ISBN:4150112592 文庫 矢口 悟 早川書房 1999/01 ¥672
辺境に位置するバシリスク星系へと左遷されたオナーだったが、持ち前の不屈の闘志で乗組員の根性をたたきなおし、前任者がおざなりにしていたパトロール任務をしっかりとこなしていく。やがてバシリスクには、おりしも侵略の機をうかがっていたヘイヴン人民共和国の工作員が潜入していることが判明するが…圧倒的に不利な状況にたいし、鋼鉄の意志と類まれな才知によって敢然と立ち向かっていく若きオナー艦長の勇姿。

自らの版図を拡大するにあたり、重要拠点となるバシリスク星域を狙うヘイヴン人民共和国が仕掛けた陰謀により、原住民が武装蜂起する。しかし機敏にそれを予期して行動したハリントンの活躍で計画は頓挫。急速離脱を開始したヘイヴン共和国の大型商船を、ハリントンが指揮するマンティコア王国宇宙軍巡洋艦フィアレスが追いかけるが、相手は偽装を施した巡洋艦だった。大型貨物室に満載したミサイルを手当たり次第に撃ち込んでくる敵を相手に、果敢にも追撃を続けるフィアレスだったが……。

登場人物が容赦なく物語から退場して行くのが少し悲しい。ご都合主義的展開は少なく、重要キャラさえも死んで行くので、結構ハードなミリタリーSF小説である。
ISBN:4150112584 文庫 矢口 悟 早川書房 1999/01 ¥672
マンティコア王国航宙軍の巡洋艦「フィアレス」に新艦長が着任した。弱冠23歳のオナー・ハリントン宙佐補である。だが着任早々の軍事演習で、オナーは「フィアレス」に搭載された欠陥だらけの新兵器を用いて、初戦こそ飾ったものの、結果的には散々な成績に終わった。かくて、軍上層部の新兵器推進派と反対派の双方から睨まれた彼女は、辺境星系へと左遷されてしまうが…美貌の女艦長の活躍を描く熱血宇宙冒険SF。

最近はどうも、女性が活躍する話のほうがウケる様だ。近年、人気になっているミリタリーSF小説のひとつであるこのシリーズも、主人公はマンティコア王国宇宙軍の若き女性艦長である。

念願の巡洋艦を任される事になったオナー・ハリントン宙佐補だったが、軍上層部のいがみあいで妙な兵装を施された艦を与えられ、その事が原因となって左遷されてしまう。とはいっても僻地へ飛ばされたのではなく、宇宙における要衝となっているにもかかわらず、軍の下らない人事政策のために左遷の地とされてしまったバシリスクが任地となる。長らく無能な提督ばかりが赴任していたせいで、この星域は懸念事項だらけとなっていたのだが、次々にトラブルを片付けて行くハリントンの有能ぶりに、現地は瞬く間に改善されてしまうが、それを喜ばない勢力が暗躍していた。
アウトニア王国奮戦記 でたまか2―奮闘努力篇
ISBN:4044257027 文庫 鷹見 一幸 角川書店 2001/05 ¥540
半年前までぼくは無敵艦隊提督って呼ばれてた。でも本物の戦争はシミュレーションゲームとはぜんぜんちがうんだ。前には強大な敵、なのにぼくらは宇宙最弱のアウトニア艦隊。マジで戦えば、一瞬でKOされること確実。そんなぼくらが、知恵と勇気をふりしぼって考えた反撃とは、敵の艦隊ではなく胃壁を狙う、すさまじく「性格のイイ」小技の数々だった!抱腹絶倒・快感無限大の痛快ポップビート・スペースオペラ第2弾、発進だ。

敵側に異端審問官が乗り込んできた事により、戦争ごっこが本物に変貌してしまった。アウトニアの将軍と、主人公の執事(こいつは人間ではなくプログラム)の犠牲で、辛くも回廊を閉鎖するのであったが、敵側は傭兵会社まで投入してきたのである。

前作を凌駕する勢いで、怒涛のご都合主義攻撃。そんな子供みたいな嫌がらせ作戦でプロの戦争屋と戦える訳もないだろうに、実にのどかな、うそ臭い作戦がこれでもかとばかりに繰り広げられる。読みやすいけど、「銀河英雄伝説」と比べたら、かなり……。

ラノベのお約束で、登場人物はなるべく読者と同じ年齢層に……、という制約があるのだろうけど、敵傭兵会社を率いる提督(准将)が、19歳の女の子というのもなぁ(笑)。
 
 
 
