ISBN:4163256008 単行本 大道 珠貴 文藝春秋 2006/12 ¥1,800
ちょっと不思議な満々子さん。ワンピースのすそをひらひらさせてキャベツ畑で放尿したり、給食のおばさんになったり…。無重力なこころの放浪を描いた長篇小説。『別冊文芸春秋』連載を単行本化。
大道珠貴初体験にして、いきなり萎えた。主人公が夜のキャベツ畑でアリにおしっこをかけて溺死させ悦ぶような、痛い女性だ。電波入った人でも若くて美人でメイド服でも着てくれたら許せるかもしれないところ、ただの中年女性だから、完璧に萎える。癌になった知り合いが出たら、自分も癌になるかもと思いワクワクしているし、病気の人やその家族が読んだら非常に不愉快になる事必至。
うーん、他の大道珠貴作品もこんな感じだと、匙投げそうだなぁ。雰囲気だけで、捻りすら無いから恩田陸よりもツマラン。
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ISBN:4150115540 文庫 嶋田 洋一 早川書房 2006/03 ¥1,050
「きみが捜査局長?」ブルーノは愕然とした。太陽をめぐるリング・コラプシターでの殺人現場の指揮をとるため現われたのは、左目にVRモノクルを付け、学校の制服のようなものを着た、まだ幼い少女だったからだ…マイクロ・ブラックホールをグリッド状に配置し安定させた超光速伝導物質コラプシウムの発明者ブルーノ・デ・トワジが、仲間とともに太陽系女王国で次々に起こる、コラプシウムがらみの難事件を解決する。
表紙がこんなのですから、萌えキャラが暴れまわる系統の、ダーティペアみたいな内容かと思われそうですが、全然違います。むしろ、かなりのハードSF小説である。表紙の女の子は脇役で、主人公はおじさんだった! むぅ……、表紙が女の子とおじさんでは売り上げ変わるかもしれないけど、ちょっと打算入りすぎなのではないか? ちなみに、表紙の娘ですが、幼く見えても王立警察の捜査局長というお偉いさんなのである。でも若干11歳(笑)。本当は大人だったのだが、宇宙船の事故で死んでしまい、大昔のバックアップしか残っていなかったから、再生させる時に11歳まで戻ってしまったのだ。
重力を制御する新技術が実用化された未来世界の物語。主人公は、太陽系の果てで自分専用の小惑星に住んでいる。星の王子様が住みそうな小さな星だが、人類最高の超大金持ちだから、重力をコントロールして地球と同じレベルの生活環境となっているのである。実はこの人、ニューブル質量ブラックホールから作られるコラプシウムを発明した科学者で、内惑星で危険な実験をすることが出来ないので、ひとりだけカイパーベルトに住んでいるのであった。そんな孤独な彼が、太陽系女王国(この物語においては、トンガ王国の女王がソル女王国の元首だという不思議な設定。どうやら、他の王室は全て滅びたらしい)の危機に立ち向かう事になる。事故によりコラプシウムが太陽に落ち始めたのだ。最初は単なる事故かと思われたのだが……。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2004/04/02 ¥5,250
同人ゲームとして大ヒットした「月姫」のTVアニメ第5巻。暗闇の中、全身を包帯で覆われた男が手にしたナイフで、志貴に襲い掛かる第9話「死。」と、クルクェイドとデートした志貴は、思いもよらぬことを口にされる第10話「朱の紅月」を収録。
現れた包帯男に殺されかける志貴。出血多量で倒れる中、失われた記憶の断片を垣間見る。危機にかけつけるシエル先輩は、殺されても死なない人だった。刺されてもすぐに回復するのは羨ましいけど、この人もすでに人外であった。
