!!
源氏シリーズ落とせよ!!
出てきた宝箱が全部ミミックじゃないかっ!!
もうずっと敵のターンだし、フルボッコだし!!
痛恨の一撃は止めてくれよOrz
返事がないただの生きる屍のようだ。←今ここ
パトラッシュぼくもう疲れたよ……。
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美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。
平野勇気は、高校卒業と同時に、勝手に就職先を決められてしまう。抗議しようにも、親に荷物を送られてしまい、追い出されるように三重の山奥へ。何が何だか判らないまま、餞別三万円だけ持たされて、携帯の電波すら通じない過疎の村へ。
迎えに現れた金髪男ヨキに、携帯の電池パックを投げ捨てられてしまった勇気は、さらに村の最深部へと連れて行かれる。そこで待っていた仕事は、林業! 都会育ちで山の素人が、何が何だか訳も分らないまま、いきなり現場で修行させられてしまうのであった。
最初は村から逃げ出そうとする勇気だが、だんだん馴染んできて、そのうち林業にのめり込んでいく姿が楽しい。外から来た勇気を受け入れようとしない村人もいるのだが、いろいろあって、徐々に認められて行く。
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世界のキズナ 2 桜舞う世界で微笑う君
2009年12月21日 このライトノベルがすごい?ある春の日、目覚めると世界は混沌だった。破壊したはずの空間アンカーが甦り、再び多次元の地球がごっちゃになって、ロボットやら虫人間が学校や街へと現れ始めたのだ。調査を始めた沙織と僕たちの前に、このままでは、世界が宇宙ごと消滅するという事実が明らかになる。そのうえ別のルートからアンカーを追跡していた沙織の元カレも登場し、さらに状況は混迷&デンジャラスに!奇妙でキュートな混沌世界アドベンチャー第2弾。
伏線も何も無く、1巻だけできっちり終わっていたので、どうやって続けるのかと思ったら、ちょっと強引な展開。
時空混在現象を体験した核恒星系統一機構が、今度は人為的に再現させてしまう。実験自体は成功したものの、前回のラスボスとなったものの意識体が逃亡し、再び危機が訪れる。
再び時空混在現象に巻き込まれてしまった魚津庸介。核恒星系統一機構から来たザラックと合流し、この現象を安定させている中和装置の警護を頼まれる事になる。しかし、警護する対象は、ただの機械じゃなくて、見た目が銀髪の少女だった。
逃亡した意識体は、動物を乗り換えながら成長して行き、なかなか捕まらないのだが、捕獲チームがザラック達で、主人公は女の子にしか見えない中和装置の警護担当なので、いまいち盛り上がらない。前回出てきて仲間として戦った人々も、今回は記憶を改変されたために脇役扱いだし。ラストは沙織を守るために魚津庸介も戦うのだが、台詞が非常に青臭い。
詰め込みすぎ感がなくなった分、1巻よりはスッキリした展開になっているけど、はっちゃけ方も少なくなってしまったかな。
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世界のキズナ 1 混沌な世界に浮かぶ月
2009年12月21日 このライトノベルがすごい?教師が鰤でクラスメイトがムカデだったりするのは、やっぱり変だよね―。自称星間連合エージェントという沙織に「本当の月の絵」を見せてもらって世界の方が間違ってるのが分かったのはいいけど、なぜか僕がそのオカシな世界を救うことになってしまった…。運動神経ゼロで成績も悪いフツー以下の僕でも世界は救えるのかな?美少女宇宙人に「お願い」されて庸介の分相応な戦いが始まる!混沌な世界の学園ファンタジーが登場!第8回角川学園小説大賞奨励賞受賞(受賞当時のタイトルは、『多重世界の幻影ども―魚津庸介とカオスでマルチなご町内』)。
椿あすの表紙に釣られたけど、ちょっと中身がカオスすぎる。教師が鰤だし、クラスメイトの人外にしか見えない奴らがウヨウヨいて、まるで百鬼夜行状態。なんとなく違和感を感じつつ、魚津庸介は超ヘタレでなさけない少年として、極貧生活を送っている。主人公がある程度のヘタレ男というのは定番かもしれないけど、ここまで底辺キャラだと感情移入出来ない(笑)。