このラノベは、超ウソ臭い戦争が繰り広げられる。
★★★
アウトニア王国奮戦記 でたまか―問答無用編
ISBN:4044257019 文庫 鷹見 一幸 角川書店 2001/03 ¥580
カネなしコネなし色気なしの帝国のビンボー貴族。それがぼく、マイド・ガーナッシュ。士官学校を卒業し薔薇色の未来にいざ出陣…のはずが!なぜか!配属されたのは宇宙の果ての惑星国家アウトニアだった。ほのぼのした国民風土にして、その艦隊は宇宙一へなちょこ。しかもぼくは、その最弱艦隊を指揮して強大な敵に立ち向かわなくちゃならないのだっ!痛快ポップビート・スペースオペラ、始動。

まさしく、問答無用にお子様向けスペースオペラ。敵対するローデスと覇権を争う帝国の貧乏貴族で金もコネも親も無しという、いかにもありがち設定な主人公。門閥貴族の子息を士官学校の試合でケチョンケチョンにした事が祟り、成績優秀にもかかわらず、近衛艦隊ではなくて、聞いたこともない僻地の弱小同盟国家へと左遷される。

帝国と同盟を結ぶ数多くの弱小国家のひとつ、アウトニア王国へようやく辿り着いたものの、帝国軍正規兵は自分ひとりしかいないという、軍事顧問というよりは単なる駐在員状態に。情報操作によって何故か王女の家庭教師兼任帝国軍士官という訳わからない事になり、ローデス側との戦争ごっこは何時の間にか本物の戦争へと変貌する。

戦争描写がとっても嘘臭くて、ご都合主義で塗り固めて作者暴走気味だから、読みやすいけど、ちょっと微妙……。
 
 
 
このラノベは、ご都合主義的展開の子供向けスペースオペラ。
★★★
ISBN:4797331534 単行本 篠原 レイコ ソフトバンククリエイティブ 2005/09/29 ¥1,680
人間界に住むやせっぽちで赤毛の女の子、ベアトリス・ベイリー。ちょっとした天気をあやつる魔法しか使えない未熟な魔法使いだけど、お父さんやお母さん、それに猫のトンガラシと楽しく暮らしている。そんなベアトリスも今日で12歳。仲のいい友達や家族と一緒に誕生日を祝っていたところ、とつぜんやってきた魔法使い審議会の理事長から、とんでもない試練を言い渡されてしまった。かつて魔法界で繁栄していたベイリウィック王国を邪悪な魔法で封じ込めたダリー・ランプの呪文を打ち消し、とらわれている善き魔術師ブロムウィッチと4人の姫を解放しろというのだ。ブロムウィッチはベアトリスの祖先で、ベイリー家に伝わる魔法の歴史書によれば、彼らを助けることができるのはベアトリスただ一人。そしてベアトリスと仲間3人+1匹の冒険が始まった。

邪悪な魔法使いダリー・ランプに分断され支配下にある王国を解放するため、試練の旅に出なくてはならなくなったベアトリス。天候を変化させる魔法は得意なものの、まさか自らの出自に過酷な運命が定まっていたとは思いもしなかった彼女は、仲間と共に旅立つ事となる。

表紙とか設定は非常に良いのだが、話に纏まりとメリハリがなく、盛り上がりにも欠けたままダラダラと物語が進む。脇役が過度に目立って暴れまわるのが鬱陶しい。それが重要な伏線にでもなるのなら唸るところだけど、単に意味不明の脱線で書き散らされているだけというのが下手だと思う。これも、ハリー・ポッター効果で無意味に増殖した劣化ファンタジーのひとつなのか?
ISBN:4840208042 文庫 緒方 剛志 メディアワークス 1998/02 ¥578


ラノベの世界は新陳代謝が早いな。この作品が今となっては古典的作品と看做されているとは……。「ブギーポップ」と「キノの旅」だけは、ラノベでも別格扱いされる事が多いので気になってはいたのだが、今まで手付かずだった。

各話で主人公が変わる連作短編形式だから、盛り上がりには欠ける。最初の話なんて、なにも始まらないままに終わってしまうし、淡々としすぎな感じだ。だが、全てを読み終えてはじめてひとつに繋がる物語は、当時としては画期的な構成だと思う。主人公が変わる、時系列が順序通りではない、連作短編っぽいが全てを読み終えて見えてくる核心部分。なかなか上手く狙って書かれていると思う。

学園で次々に起こる失踪事件。そこで暗躍するのは人外の異形。オリジナルからコピーされて発生した殺人鬼マンティコアと、それを追うエコーズ。それにしても、ブギーポップの正体が……だったとは。
 
 
 