何かを思い出しかけた志貴は、家に隠された謎に迫るのだが……。包帯男がロアで、その正体は●●で、志貴は●●じゃなかった!! もうすぐラストなのに、後半がアルクェイドとデートなのは、如何なものか。
ISBN:4163254005 単行本 伊藤 たかみ 文藝春秋 2006/08/26 ¥1,050
暑い夏の一日。僕は30歳の誕生日を目前に離婚しようとしていた。愛していながらなぜずれてしまったのか。現代の若者の生活を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を明るく軽やかに描く芥川賞受賞作!他一篇収録。
第135回芥川賞受賞作。
選考委員の評価は芳しくないようだが、「ハリガネムシ」や「介護入門」という地雷を踏んだ後では、ごく普通なだけで許せるよ。うん、俺の心は、あの地雷で許容範囲が広くなったさ。
付き合っていた彼女とズルズル続いて結婚してしまったはいいが、お互い夢に潰されていく過程で、現実も崩壊して離婚に至る。愛だ恋だと浮かれてみても、所詮は生活基盤がしっかりしていないと世迷言にすぎませんから。夫婦関係が壊れてしまうのが痛々しいが、リアルタイムではなくて、物語においてはすでに離婚寸前の状態となっている。自販機に飲料を補充するバイトで糊口をしのぐ主人公男、一緒にルートを回る女性もバツイチで、二人の会話が漫才っぽいから、深刻な状況も読み進めて重苦しくならない。
もしも金に困らない生活基盤があれば、きっとこの二人は離婚に至らなかっただろうと思うとやるせなくなる。ヘタレ男は結婚してはいけない。
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DVD ジェネオン エンタテインメント 2004/03/05 ¥5,250
同人ゲームとして大ヒットした「月姫」のTVアニメの第4巻。子供の頃の大事故をきっかけに、あらゆるモノの死が見えてしまう能力を身につけた主人公・遠野志貴が、街にひそむ吸血鬼同士の戦いに否応無く巻き込まれていく…。第7話と第8話を収録。
結構猟奇的な展開だったのに、いきなり男女四人で遊園地に行ってしまう事に。なんだか、この回だけ別の話みたいだな。志貴、乾、シエル先輩、弓塚さんだったはずが、妹も無理やりついて来てしまう。ちょっとブラコン疑惑。さらに、いきなりアルクェイドまで現れるから大変な事に。それにしても、男2、女4なのに、女全員が志貴狙いなのはどうよ!? 完璧に脇役扱いな乾、非常に哀れ。
完全にラブコメ風味となり、後半でようやく猟奇殺人事件発生。遊園地で絶命している若い女性。家に戻れば、メイドの血を吸う妹……。でも妹はロアじゃないらしい。微妙に吸血鬼でもないらしい。怪しすぎる展開だが、あと2巻で物語は上手く収束するのだろうか。
戦え!夷皇島学園華道部
2007年3月23日 このライトノベルがすごい?ISBN:4840106312 文庫 すずき あきら メディアファクトリー 2002/09 ¥609
かつて軍の秘密研究所があったらしい南海に浮かぶ孤島、夷皇島。今は中・高・大・大学院と巨大学園となったこの島で、主人公・市ヶ谷馨一は終戦を知らずに眠り続ける機動兵器の電源を入れてしまう!ところがこのロボット、なぜか美少女型だったので始末が悪い。学園を牛耳る美少女だらけの生徒会執行部、そして生徒会に対立する、これまた美女ぞろいの華道部、ひいては島全部を巻き込んでの大騒動が始まった!学園アクションコメディミリタリー風味。
登場人物がある特定の方面にマニアックだし、出てくる武器が細かいと思ったら、この著者は鈴木ドイツでした。軍事ヲタがラノベまで書いてしまいますか……。中身はごく普通な学園ラブコメミリタリー物で、兵装が細かい点以外は目新しくも無いですが。