この、ごった煮みたいな世界は、本来は交わる事の無い平行世界が融合してしまったためなのだが、大半の人間は自動的に記憶を改変されているため、それに気づかず生活している。魚津庸介は、沙織という少女と出会い、世界を本来の姿に戻すために立ち上がるのだが、時空混在現象を引き起こしたのは、恐ろしい相手で……。
ちなみに、ヒロインは名前が日本人そっくりだけど、実はキミドリから来た宇宙人。陰陽師みたいなのも出てくるし、クラスメイトは中の人がいるし、その他にも竜人間とか、マッドサイエンティストとか、本体と駆動部が分離したロリータとか、正体不明だけどとっても恐ろしい双子とか、様々なモノが登場しすぎでお腹いっぱいになる。
ちょっと、いろいろ詰め込みすぎて、ディズニーランド・キャンペーン化している気がする。
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男性客相手の風俗のバイトをしている十七歳の高校生怜司は、新宿の「二十四時間制ロッカールーム」のひとつを契約し、夜のひと時を狭い箱の中で過ごしていた。ある日、そこで床にただ座り続ける中年男を見かけた怜司は、次第に中年男に惹かれていく。そして住所を突きとめ、彼が経営する倉庫でバイトを始めるが、朗らかなパートの中年女性達に囲まれて、少しずつ世の中との関わりを学び、受け入れるようになる。しかし、かつて「客」だった男が国語教師として着任してきて…。
第26回すばる文学賞受賞作。
契約方式のロッカールームで、借りたロッカーの中に潜み、他の客を観察するキモい男子高校生。風俗系のお誘いも受けており、ホモ相手に男娼じみた事も平気でしている。
ロッカーから盗み見た中年男性が気にかかり、居場所を突き止め、その男が経営する会社の倉庫でアルバイトをしたりと、ストーカーじみた行為まで。そのうち、客の一人が教師として着任し、かなり厄介な事になる。
ロッカーに隠れて覗いたり、ストーカーみたいな事をしたり、ホモだったりと、最初から最後まで、ひたすら気色悪いだけの主人公だった。同級生美少女のフラグが立ちまくっているのに、無視し続けるのにも萎えた。もったいないお化けがたくさん出た。
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新潟中越地震、発生。一瞬にして山々は崩れ、地面は裂け、家々が崩れ落ちる。家にいた彩(佐々木麻緒)と優造(宇津井健)は倒壊した家屋の下敷きになり、大ケガを負う。仕事のために山古志を離れていた優一(船越英一郎)と、小学校に行っていた亮太(広田亮平)は危うく難を逃れるが、大きな地震が続き、亡き母の妹である冴子(松本明子)や小学校の担任(小林麻央)たちと避難所で救助を待つしかなかった。
やっぱり、犬猫相手だと巷の評価も甘くなるし、容易く目から汗が出るんだね。とりあえず、セカチューの1万と2000倍は泣けるけど、別にスペシャルな技を披露する犬が出てくる訳でもなく、内容としてはごく普通なんじゃないの? 感動の実話なら、この程度のは腐るほどある訳だし。
題名が「マリと子犬の物語」だから、女の子がマリで、わんこが子犬なのだとばかり思っていたら……。子犬がアッという間に大きくなって、子犬を産んでいるじゃないか。で、母親犬の名前がマリなんだね。
地震で分断された村に、そのまま居残りする程度なら、普通にありそうな話だと思う。世の中には、南極に置き去りにされて生き残ったり、飼い主とはぐれて大陸横断して追いかけたりする犬猫もいるので。
今までで一番驚いたのは、東南アジアの何処かの港で飼い主の船に乗り遅れた犬が、別の船に密航して先回りした話だなぁ。愛犬と分かれて嘆いていた飼い主が日本に入港したところ、先に入国していた犬が港で出迎えたという奇跡の物語(笑)。どうやって、日本行きの船を見分けたのか謎である。
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パズルの軌跡―穂瑞沙羅華の課外活動