このラノベは、今や古典的名作?
★★★★
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2005/11/18 ¥1,500
少年時代、ある秘密を共有することで固い絆で結びついた4人の男たち。その20年後。毎年恒例のハンティングのため、彼らは雪深い森の狩猟小屋で再会を果たす。しかし旧交を温める彼らの周りで、説明不能の出来事が次々と起こり始める。そして想像を絶する恐怖が4人を襲うのだった……。スティーブン・キングの創造した“誰も見たことがない侵略者”を再現するため、『パイレーツ・オブ・カリビアン』『T3』を手がけたILMのVFXスタッフが結集。キング自らが「この15年で最高の映画化作品」と認めた、最高のホラー・サスペンスの世界に、あなたも足を踏み入れる!

これも『キング作品は映像化すると駄作の法則』に見事なまでに適合してしまった作品。というよりも、キングで駄作じゃないのって『スタンド・バイ・ミー』と『ショーシャンクの空に』と『グリーンマイル』と『アトランティスの心』だけのような気もするけど……。見事なまでにホラー以外の出来だけが良いような……。

森に起こった異変等、途中まではまだ観られるのだけど、得体のしれない妙な生命体が出てきてから、とってもチャチになってしまい、最後の最後はもう単なるモンスター映画。人類を凌駕する知性が、そんなクリーチャーな訳が無いでしょうに……。はい、単なるネタ映画だったのですね。モーガン・フリーマンも、こんな駄作に出演していたら評価下がるぞ(笑)。

 

2007年5月19日 映画

図書館危機

2007年5月16日 読書
ISBN:4840237743 単行本 有川 浩 メディアワークス 2007/02 ¥1,680

三冊目。ラストへ向けての勢いが出てきて、ハイテンション。どうやら次で完結らしい。売れたからと言ってダラダラと続けない潔さは良いのだが、ちょっと寂しい気もする。

王子様を卒業する事にした郁も少しずつ成長して、図書士長に昇進。昇進試験で、郁よりもエリートなはずの手塚が幼児相手に悪戦苦闘する羽目になるのが笑える。

ある人気芸能人が自分の生い立ちを本に綴ろうとした時、ある問題が発生。それは「床屋」という言葉。メディア良化委員会の検閲対象語であり、それを書き換えた出版社に芸能人が反発。図書館員の入れ知恵による妙手で対応する事にするのだが……。うーん、床屋って現実世界でも、放送禁止用語なんだな。誰だ、そんなものを禁止指定する馬鹿は!

続いては茨城県立図書館での攻防戦。事なかれ主義な無能館長のせいで、完全に骨抜きにされた防衛隊。内部でも軋轢が生じていて、読んでいて胃がムカつきます。組織って、出来た瞬間から腐敗していくものなのかねぇ。「無抵抗者の会」とかいう馬鹿どもの市民団体も現れて、不快指数倍増。それだけに、なおさら熱血馬鹿の郁が輝きます。
 
 
メディア良化委員会の前身となるであろう言論弾圧主義者達よ、この本は言葉狩りしなくてもいいのか?(笑)

幻想主義

2007年5月15日 ???
ISBN:4047138126 コミック 犬威 赤彦 角川書店 2006/04/07 ¥609
「こみっくパーティー」の犬威赤彦が描くドラマチックラブコメディー!
幼い頃から「幻想世界」に憧れていた葉山理子は、自身の原点とも言える映画「ダンジョン・インフェルノ」を見に行く。しかし映画館で「ファンタジー嫌い」を公言する前川恭一と出会い、口論するのだが…!?

こういう可愛い系統の絵柄を見た場合、人間は主に二種類の反応をする。「うおぉ! 萌え〜ギザカワユス!!」とか言いつつ飛びつくか、生ゴミでも見たかのような冷たい眼差しを向けた後、全てを見なかった事にしてしまうかのどちらかである。で、当然おいらは萌え系の絵柄に拒絶反応は無い。無いどころか逆に見た目だけで買ってしまいますごめんなさいごめんなさい。

これ、絵柄だけでなくてストーリー自体も良く出来ていると思うよ。しかも、結構ヲタっぽくてディープ。主人公の葉山理子は一見普通の女子高生だが、中身は筋金入りどころかオリハルコン合金でも入っていそうなファンタジー少女。どっぷりと幻想世界に浸かっております。魔法の存在しない現実世界にいても、説教たれる教師はコボルトやホブゴブリンで、用務員のおじいさんはドワーフじいさんなのだ。ある日、学校をサボった理子は映画館で往年の名作「ダンジョン・インフェルノ」を観る。そこで、その作品を罵倒する少年に出会う。