英才教育の殿堂? 夷皇島学園は日本の南に位置する島。かつては太平洋戦争を戦う拠点となった架空の島で、今は島全体が超難関の夷皇島学園となっているという設定。生徒会どころか島全体を掌握する生徒会長が目の仇とする発明部が、ほんの偶然か旧日本軍の秘密施設の秘匿兵器と出会ってしまう。そう、その秘匿兵器は、女の子の形をしていたのだ! ベタベタにお約束というか定番の展開だな。
旧日本軍特殊兵器キー550は、夏岡きっ子と名付けられ、生徒会会長の魔の手から護るために、発明部ごと華道部に匿われるのだが、後半、いきなり現れた謎の外敵に島が攻撃されて……。
このラノベは、実は作者が軍事ヲタで有名な鈴木ドイツ。
★★★
DVD ジェネオン エンタテインメント 2004/02/06 ¥5,250
同人ゲームとして異例の大ヒットを記録した作品を原作に製作されたTVアニメーション作品。幼い頃、大事故にあいながらも奇跡的に一命を取り留めた少年・遠野志貴。それをきっかけにして、彼には人の目には見えない「モノの壊れやすい線」(=そこに刃物を通せばどんなモノでも壊すことが出来る線)が見えるようになっていた。事件後、親戚の家に預けられ、線を見えなくする眼鏡をかけることで日常生活を営んできた志貴は、高校生になり、父の死を契機に実家へと戻る。だがその町では連続殺人事件が発生しており、彼はその背後にある吸血鬼の戦いへと巻き込まれていく。日常世界での生活と、非日常の戦いの世界、そして互いの世界で志貴を取り巻く複数の少女たちの狭間で思い悩む少年を描く、青春ホラードラマが展開する。
説明をよく読んでいなかったのだが、これ元々は同人ゲームだったのか! 凄いな、あらゆる方面を侵食しまくっているじゃないか。やたらと二次創作コミックが蔓延しているのも、元祖からして同人だからだったのか。
昼間なのに学校へやってくるアルクェイド。吸血鬼らしくない。そして、せっかくキレイ系キャラなのに服装が全くイケてないのは、仕様ですか? アルクェイドは吸血鬼姫だし、シエル先輩も普通じゃないし、妹も怪しいし、謎のメイド姉妹も……。結局、普通なのは脇役として追いやられている弓塚さんだけじゃないか。
次々と発生する謎の事件。吸血鬼に変えられて襲ってくる元人間。どうやら、「アカシャの蛇」の異名を持つ吸血鬼ロアが黒幕らしい。死者となり使役される元人間と戦う事になる遠野志貴。
サークル・オブ・マジック 邪悪の彫像/王様の劇場
2007年3月22日 ファンタジー特集ISBN:4092903421 単行本 武者 圭子 小学館 2003/03 ¥1,890
あまたファンタジーが出版される中で、この「サークル・オブ・マジック」は、まさにその王道を行く作品です。時は中世、騎士道華やかなりし頃、騎士への道を捨て立派な魔法使いとなることをめざした主人公の、数々の苦難に打ち克ち、やがて故国を救うまでに至る成長物語であります。今回は魔法学校を卒業したランドル少年が、諸国を旅しながらふりかかる災厄と闘いながら、自らの魔法を高めていくという冒険談。「嘘をつくと魔法が弱まる、魔法使いをやめなければいけなくなる」という桎梏と正面から向かい合いながら、友人や仲間たちの助けを得て自分自身の道を切り拓いていきます。自らの故国を救うことになる最終巻へのプロローグとも言うべき波乱万丈の巻でもあります。
前作と比べて、前半部分が急ぎ足すぎてトーンダウンな気がする。それでも十分に面白いけど。後半は申し分ない。
前半部分、旅を続けるランドルとリースが、邪悪な彫像に関る事件に巻き込まれる。南のほうで造られた邪悪な魔力を持つ彫像で力を得ようとする魔術師や騎士団に追い回される羽目になる。そして、かつて先輩にして親友だったあの人が……。ああっ、なんて事に!