2009年12月18日 SF特集ようやく就職した綿貫基一の元に、一通のメールが届いた。それは、“ネオ・ピグマリオン”という怪しげな会社から接触を求めるものだった。渋々担当者と会った綿貫だったが、彼らの依頼は、資産家子息の失踪事件の調査を、量子コンピュータを開発した天才美少女・森矢沙羅華にしてほしいというものだった。綿貫は、普通の女子高生に戻ろうとしている沙羅華を説得し、調査への協力を取り付けたのだが―。沙羅華と綿貫に、待ち受ける難事件とは!?『神様のパズル』の待望の続編、ついに刊行。
「神様のパラドックス」とも関連があるけれども、直接の続編は「パズルの軌跡」となっている。まさか、一作目の「神様のパズル」がシリーズ化して続くとは思わなかったのだが、SFとしてはどんどんスケールが小さくなって微妙。
これ、ほとんどラノベのノリなんだけど、SFなの? 粒子加速器以外、SFっぽくない。
一作目に出てきた田んぼは本編にあまり関係ないのだが、やたらと拘って気持ち悪い。他の人に田んぼを耕せと五月蝿いのだが、じゃあお前がやれと言われれば、自分は忙しいから無理とか言い出すし。何この自分勝手すぎるヘタレ主人公は……。
ネオ・ピグマリオンという怪しい会社から接触された主人公の綿貫。彼は、天才美少女に失踪事件の調査依頼をするための仲介役にさせられてしまう。久しぶりに天才と再会するのだが、依頼内容を聞いた沙羅華がハッキング行為で辿り着いたのは、怪しげなサイト。
その後、穂瑞沙羅華本人まで行方不明となる。彼女を追って、自殺サイトかもしれないページから申し込み、怪しげなセミナーに潜入する綿貫。しかし、沙羅華に合流した後も、グダグダしているだけで、いまいち活躍していない。それどころか、足を引っ張る事になって格好悪い。
潜入先でゴスロリ美少女が出てくるのだが、ちょっと妙な方向に狙いすぎなんじゃない? 「スペースプローブ」の時も、カラオケでやたらとメイドが出てきてウザかったのだが。そういうヲタ要素を入れるより先に、ちゃんとしたSFに仕上げて欲しかった。この内容なら、別にラノベで十分だと思う。
穂瑞沙羅華という名前は、ラノベ風の痛い名前をつけただけなのかと思ったら、元ネタは超有名なあの人なのか!! 名前のネタバレについては、あとがき参照。
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カエルと殿下と森の魔女―緑竜亭繁盛記
2009年12月17日 このライトノベルがすごい?旅篭の一人娘なんかに生まれたのが運のツキよ。毎日毎日、寡黙な父さんの世話と、怪しげな闇の森からやってくる、不死人だ人狼だのバカどもの相手だなんて!おかげで十五のうら若き娘だっていうのに“戦う看板娘リュン”なんて二つ名まであんのよ!あら、お客さん、この辺には珍しい、ずいぶんと立派な騎士様じゃない?えっ?愛しの姫の呪いを解いてくれって、でもあんたそれって…。第6回「えんため大賞」優秀賞受賞のコミカルファンタジー!
第6回えんため大賞優秀賞受賞作。
エプロンドレスっぽい表紙に釣られたけど、別にメイドさんじゃなかった(汗)。表紙の人は緑竜亭の看板娘リュンなのだが、店で喧嘩を始めた人狼や上級アンデッドをしばき倒すという、強力な戦闘キャラ。謎の美形騎士を追ってきた暗殺者集団までボコってしまう異様な強さの秘密は……。予想はついたけど、やはりそういう設定だったか。
店に現れた美形騎士は、まさに顔だけ男で、中身がヘタレな感じの残念なキャラ。どこぞの王族で、呪いで蛙に帰られた姫を助けるため、森の魔女を訪ねてはるばる僻地まで来たという。
森の魔女というのが、リュンの祖母にあたる訳で、仕方が無いから王子を連れて森の奥地まで行くのだが……。祖母はともかく母親が若すぎる件! 見た瞬間、絵師がリュンと書き間違えたのかと思ったくらい。ここでアクシデントが発生、蛙を姫に戻すどころか逆に……。
この後、国家規模の陰謀に巻き込まれてしまった緑竜亭が大変な事に! 大変な事になっているのに、無視して黙々と料理を続ける父親が巻き込まれて、もっと大変な事に!!
しかし、リュン視点で物語が進むので、本人不在? のうちに全てが終了しているというのは微妙だなぁ。盛り上がった直後、いきなり後日譚みたいな事になってるじゃないか。アンデッドのアンバーが、最後まで正体不明なのも気になるなぁ。ヴァンパイアとかじゃなさそうだし。続編も出ないから、もうこのまま今世紀最大のミステリー(笑)。
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