この幻想少女、ただの電波娘ではないのだ。エルフ・アーチャーにあこがれて弓道部に所属、しかも三本纏めて的のど真ん中に命中させてしまう程の腕前。ファンタジーを拒絶する男、前川恭一が同じ高校の上級生だと知った理子は、屋上で仲間とダベっているところへ矢文を放ち、昼食のメロンパンに命中させる。矢文には果たし状の如く、呼び出し日時が書かれていたのだが、連れて行かれたのは秋葉原。そこで恭一はテーブルトークRPGに強制参加させられてしまうのだ。

見た目が可愛くて運動神経良くて性格悪くなくて、しかもヲタ……。もう無敵です。ショコタン級にギザカワユス、なのであります。
ISBN:4794962762 単行本 山越 幸江 晶文社 1996/09 ¥2,345
超高速や長時間飛行を可能にするためのエネルギーは?ニュートンやアインシュタインの法則はどうのりこえるか?映画やSFを材料に、やさしい比喩で相対性理論や素粒子物理をわかりやすく解きあかし、人類の果敢なチャレンジの歴史を語る。星間旅行への具体的なアプローチの術がわかる、宇宙の歩き方入門。

ただの夢物語ではなくて、理論と現実を駆使しながら説明する。ロケットでは時間がかかりすぎる。現在のロケット技術の応用では、最高速度を成し遂げたとしても、一番近いプロキシマ・ケンタウリまで9万5千年もかかってしまうらしい。NASAが研究している原子力宇宙船では? せいぜい火星あたりまで飛ばすのが限界だろう。

じゃあ、時間がかかってもいいからノアの箱舟方式で飛ばしては? 何世代もかかって、いきついた先に移民できる惑星が存在しなかったらどうなる? 途中で亜光速船が発明されて追い抜かされるという悲劇(喜劇)は?

ならば、未だ未完成の核融合ならどうだ? 核融合パルス式では無駄が多すぎる。核融合ラムジェット推進でも原材料集めが大変。しかも、速度が上がれば上がるほど重くなるという相対性理論の壁を前にしては、せいぜい光速の30%が限界。光速になるために、無限大の推進剤が必要となる。

対消滅ならどうだろうか? タキオンで光速を超えたら? ブラックホールで空間を超えて……。書いてある事の多くは夢物語にすぎない。しかし、物理学で可能性が明確に否定されている事以外は、理論上可能な事も多いのだ。人類にとっての夢物語が、必ずしも他の誰かにとっても夢だとは限らない。人には無理でも、きっとどこかで誰かが……。

 

2007年5月4日 読書 コメント (2)

ISBN:4092903448 単行本 武者 圭子 小学館 2004/07/21 ¥1,785
14年ぶりに書き下ろされた最新作。ランドルたちの活躍で平和が訪れたブレスランドにウィルフリードという少年がやってくる。彼はランドルが学んだ魔法学校に入学するが、成績不良で退校させられていた。父親の男爵は、息子の才能を開花させてほしいとランドルに頼んで来たのだった。しかしウィルフリードが来てからブレスランドに邪悪な気配が忍び寄る。誰かが魔法をかけている。ランドルは謎を解く鍵はターンズバーグの魔法学校にあるとにらんで、ひさしぶりに母校に帰る。悪魔と結んでいるのは果たして誰なのか、ランドルの新しい冒険が始まる。後半部ではリースが北の国に赴き、10年に1度の歌の世界選手権に挑戦する。優勝が決まった瞬間にリースは氷の女王に声を奪われてしまう。

以前書かれた三冊に続く話。ゲド戦記みたいなつけたしではなくて、普通に続編となっていた。女王ディアマンテに仕える若き宮廷魔術師となったランドルだったが、またしても邪悪な何かが迫っているのを感じ取る。魔法学校で何者かが邪悪な魔法を使っていると思ったランドルは、母校へと赴く。

後半は、北の国から来たバスキナ王トルクに求められて、十年に一度開催される歌のコンテストに出場する事となったリース。またしても邪悪な魔力を感じたランドルは、同行する事にしたのだが、そこには邪悪な女王が待ち構えていた。トルクは王ではなく、真の支配者はナルニアで出てくる魔女のようなやつだった。

 

2007年5月1日 読書

ISBN:4840116008 単行本 森 博嗣 メディアファクトリー 2006/08 ¥1,050
廃墟マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨に招かれて鈴鳴村にやって来た。その地にある廃墟施設を探検するためだ。だが彼らを待ち受けていたのは奇妙な伝説だった。鈴鳴村にはかつて天才絡繰り師が住んでいたが、120年後に作動するという絡繰りを遺してこの世を去った。今年はまさに絡繰りが作動するその年にあたるというのだ!2人は花梨と妹の玲奈の協力を得て、隠された絡繰りを探し始めるのだが…。