邪悪な魔術師の手から逃れるため、ランドルとリースは国境を越えて南へ。別の国で、魔術師の手伝いをすることになったランドル。だがここでも騒動に巻き込まれてしまう。王位を狙う悪の公爵が、王を暗殺しようと画策しており、権力争いに深く関ってしまうランドルなのであった。
ISBN:404873735X 単行本 古川 日出男 角川書店 2006/12 ¥1,260
三島賞作家が贈る、雪の夜のちいさな物語。僕たちは歩かない。その終電に乗ったら、歩かない。」 雪の夜、東京で、レストランで、山手線で。やわらかな緊張感に包まれながら、僕たちは時間のひずみにはいってゆく。一夜の奇跡の物語を、挿絵入りで。
料理人達が、少しズレた東京へ迷い込む。そこは、普通に暮らしていては辿り着けない秘密の東京で、そこでは2時間だけ余分に時間が流れる。つまり、そこに行けた人間は1日が24+2時間になるのだ。異世界の東京へ行き来出来るようになった人々が仲間となっていくのだが、その中のひとりが交通事故で死んでしまう。遺された仲間達は、長年その場所を行き来していた画家から冥界へ行く方法を聞きだし、死んだ仲間に会いに行く。
幻想的だけど、あまりメリハリは無くて淡々としたまま終わってしまう。軽く読み流せる大人向け童話といった感じか。
蒲公英草紙―常野物語
2007年3月21日 芥川賞・直木賞ISBN:4087747700 単行本 恩田 陸 集英社 2005/06 ¥1,470
舞台は20世紀初頭の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、不思議な一族の運命。時を超えて人々はめぐり合い、約束は果たされる。切なさと懐かしさが交錯する感動長編。
第134回直木賞候補作。
常野物語系統の一冊。ここでもまた、不思議な力を持った人々が出てくる。見ていないモノが判ったり、今から起きる出来事が見えたりするのだ。だが、その力は万能では無い。
常野物語だけど、常野一族は背景設定で、脇役っぽいので、ずばり常野物語系の話を期待するとガッカリするかもしれない。20世紀初頭に少女だった峰子と、彼女が話し相手として深くかかわる身体の弱いお嬢様が中心となる。
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ISBN:410300312X 単行本 西條 奈加 新潮社 2006/09/21 ¥1,365
上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられたのはご存知「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスは、異人たちの住む麻衣椰村に目をつけるが…。辰次郎、NY出身の時代劇オタク・松吉、海外旅行マニア・奈美といった面々はもちろん、女剣士朱緒をはじめ新メンバーも登場し、ますますパワーアップした異色時代小説。
金春屋ゴメスの第二段。今回は、江戸国内部で麻薬栽培疑惑。当初は東南アジアから逃れてきた部族が怪しいとされたが、次第に幕府中枢で暗躍する人物が明らかになってくる。そして、実際に麻薬が栽培されていた場所は……。
今回出てくる黒幕だけではなく、江戸国そのものを消滅させようと画策する対外勢力の影もチラホラと見えてきたので、これは続編出るだろうな。しかし、わざわざ近未来の江戸が舞台である必要があるのだろうか……。普通に時代小説を読んでいる気分である。
ISBN:4103007524 単行本 橋本 紡 新潮社 2006/12 ¥1,470
あれほど憧れ続けた兄貴の背中を追いかけて、18歳の夏休み、僕は何もかも放りだして街を出た。兄貴の残した年代物のキャデラックに免許証。抜けるような夏空。ミニスカートにタンクトップの謎の美女・杏子ちゃんが、旅の相棒。個性あふれるヒッチハイカーたちと一瞬の出会いを繰り返しながら、僕は、ひたすら走り続ける!バカだからこそ、突き進める。真面目だからこそ、迷わない。―究極の青春小説。
兄が残した1959年製キャデラックに乗り、無免許で九州を目指す高校生。途中で拾った謎の美女ヒッチハイカーを乗せ、ひたすら西へと向かう。旅の途中で、車の運転が怖くなった老人や、家出娘、放浪男など、様々な他のヒッチハイカーも拾うが、謎美女杏子だけは助手席固定。
辿り着いた最終目的地に待っていたモノ! やられた、作者にやられてしまった!! 確かに、よく見ればトラップになっているのだが、そこに仕掛けられた罠を見破った人は少ないだろうなぁ。ミステリーじゃないけど、推理小説級に負けてしまった気分である。本当は、ちょっと恋愛要素の入った青春小説なのに……。はい、おいらの負け、作者の勝ちです。
ISBN:4091911722 文庫 赤石 路代 小学館 1998/11 ¥610
小早川志緒・16歳。お嬢様学校に通う、はかなげな美少女だ。でも彼女はいくつもの顔を持っている。そう、彼女はプライベートアクトレス!
一見、名門女子高に通う病弱な美少女。しかし、その実体は……。という訳で、その昔テレビドラマでもやっていた赤石路代のプライベート・アクトレスを読んでみた。通常の女優ではなくて、個人相手に役になりきって演じるというお話だ。余命短い男性の娘(もちろん、偽物)になったり、嘘の花嫁になって殺されそうになったりと、いろいろ大変なのだ。恐ろしいほどの才能を持ちながら、決して表舞台には出ようとしない小早川志緒。次第に、その理由も明らかになって来る。
うーん。ドラマはどうなんだろう。主役が嫌いな女優だったから観た事無いのだが、ちょっと気になり始めた。ツタヤには無いな。アマゾンでは馬鹿みたいなプレミアムついているし、面白いのか?
シルバーチャイルド3 目覚めよ!小さき戦士たち
2007年3月13日 ファンタジー特集ISBN:4652077777 単行本 中村 浩美 理論社 2006/06 ¥1,575
毒をまきちらし、触手をのばし、巨大な口をひらく―怪物ロアは、おどろくほどに不気味で凶悪だった。光る体となって生き物をひきつけるジェニー、死を覚悟して、土のなかで敵を待つ幼い仲間たち。ぼくたちの勇気が、いまためされようとしている。
いよいよ決戦。ロアは母親と二体の赤子と大昔に産んだ地球の底にいる子供一体。防衛側はプロテクターと巨大な大天使みたいなミロと変異人間軍団と動物! なんだか、クトゥルー神話とエヴァンゲリオンとトランスフォーマーとムツゴロウ動物軍団みたいな感じになってまいりましたが。ロアとの最終決戦の後、さらに大風呂敷広げすぎで終わるは如何なものかと……。個人的には、微妙作だったが、巷で高評価なのはなんでだろう。
シルバーチャイルド2 怪物ロアの襲来
2007年3月13日 ファンタジー特集ISBN:4652077769 単行本 中村 浩美 理論社 2006/05 ¥1,575
これは恐怖? それとも進化? 手がドリルに変わっていく少年、空に浮かぶ巨大なシェルターと化したミロ、宇宙からの凶悪な怪物をむかえうつために、ひきかえせない戦いが幕をあける! 新感覚ファンタジー、第2弾。
1巻が微妙だったので止まっていたが、続きを頑張ってみる。やはり、途中までは苦痛。後半になって、怪物ロアが出てくる頃には多少面白くなるものの、伏線でも何でも無い言葉遊びみたいなのが多くて非常に面白くない。敵の正体は、宇宙怪獣だった。それなら、トップをねらえ! のほうが100倍位は面白いんですけど。
ロアは宇宙を彷徨い各星系の原住生物を捕食する地球外知性体にして宇宙怪獣だった。その容姿は非常にグロテスクで、これは暗黒神話のジュブ・ニグラスがモデルなのでしょうか? 海中から巨大な「プロテクター」と呼ばれる存在も出てきて、ますます暗黒神話っぽい。思いっきり旧神と旧支配者の戦いではないか。
サークル・オブ・マジック―魔法の学校
2007年3月12日 ファンタジー特集ISBN:4092903413 単行本 武者 圭子 小学館 2002/11 ¥1,890
勇敢な騎士への道を歩んでいたランドル少年は、自らに備わる魔法の才能に気づき、故郷から遠く離れた魔法の学校に入学する。そこで学ぶ「サークル・オブ・マジック」とは。そして彼の前には意外な敵が立ちはだかるのだった。
最近、微妙作品に当たる事が多くて、読みかけ状態で投げたままのファンタジーが多かったのだが、久しぶりに当たりを見つけた。上手い伏線と見せ場、プロットもよく練られている。
元々は騎士になるはずだったランドルは、ある日パラモン卿のもとを訪れた魔法使いマードックを追いかけ、自らも魔法使いになろうと決心した。マードックに連れられて魔法学校へ行き、入学許可が出たは良いものの、全然魔法が上達しない駄目生徒と化す。他の生徒と喧嘩して寮を追い出されたり、成績が悪いから進級も危うくなってしまうのである。何とか退学を免れたランドルは、若くして魔法学校の先生となったラーグから直々に教えられる事になるのだが、そこには恐ろしい陰謀が隠されていた!