森作品にしては、従来のキレがあまり無いのが残念だ。これでも一定水準は保っているから、面白い事は認めるけど。

田舎村で対立する二つの家。その村にはカラクリ師によって隠された宝があるとされていた。村出身の少女と、外部から来た男性の友人達。彼らが村に隠された真実へと迫るのだが……。あまりミステリーっぽくなく、爽やか系青春ドラマといった感じだ。もちろん、殺人事件も起こらない。

コカ・コーラ120周年記念のコラボ作品だけに、作中で登場人物がやたらとコーラを飲みまくるのが、いかにもわざとらしくて頂けない。まさに、資本主義に毒された作品である。非常に嫌な感じだ。売れっ子なんだから、そこまで迎合しなくても良いのに。
ISBN:4591007766 単行本 那須 正幹 ポプラ社 1978/02 ¥1,050
花山第二小学校六年のズッコケ三人組は、きょうも男たる証明と栄光を求めて、青空の下にかけだしていきました。

ズッコケ・シリーズが完結したと聞いて以来、気になっていたのだが、図書館にあったので読み始める事にした。50冊あるようだが、全部読めるのか!? とりあえず、ハカセ、ハチベエ、モーちゃんがズッコケ三人組となる一冊目から。

1話目、ハカセはトイレの中でしか頭が良くならない。よって通常時はハカセではなく、バカセである。ある日、家のトイレに篭って勉強していると、強盗が侵入してくるのだ。

2話目、本屋でモーちゃんが万引き少女を見つけてしまうが、反撃されてしまう。三人揃って万引き少女軍団と対決する事に。

3話目、お化けが出そうなヤナギ池にて。ちっとも怪談を怖がらない陽子と由美子をおどかすために小細工をする三人だったが、本当に池の底から何かが浮き上がってきて……。

4話目、貝塚発掘に行ったはずが、ハチベエは穴の中へ転落してしまい、財宝を探して探検を始めるのだが、そこはお宝の洞窟では無かった。

5話目、お姉さんが勝手に出したハガキが当たって、強引にクイズ番組に出場させられてしまうモーちゃんを優勝させる為、不正を行うハカセとハチベエだったが。

 

2007年4月26日 映画

クジラの彼

2007年4月24日 読書
ISBN:4048737430 単行本 有川 浩 角川書店 2007/02 ¥1,470
「沈む」んじゃなくて「潜る」。潜水艦とクジラと同じだから。
人数あわせのために合コンに呼ばれた聡子。そこで出会った冬原は潜水艦乗りだった。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんな彼とのレンアイには、いつも大きな海が横たわる。恋愛小説作品集。

全部が全部、自衛隊ネタで、しかもベタベタな恋愛物だったとは……。短編集だから単独でも読めるが、『空の中』と『海の底』をすでに読了している事が前提条件だ。先の二作を読んでいないと、きっとこの本の価値は半減してしまう。

それにしても、『空の中』と『海の底』の人々が障害を見事に乗り越えて幸せを掴んでいるのを見ると、うそ臭いご都合主義な話に思える。決して貶している訳ではない。現実世界の恋愛はあまりにも糞喰らえ! なので、せめて架空の物語ではハリウッド的なハッピーエンドが用意されていても、バチは当たらないんじゃないかと思う。

約一名、糞女も出てくるが、全作品に絶滅寸前級の女性が出てきて微笑ましい。こういうのを素直に喜ぶには体中が痒くなるほど暗黒面に染まってしまった我が身ではあるが、読後感は悪くなかった。個人的にはファイター・パイロットな人のツンデレが最強に萌えます!

 

2007年4月23日 映画

ISBN:4063406326 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2007/02/13 ¥410
音楽に没頭するあまり、すれ違うのだめと千秋は!?
大成功で幕を閉じた千秋の常任指揮者デビュー公演。その演奏を聴いたのだめは、音楽に真剣に向き合う。次回公演に向け、音楽に集中できる環境を求めた千秋は、アパルトマンから姿を消した。そして真価が問われる第2回公演で、千秋は……!?

知人に無理やり連れてこられた千秋雅之がコンサート会場にいる事に気づき、動揺してミスをする千秋真一。父を否定しつつも、無視し切れないという微妙な関係。同じ道を歩む事になった父と子の確執はどう転んでいくのか!? 自称マダムのだめとのすれ違いも始まり、今後の展開が非常に気になるところ。

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