恐ろしい事件が起こった後、ランドルは魔法を禁止されて旅に出るのだが、騎士となった従兄のウォルターと再会する。ここでもトラブル続きで、やがて災難が意図されたものだと知る事になる。魔法使いランドル、騎士ウォルター、そしてパン泥棒にして歌姫? リース、この三人が繰り広げる物語。ヒロインの名前が気に入った(笑)。
マジック・キングダムで落ちぶれて
2007年3月11日 SF特集ISBN:4150115265 文庫 川副 智子 早川書房 2005/08/09 ¥693
未来の地球で人類は不老不死を達成した。すでに一世紀以上生きてきたジュールズは、ディズニー・ワールドのマジック・キングダムに住んで、スタッフとして働くという長年の夢をついに実現した。ともに働くガールフレンドのリルは、彼の15パーセントの歳で、ふたりは幸せな日々を送っている。だが、彼を思いもよらぬ事件が待ちうけていた…ディズニー・ワールドで働く不老不死のジュールズの冒険を描く、ユーモアSF。
うーむ。表紙のゾンビメイドみたいなのに惹かれて読んでみたはいいのだが、アメリカ人のユーモアはよくわからんよ。不老不死の世界が確立された未来が舞台なのだが、妙な専門用語が多くて、解説が無いのは不親切だと思う。何も考えずに雰囲気だけ楽しめという事? ビッチャン世界(説明無し)ではウッフィー(貨幣経済に代わるもの、詳細不明)の増減が重要となり、人々は時々デッドヘッド(それは何?)するのだ。
さてさて、数多くの先達が求めて得られなかった不老不死世界で、主人公はディズニーのホーンテッドマンションを守るために戦うのだ! 壮大な世界設定で、非常に小さい事をやっているな(笑)。これ、ディズニーからクレーム来たりしないのか?
イチゴ色禁区2 秋の神具の奪いかた
2007年3月10日 このライトノベルがすごい?ISBN:4044725020 文庫 神崎 リン 角川書店 2006/11/30 ¥560
「正樹。私を誘拐しちゃって!」…んなバカな!?なのに俺は結局、亜美と玉城一族長の孫である美代を誘拐した罪で、神社仏閣を管理する「玉城一族」に追われる身に。もともとは長から依頼された任務―玉城の神具“心惑いの玉”を新設の神社に届ける―のための狂言誘拐だったのに。どうやらこの神具には玉城の、そして俺たち二人を巻き込む陰謀が渦巻いているらしく!?亜美と正樹のイチゴミルク・デスティニー“秋の巻”。
主人公の妙な電波的脳内妄想暴走一人語り口調にも、なんとか耐性がついてきましたよ。という訳で第二巻。外道神主はボロ神社を任されてはいるが、神社の掃除すら億劫な駄目人間な日々。そんな最中、組織から封印された神具の搬送を命じられる。長の孫娘、幼なじみの同じく神主、ゴスロリロリ巫女(巫女なのにゴスロリ着ている少女)、外道主人公の四人で極秘裏に運搬するはずが、謎の敵に襲撃されて強奪されてしまう。
失策を上層部に知られたくない四人は、孫娘誘拐をデッチ上げて、組織の警戒レベルをあげさせる。これにより、神具強奪犯人も身動きが取れないだろうとの魂胆だったが……。組織内部の内ゲバなのか、他に敵対組織があるのか、またしても謎が謎のままで、最後の最後で新キャラ登場かつ美味しいところをさらって行く。伏線張らず、終わりかけに強力なキャラを投入して来るのは、物語の紡ぎ方として禁じ手だと思うぞ。
このラノベは、男装少女がスネデレ。
★★